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借り物をした

いつか返さなくては

それがいつなのか
何を返すのか
定かではない

おそらく何もかもだろう
朝の光も
夜の静けさも

身体の奥のほう
ちりちり燃える
かす ....
別の星から
花を摘んできた

それはそれは
大変な旅路だった

いろいろなものを失った
財産や名誉
同行していた友人たち

そしてこころ

すっかり空っぽになって
一輪の花を ....
声をかけずに
放っておいたら

影も形もなくなっていた

扉が開く音はしなかったので
窓から吹いていったのだろう

これでようやく
名前がつくかな

はじめまして
時間になると
犬が呼びに来る
首輪に紐を結びつけ
散歩へと連れ出す
私が立ち止まると
犬も立ち止まる
空似た他人とすれちがうとき
いいから行くよと
紐を引っ張る
雨の日は合羽を着込み ....
明日はなにをしようかな

そうだ、
生きよう

誰でもなくていい
幸せでなくたって

季節の風が吹いている
あなたはつづき

かつていた
誰かのように歩き
かつていた
誰かのように迷う

纏っているのは
誰かの悲しみのつづき
そうやって続けていれば
いつかは悲しみ終るかな

いや
 ....
足が言うことを聞かない

聖地に赴くはずが
とある浜辺に着いてしまった

あの日
地面は大きく揺れて
その日
夜空は異様に瞬いていた

おそらく
人がたくさん流されたからだ
そ ....
いのると
いきるは
似ている

とどくとか
とどかないとか
そういうことで
なく

しあわせでも
ふしあわせでも
ないものが

心にあたる
ことがある
心が凪ぐ
のを待つ

青いかなしみ色のペンが
水平線をなぞるまで

名も無きジョンの
ままでいる
起床時間を間違える
トーストも焦がしてしまった
通勤路を間違える
いつも通っている道なのに
タイムカードを押し間違え
朝礼中にコーヒーをこぼす
当然のことながら
仕事でも間違いばかり
 ....
ミューズとミミズが離れた後に
歌はまだ残されているだろうか

似て非なるものだったのだ
というより
非なるも似たものだったのだ

それゆえに光があった

高い塔に登り
場合によって ....
することもないので
地面に種を蒔く
それは私自身だ
私を地球に埋めてしまって
発芽を待つ
やがて芽が出て茎が伸び
五月の陽射しに葉を広げたり
九月の雨にうたれたり
そして実がなる
ぶ ....
伝えたいときに
伝えたい相手がいないというのは
なんと苦しいことだろう
猫の手をいくら借りても
そのへだたりを
消し去ることはできないだろう
だから
ひかりでできたえんぴつが要る
空気 ....
よりよい幽霊になりたくて
悪い橋を何度も渡り
金色の蟻たちを埋葬してきた
完璧な駅
にわか雨の神
遠くから聞こえる近眼
ハレルヤ、ハレルヤ、
零がどんどん溢れ出す
無限大まで少し足りな ....
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