すべてのおすすめ
キレイごとが好きなのだから
避けて通るのは
錆び釘の赤い汁が淀む
ほら、そこ その・・・よ
それで
どこまで話したかし ....
宇宙人来襲中にツチノコ捕まえた
写真は撮らない
目に焼きつける
時がしっとり思い出にかえてくれるから
染色体の一本多い、3才の周が
初めて言葉を発した
「それ…」
僕は身を乗り出して、聴き直す
「え、なに?」
目が覚めた――(なんだ、夢か…)
布団からひょっこり顔を出して
周はまだ、 ....
焼焦げた詩に辺りが拒まれる朝
幾つもの数字を突き立てられ
中東事情から抜粋された
金の卵を産むカラクリを
羽の生えた大らかさで
目ざとく 錯覚する
机上の空論も
過剰な言論も
....
NUE(鵺)
猿の
小賢しさと
狸の
強かさと
虎の
素早さと
蛇の
執念深さが
艮の
夜空で出逢う時
人の
内の矛盾は
闇の
中に ....
腹の中
むかし
おふくろは言ったものだ
「おれの腹断ち割って見せたいものだ
真っ白じゃで…」
そう あなたは
腹に一物持つような了見など有りはしなかった
だが
子ども達は ....
帰りたくない家へ特急列車
ミツビシに勤めているのに みつひしと云う父が
三つ菱形があるから、三菱
そんなことを教えてくれたのは、やっぱり
みつひしだったからなんだな
カッターナイフを ぽきん
「これが ひしがた ....
薔薇よ
かくも烈しい
おまえの怒りに
一瞬にして触れてしまった
不意をつかれてたじろぐ私の指先の
見えない程小さな
けれど思いのほか深い傷から
みるみる膨れ上がって
指を伝って流れた色 ....
ほんとうの話を 書こうか書くまいか
かくまうのはやめて お書きなさいな
夜空に 月ひとつ
鱗雲に埋もれつつ 虹彩を放つ
大地を踏みしめて
月と私は空を挟んで共にある
驟雨の ....
こころがひとつ
ふねにのり
あてなくひろい
みなもにぽつん
そらとみずとの
さかいなく
おもえるような
あおあおの
しずかなときも
ありました
そらとみずとが
まざりあう ....
浮き輪に入れなくなった
サイドミラーに小さな蜘蛛
縁を歩けば一人
面を歩けば二人
奇妙なポーズ
虚空と戯れる長い脚
見えないイトで織りなす罠
偶然と必然の色分けは自分
幸福と不幸を計る分度器も ....
すべての望みをかなえることができないように
すべてのいのちをいきることができないように
ぼくたちはあるフレームできりとられた風景を生きる
ことばでそれらをデッサンする
どうやったら頭のなか ....
昨夜も死と戦っていた
胃カメラを飲むように
ぼくは死と戦っていた
ずん胴な土管をイメージして
胃カメラをやり過ごすように
染み渡れ、縋りつけ、寄るべなき生に
薄 ....
席を譲りあううちに終点
片づけておいてね、って 言った
私の責任だとしても
鞄という鞄の ファスナーもホックも全部
ジッパーは下ろされ パックリと口を開けて
私を 逆さまに覗いて笑っていた
自分では見 ....
妖怪
都会の妖怪は
昼間に出るらしい
夜は明るくて
隠れる場所が無いから
たとえば
人の途絶えた午後
ビルの屋上に出るドアの
前に佇む影
あるいは
休日の事務室に ....
哀しみは河の流れのように
喜びはひまわりのように
嘆きは根雪のように
歓喜は太陽のように
哀しいと言えばみんな哀しい
うれしいと言えばみんなうれしい
難しいと言えばみんな難しい
簡単 ....
硝子のむこうで
雨が呼んでいる
硝子のむこうで
闇がきらめいて
硝子のむこうで
孤独が浮遊する
四角い窓から
宇宙がもれだして
夜はカーテンと
ひとつになる
四角い ....
戦争跡地や
災害被災地を
訪れようとする観光がある
ダーク・ツーリズム
悲しみは
人を引きつける
死から
人は学ぶのだから、と
パネリストは言う
そうかもしれない
では ....
あかん!
そんなうるんだ目でみんといて
かんにん、もう降参や!
「吐」
薔薇色の二酸化炭素
パッチワークの嘘
賑やかな流動体
ビタースウィートな溜め息
悩ましい亀裂から
漏れ出す黒い臭素
歪に膨れ上がる
柔らかすぎる容器
吐き出さ ....
ある日私たちは純白に生まれる
何一つ自分らしさなど持ち合わせず
ただひたすら落ちて往く
それはいつの時代も変わらない
けれどこの時代に相応しい
数多の毒に冒されながら
私たちは落ちて往 ....
頭に巻くネクタイ選んでいる
あなたには
彼女がいるって
きいたわ
地位も
名誉も
揃ってて
正常で
スペシャルで
きれい
まるで手が届かないわ
わたしたちには
許されないことがある
冗談とか
軽 ....
今日は可燃ゴミ収集日
ゆるゆるゴムのパンツを捨てる
魚肉の切れっ端や野菜葛の異臭にまみれたパンツ
カラス除けのネットを剥がし
顔色も変えずに集めてくれる若いあなたがいる
履き替える新 ....
おいしいスープも煮えた頃だし
バイオリン弾きも呼んできな
けむくじゃらの獣たちも着飾って
誰もが招かれざるお客
ラー油をたっぷりラードもこってり
けじめもなしの騒ぎ放題
まちがえたって?
....
「阿」
宇宙のはじまり
命のはじまり
言葉のはじまり
はじまりの吐息が
外側をふるわせる時
内側のふるえは
色となり
音となり
文字となって
世界を創りはじめる
....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260