ピクニック
妻咲邦香

ペンギンカフェみたい
沈みそうな旋律で歩く
たまに目が合う女神のような街に
投げつける豪速球
勿体ない勿体ないって、全部本気だったんだから
罠にかかった小動物、逃がしたりしたら笑われるね
いいよ、不思議な祈り方するから
黙って見てて

手垢まみれ私たち
正体もバレてないし
益々夜更けが待ち遠しくなって
故郷を追う魚のように遠い目
剃刀負け気にして顎をさする
トウモロコシだか何だかの畑と
いつかのお弁当
とんでもない形の玉子焼き
超えてみせる、宣戦布告されたから

たまに目が合う宝石のような牢獄に
風は風
やっぱり風で
尖ったもの無造作に出したままの秋晴れ
二次元に向かう途中の、信号のある所で絡んだ
唯一のチャンス、目を閉じる
まだ青じゃないのに


自由詩 ピクニック Copyright 妻咲邦香 2022-09-04 23:24:32
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