すべてのおすすめ
どうして
アスファルトで覆ったのでしょう
芽生えようとしていた希望が
誰にも知られず
死んでしてしまったら
訪れた春は悲しむでしょうに
美しいって何ですか?
1
卯月と鬱屈の間
2
空白、あるいは無意識における想像力
3
機能性に優れ好ましい様子
4
自然現象に見出す数式、規則性
....
こどもが寝ている
夢を掴みそうになって目が覚めたら
こどもでなくなってしまったあさ
等質に毎日は来ないんだし
まあてきとうでいいやという訳にもいかない
家を出る前におとなのふりをして ....
切り裂かれた皮膚から
去っていった細胞が
シクシク泣いている
あの日開いた傷口は
新しく育った細胞にふさがれて
戻る場所はもうない
見えなくなった
何もかも
熱帯雨のような景色のなかを
蚊が飛んでいる
飛蚊症なんだって
読めない
書けない
意識がまとまらない
網膜はく離の前兆とかもあるんだって
頭痛、嘔吐 ....
かつて激しくなにかになりたいと
想ったことがあっただろうか
自分以外のだれかになりたいとはいくども考えたが
それはクラスの席替え程度の安易な願望にすぎなかった
ラモーンズのコピー親父バ ....
一人前 たまご三個は使いたい
これは食べ盛り男子向きなのだ
たまごを割ってボウルに入れ
醤油をたっぷり入れる
過ぎない程度に良く混ぜる
どんぶり飯に乗せて食べるのだから
しょっぱいくらいが ....
おとうさん
あなたの遺した杖がある
この杖をつき
生まれ故郷の野山を散歩するのが
最後の楽しみだった
歩くことができなくなってからも
ふるさとの山の桜を見に行くことが
最後の希み ....
心地良い朝を吸い込んだら
迷子のオキシダントが
途方に暮れているのが分かった
悔しすぎて歯軋りしたら
心配性のフィブリノーゲンが
身構える気配を感じた
本当を言い当てられて黙っ ....
バスの座席に身を沈めると
自分の居場所を見つけた気がした
乗客は疎ら
誰もが無言で
窓の外を見つめている
赤いテールランプの川
灰色のまま濃くなる空に
星のように瞬いてとび去る
....
まっしろなカップに
夜が満ちる
からっぽなわたしは
真っ暗な部屋で
夜を見つめてすごす
安堵のなか
ごくり ....
冬の道のあちこちに
手袋の片方がよく落ちている
ポケットから
ものを取り出す時に落ちたのか
自転車の前かごから滑り落ちたのか
私も長年愛用していた
手袋の片っぽを失くしてしまった
....
どのみち世界は
俺を受けいれることはないだろうと思っていた
二十歳のころ
俺は生まれてきたことを呪った
憎しみは
親に向けられた
憎しみは
世間へと向けられた
憎しみとは殺 ....
雲ひとつ無い空の下
傘を片手に屋根の上
風が吹くの待っている
強く吹くのを待っている
蝙蝠傘くるり
風がさらうの待っている
いつか夢見た世界まで
運んでくれるの待っている
薫る ....
爽やかな朝が座禅を組んでいるのを遠巻きに見て、
賑やかに客が行き交う池のある庭に面した廊下に立っていたおまえは
鼻を垂らし、
昼も夜もなく透明な凍りついた顔で笑っている
やがて厳しい冬が過 ....
肉屋の軒先で 雨宿りしながら
ぼくはグラム398円の値のついた
ショーケースの中の
肉の切れ端を見ていた
タバコに火をつけた
ヘンドリックが
食肉になって
....
灰色の道の上に
ひとつの疑問が落ちていた
ずいぶん昔 この胸に生まれ
しなやかに若木のように育ち
そして出て行った
いつか答えを見つけるのだと
朝の光が包む白い道を
振り向くこともしない ....
夜、部屋に帰って来ても
朝、起きても
置いた物は
みんな
置いた場所に
ある
一人 なんだなあ
自由 なんかなあ
手ではない何かが動いて
君ではない何かを引き寄せた
恋という記号を剥ぎ取って
唇ではない何かが貪った
唇ではない何かが動いて
名前ではない何かを呼ぶと
君という記号を脱ぎ捨てて
....
月の表面がつるつるであったと信じられていたころ
自作の望遠鏡での観察で月の表面がでこぼこであることを発見した
ガリレオ・ガリレイ
プトレマイオスの天動説はキリスト教神学オフィシャルサイトの既 ....
歌わないでほしい外が歌っている
空が久しぶりに色彩を取り戻したきょう
けれども風の帳に覆われて
わたしはあきらめた
木琴の音色はいったい誰が担当しているのか
いろいろにたずねてみるし
....
昨日のネガティブ
引き摺って無駄にする今日を
増やしたくない これ以上増やしたくない
明日のポジティブ
描きすぎて無駄にする今日を
増やしたくない これ以上増やしたくない
....
ガタコトゆくのは2両電車
田舎のしがない私鉄です
その座席に座るわたしは
上下左右にからだすべてが
揺れるのです ....
ある時点で
僕は全て
いや全てといえるものがあるということなど
含め
全て疑って
憑かれて毎日日記帳を尖るボールペンで彫刻した
僕の日記は
僕の毎日を綴ったり紡いだりもしたが
それはと ....
二杯目の生卵入りビタミン飲料を作ろうとしていた祖父は
祖母に見つかり
一日一杯とお医者さんに言われているでしょう とたしなめられていた
平和とは何かしら
終戦直後に生まれた母は
街に ....
私には見えた
あなたが笑うたび
唇の端から
ちろちろ見え隠れする
赤い瞳の小さなヘビ
あなたがしゃべると
目の奥をよこぎっていく
緑色した胴体のヘビ
あなたがふりかえる時
....
糸電話のコップからあの日と同じ夜が聴こえる
結露した窓から
こっちを覗き見て
耳の上の辺りが特にひどいまるで
死に損いの四月の残雪のよう
そう言って笑った
冬の魔性は
死と均衡のとれた美貌を冷たい時間に包み
去り際には何度か振り返 ....
わたしたちは毎日
岐路に立って考えている
左の道にいきますか?
はい いいえ
左の道にいったので出会った人
左の道にいかなかったので出会えない人
もしも 出会ったその人が
....
全世界のレンコンよ。
この声が聞こえるか。
私はレンコン協会の
誉れ高き会長である。
皆、歴史を思い出せ。
受難が続いてきたが
ついにその時がきた。
立ち上がる時がきた。
過去 ....
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