すべてのおすすめ
見上げれば 青い空がある
靴の下 地面の底には また地上があり
私からは見えない 空がある
息できる場所で引力に頼って歩く
いつも踏んでる道のずうっと下は
海かな 河かな 山かな
....
社員だけど 内職を頼まれるというのは前にもあった
普段は自宅にいて内職の方がする仕事が納期に間に合わず
日中の仕事を終えてから 仕事を家に持って帰り
家事をすませてから 内職をする しかし 内職 ....
会社の帰りがけに車を左折させる
道から少し離れてある実家の林檎畑が見えてくる
減反した田んぼに育てた林檎の木
今はこの世にいないはずだが 父の幻がいる
畑が物陰になり見えなくなると
右側の田 ....
玄関の隅に蜘蛛の巣がある
大きな蚊の死骸が かかっている
ほうきではらい 外に掃く
小さな蜘蛛が逃げる
朝の外気が 玄関から流れ込む
蚊の死骸は やがて蟻に運ばれるだろうか
巣 ....
くずれた コンクリート
身でたどる 無
囲う羽に 野が歩む
キミドリ草 と 居留守メモ文字
続きの光 撫でて 振り返って
きれの裾 メモに はさまれて
何所へも行けない 行きたくな ....
死体って本当に動かないんだ
父さんの死体は 父さんと言っても動かず
とても不思議だった
死体だけども 父さんと変わらずに呼び
唇を水に浸した綿で拭いたり
保冷剤を取り替えるのを 成る程と ....
桃の実をすぐるため
はしごに登って高い枝に手をのばす
少し時期が遅くなったので
実はピンポンボールのようにまで
大きくなって 枝一杯になっている
このままでは多すぎるので
適当な間隔を ....
狩りは かかとで 踏んでから
継ぎ足す糸屑 齢にかけて
後の視 留守居に 枯草つむ風
狩りは 掛かりに 放らして
かりは かかとで ふみえ みち
あさのは ゆめのき なきわ こるいし ....
光では消える
だから 灯りを
照らすという意志が欲しい
だから 灯りを
ともすという力が欲しい
だから 灯りを
暗いものが見えるだけでも
心の灯り
たきつけているのは ....
育てていた蜜蜂が 熊に襲われた
蜜を狙って巣箱を壊し 女王蜂も食べられた という話
熊って 蜜だけじゃなく 蜂も食べるの?
食べるらしいよ それ以来 蜂が怖がって
外へ蜜をとりにいかなくて ....
今年はじめて モンシロチョウを見た
まだ畑には雪がかなり積もっていて
道路や地面で アスファルトや地面が
見える所はあるけれど 花は咲いていない
蜜はまだないよ
ひらひらと 春めいた陽射 ....
書籍小包が届いた 見慣れた宛名の筆跡に
若い頃作っていた詩集の メンバーからだとわかる
が 差出人を見て ドッキリ
初めて見る筆跡と 女の子の名前
娘さんから 私への贈り物であった
童話 ....
降り続く雪に 何かあったのか
急に停電になる
夜の十時を回り 真っ暗
のはずだったが ほのかに明るい
雪明かりが 窓の外から輝いている
どこにもやりどころのない雪が
家の回りに山の ....
海を知らないのに 波のように
風に這われた雪が空中に駆け上がる
道路から 枝から 積もった雪の壁から
風の爪となり 冬の刃となり
波から眼をそらせば とらわれたハンドルが
凍る道に ....
土の時から切り倒された木が
障子の枠になり
冷たさと暑さをさえぎる
みあげていた空は
どこにしまいこまれたのだろう
根もなく 葉もなく
マストのように 飛行機のように
航海が ....
雪を水に入れると 水になるように
水は氷に 雪水はつららになるように
死ぬことも生まれることも生きることも
体を通るものの 変質なのだろうけれど
心は 消えても響く
共にと思う幻想に支えられ ....
ちりとりのゴミを玄関の外に捨てると
蝉が羽化に失敗して 転がっている
またか
この時期 たまに見る
壁によじ登っては 落ちる 蝉 とんぼ
ぐちゃぐちゃに柔らかくて 体に触れない
死 ....
とある宗教に誘われて断りました。
それで なんとなく宗教について考えています。
うちは 神棚と仏壇があり 毎朝 御水と御茶 ご飯などを
お供えして先祖を拝みます。実家も同じです。
嫁にきてから ....
赤い雲が青空に溶けていく
さなぎの上に 初めて羽をひろげる鬼ヤンマ
透明な四枚の羽と 複眼に陽が射す
洗濯ものを 外に干す
水辺の近くに立つ 銀の洗濯棒が光を集める
風波をかぶる池の石 ....
黒い木陰に巣くう羽根音
砕いた殻墓 添うて鳴く
まみれた草にのけられた
くちばしこもり 膝の上
はばたき とどまり うちふり さえずる
影に塗る 黄緑 黒 音は チチチッ
うま ....
車に乗り込むと会社に向かう
いつもの出勤時刻
晴れた朝は 陽ざしがまぶしい
光を避けて 道路を走る
段々と 車列がのびていく
大きな車も小さな車も車間距離は同じ
列のスピードに合わせて ....
心のある場所をさがす
頭じゃなさそう
顔じゃなさそう
体でもなさそう
でも体の外にもいない
どこだろ
頭の上かな
みえないから わからない
言葉にもいない
どこなの どこなの ....
登校中の女の子と男の子が
道路を横切ろうとしている
飛び出しに供えて ブレーキに足をかける
春の陽射しの中 防寒着の子達は
車道の前に立ち止まり
急に 女の子がしゃがみこんだ
その手に ....
詩などの投稿掲示版を利用させて頂くようになって
十年くらいになったのだろうか。
ほんとに無料で投稿してもいいの? 好きな詩に投票?
ポイント? 感想は書きたいけど ポイントなしだと
がっかりな ....
私は霊だ 唐突だが気づく
年を重ねて老いてなるわけでもなく
生まれつき 霊だ
霊と肉体の合体で
動かしているのは心
じゃあ 私って誰?
肉体を授かり 名前を授かった
その負う この世 ....
嫁いで どれくらいたった時からだろう
実家の両親が 他家の者として私に接し
夫の両親も 嫁として私と接した
血族でも 他家の者になった私は
実家の事には 深く口を出さず
それが お互いの ....
ご指名は ときかれて
いいえ 特にないですと答える
チェーン店の美容院は こんでいて
手の空いている人が 洗髪したり
髪を染めたり 切ったり の方が
私的には 早く終われて良い気がするの ....