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公園の遊具が拘束を解かれ
子供たちを纏い始めると
桜は突然咲くのだ
短い季節に燃え上るいのち
追いかけてはみるものの追いつけず
去り往く姿 あっというま
廻り来る姿 あっというま
あっ ....
眠れないという寝言
八重よ、八重、
お前はどこからやってきた?
海の向こうの和の国の
家族がお前も恋しいか?
八重よ、八重、
お前はいつからそこにいる?
出逢った時からお互いに
白髪も相当溜めてきた
....
ビルが朝陽にかじられて
吐き出された陽光は窓をすり抜け
昨夜の恥部を暴き出す
人々は慌ててカーテンを閉じ
ベッドを隠し
朝を始める
わたしと来たら
病室のカーテンを開け放ち
....
右の頬が激しく打たれた
しかし左の頬は無事だった
額がスズメバチに刺された
でも後頭部は無傷のまま
左目に火の矢が突き刺さると
右目はとっさに視線を逸らす
耳は恐々 欹てるだけ ....
ときどき、神さまについて
考えてみることがある
私は無宗教だが
神さまを侮ったりはしない
イメージは漠然として
先祖の霊だったり
大自然の力だったり
稲荷大社の狐だったり
見え ....
わたしはターヘルアナトミア
あなたの皮をペロリと剥いで
思惑の筋や経絡がどれほど緻密にヒクついているか
白日の下に晒してご覧に入れます
わたしはターヘルアナトミア
飲み込 ....
心と身体が離れている
その隙間に不安が滑り込む
いちいち手足に呼びかけないと
動作しない人間型ロボットみたいで
いろんなものを詰め込んだ
底の抜けた南京袋
唇から直腸まで
排 ....
四月の終りの西都の原は
空の青と雲の白
陽光に映えた一面の緑の間に間には
ミツバツツジの赤が美しい
ゆらゆらと若草の間を歩くと
目の前に左に右に草をまとった程々の墳丘が現れ ....
ビー玉を
プラスチックで
ぎゅっと押しこんで
からんと音をたてて
ひろこちゃんがわらう
びんがずっしりと重い
人がいっぱいで
やすむ場所もなくて
やっとみつけた木のしたで
ふたり ....
眠れない春が君に似ている
あの火、
「ほ」が
やって来て
声も、血も、涙も、
水も、空気も、
ぜんぶ苦くなった
タ、タ、タ、
バ、バタバタ、
しんで
薄暗くなって寒い
カタチのない
「ほ」が
じ ....
中途半端に目覚めた
朝のような
深い霧に包まれて
たった一人
地球に存在する
気分を味わう
誰にも断ち切れない
深い絆で
結ばれていようと
いつかは
この手を
離す時 ....
無能と言われ慣れ
居場所など無いと言われ慣れた
アルバイトは首になり
とうとう愛する者など現れない
俺の王国がなくなってしまった
人達が二つに割れるのを見た
そしてその両方が俺を追い出した ....
しゃぼん玉のような瞳を漂う
異形のチューリップ
コクトーの詩がめらめらと
記憶から皮膚を炙る 匂い
生まれたての羞恥心に注ぐ
冷たい炎のバプティズム
春を纏ったものたちは戸惑う
羽化した ....
やわらかくなるなら、
山も食べたい、
山を口にするとゆうれいが跳んできて、
目を見張る仕草がくべられた薪のように、
ぱちくりと聞こえる、
そこでぼくに歩くことを決めさせた、
ゆうれ ....
雨が降るようには
言葉は降ってこない
言葉は辺りを水浸しにしないし
視界を霞ませたりはしない
日が降るようには
言葉は降ってこない
言葉は全てを明らかにしないし
辺りを温 ....
今日は
風がお休みだから
空気がのんびりしている
日向ぼっこをしている庭を
転げまわる
子どもたちが
僕の人生の
すべてになる
老いるのも
成長するのも
同じ時の流れ
四番目の息が聞こえる。
父の息。
母の息。
私の息。
そして、聞こえる。
他には居るはずがない誰かの息が。
まだ幼かった私は、父母に挟まれ、狭い二階の一室で、毎夜訪れる暗闇と遭遇してい ....
蟻の動物病院があった
保守的な虎が営業してきたパチンコ店のはす向かいだった
病院の前はりんごの親分が毎年受粉してきたりんご園があったはずで癇癪を起こす体質の親分はもういない
だから蟻が来たの ....
玩具売り場の前から幼児の泣き声が
人の溢れた地下街広場に響いて
若い夫婦の困惑が子供を叱る
幼児と親と対立する主張は
地下街の雑踏を立ち止まらせ
黙らせる
己の主張が通らない ....
それはモノゴトとの距離の問題
モノゴトが遠くにあれば小さく感じて
モノゴトが近くにあれば大きく感じる
時間もひとつの距離だ
あるいは他のモノゴトとの比較の問題
モノゴトの傍にもっと大きな ....
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ごく、
近視眼的思考で
詩のようなものを書いたなら
....
ほとんど同じ
服しか着ないのに
ストレスが溜まると
服の買物へとはしる
ぺんぎんがいる
広い海には百貨店があって
青空を飛べないぺんぎんは
翼を使って海を泳いでいく
飛べないことを
....
君が笑う 僕も笑う 世界は笑う
暗くない夜も青くない空も素晴らしい
愛し合える日があといくつ残ってるだろう
君が好き 君が好き
君に贈る詩は君に届け
もう
桜は散るしかないんです
うまれたら
生きるしかないように
ひとは必ず
上をみるんです
花びらを踏みつけながら
あしのうらに
はりついた花たちは
なにもいわずついてくるん ....
ふたり乗りのベビーカーに誰も乗らない
光と影の境界
ひとつの石が孵る
透明な炎の囀り
思考は灰になる
朝が目を開く
ひとつの幻想のパンケーキ
刹那わたしは身をくねらせ魚形
夜が堕胎した冷静な夢のシタイ
亜餌意緒雨キ ....
誰かに飲み干された君は
埃っぽい街をぼんやり透かして
仄かな緑色で薄笑いしていた
濁り切れずに立ち尽くしていた
可憐ながらんどうの君は
微かにアップルタイザーの匂いがして
僕は言葉 ....
強くはないと
自覚していても
強い人になりたくて
強がりばかり言っているから
その分余計に痛い目にあう
優しい人にはなれないと
解っているのに
優しい人の振りをするから
その分 ....
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