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空にはもう
手が届かない



真夜中、
潤いが消失した部屋で
繰り返し観たものは
果てしない砂漠での蜃気楼、の夢

瞳を覆う
色が無い眼鏡の、曇りをふき取っていく
余分なもの ....
ギター
雨をはじいて飛ぶ鳥のように
空気を震わせて濁らない
濡れた枝先の微かな光
抜糸された瞳へ飛び降りる
孵しそこねた夢の欠片から
うなじのほくろふたつ
振り向くことのない永遠が
月 ....
怖い夢を見て
こむら返りして
いててってなった

ひとりなので足のつま先を
顔のほうへ曲げてくれる人がいない

昨日まで雪の降るまちにいて
彼の仕事の手伝いをしていて
たくさん食器を ....
わたしたちは 同志じゃなかったか
つやつやとひかる夜空の月をつまんで椀に入れる
愛のような何かを信じて生き続けた
蔓延る雑草のようにありふれて強く
そしてたやすく引き抜かれるものを
 ....
夜のいない街にいて、なかなか眠れない。
この街の中心に、夜を壊すわたしがいて、
夜を壊す音が鳴りつづけ、静寂が訪れない。
街は、一日中真っ白で、誰もいないなにもいない部屋だ。
ある日、わた ....
恨み つらみ ひがみ 妬み
   ――鏡――

強み 弱み 夢見 悩み
   ――鏡――

痛み 睨み よそ見…クシャミ!
   ――鏡――

女神 萎み たるみ くすみ
   ― ....
猫でも
星の王子様でもないから
突然 行方不明になったり
ふらりと舞い戻ったり

渡り鳥に話をつけて
よその天体までひとっ飛び
旅してみたりもできないし

自ら死期を悟る事も
でき ....
となりでこんこんとねむっている君は
いま、夢の旅のどこらにいて
どんな風景を見ているのだろうか

空を飛んでいるのかな
くらい深い海に潜っている?
なにしろきみは獣だから
草原を走ってい ....
寒波が孤独と手をくんで
夜と星がふるえる


色おちした布団のなか
小さなぬいぐるみのようにつつまれながら
大きなぬいぐるみにつつまれて
ねむる
小さなぬいぐるみをつつみこむように
 ....
はじめにそれは夕闇のようであった
遠い地平の彼方に佇み
私を見つめ
幽かに微笑むようでさえあった

夕闇はじわじわと
私を取り囲み
驚くほどの速さで
にじりよってきて

気がつくと ....
   
 生きたまま花の化石になりたい
 という少女がいて
 街は、霞のようにかすかに
 かそけく 輝いているのだった

 ちちははの眠るやわらかな記憶の棺たち
 少女は母似の瞼をとじた ....
さようなら 言葉よ
いろいろあったけど
楽しかったぜ お前のせいで
いや、おれのせいか
裸でこのせかいに降り立った
お前をお前のままで
いさせるためには
風はあまりにも冷たく
地面はあ ....
ジンジャーエールの
薄いこがね色に光る泡を
優しく、かき混ぜ、溶けるように
わたしの過ぎた惑いを
散らしていった



冬の早朝に舞い降りる霜のビロードで
肌のヒリヒリする感触が
 ....
僕はワンカップを片手に
車窓に体寄せていた

電車の外は雨らしく
ぱたぱたと打ち付ける雫が
声なき声の模様を描き僕を飾る

ざわめきの静寂に叫びを埋めて
引きずる体の亀裂を紐で縛って
 ....
透明な夜明けの
水たまりを
踏んで
波紋の中に
映る
歪んだばかりの
僕の顔
風の音は
小さな吹子で
耳に渦巻いて
意識を攫う

笑い声
雨は降らないって
手にした傘を
 ....
早すぎた朝の向こうに夜があるように
遅すぎる夜の向こうに朝があるように
光に狂った雪街の景色を
僕たちはビルの屋上から見下ろしている
それは何の不幸でもなかったのに
苦い思い出としていつの間 ....
わたしはきっと見たことがある
祖母の灰色の目をとおしてだけれど
B29がつきぬけるように真っ青な
雲一つない空をはしってゆくのを

疎開するため
汽車で広島を出るとこだった
ちいさな伯母 ....
冬の光に抱かれて
こくり と 眠るように
夢の浅瀬を渡るように

用事はすっかり忘れ
身ひとつ
見知らぬ風景
懐かしい街を往くかのように

身を切る冷たさ
かじかむこころ魅かれるま ....
恋の映画を観なさい
恋の本を読みなさい
恋の音楽を聴きなさい

そして

恋する瞳で世界を見なさい
そうすれば世界は少しばかり
マシに見えるかもしれない

もちろん

そうする ....
冬至を過ぎたとはいえ
まだ夕暮れはとても早い
午後と思ってでかけたが
歩き出してほどなく
雲は彩られ
見る間に
黒い塊として
光の名残に縁取られていく

これが
最後の日没だろう ....
まだ生きている

夥しい数の幽霊たちが街をゆきかう

様々な商業施設へ殺到する

贅沢な食事を提供する店に行列ができる

そしてあの世からの噂が

たちまち幽霊たちを不安 ....
体温があるということは、
熱があるということは、
誇張なく
命というのは燃えているのだな、
という実感が、
白湯の水割りを飲みながら、
胸を貫いていった。
火がとろ火になっても、
いつ ....
 もちいくつ?

{ルビ価値可知=カッチカチ}の表面が割れて
どろり中身があふれ盛り上がり膨らんで――

あといくつ餅を食べるのか
あといくつ正月を迎えるのか
一生分の餅をざっと数えて
 ....
      祈りと願いに摩耗した
己の偶像が神秘の面持ちを失くす頃
始めて冬の野へ迷い出た子猫は瞳を糸屑にして
柔らかくたわみながら落下する鳥を追った
薄く濁った空をゆっくりと
    螺旋 ....
愛の掟とは 与えるとは
と裸の人間が宣う

悦楽のマリファナに酔いながら
夜の街をさまよい歩いても
孤独な亡霊達に笑われるだけ

太陽の中に蒔かれた矛盾という種は
滅びという果実を結ぶ ....
たましいの背中に
ひとつ
ふたつ
しみがある

ちきゅうが
完全なる球体では
ないように
たいように
黒点が
あるように
つきに
海が
あるように
くるまの
ハンドルには ....
「笹舟」

ほそくふるえる茎をくわえて吹いてみた
ちいさいころの夕焼けが鳴った
{ルビ百日紅=さるすべり}のあった空き地
少年探偵団のぼくが落とした時間
材木屋のある路地は行き止まり
ふ ....
ある朝、おはようがなくなった。
朝食を家族と食べたとき、沈黙が怖いのでテレビを流したら、
言葉のない音を流し続けていた。居間にも世間にも喧嘩のない朝だった。
言葉がないので、穏やかだ。誰もが考え ....
あるテロリストが
 《ある勇敢な兵士が》

自爆テロで
 《ジハードで》

死んだ
 《殉教した》

無辜の人々を道ずれにし
 《異教徒や教えを捨てた者たちを倒し》

狂信者は ....
戴いた去年の賀状を
眺めながら
一枚 書くたび
次々に
押し寄せてくる
記憶の波に
浸るのではなく
溺れるでもなく
むしろ
耐えている
再生多発する 複数の痛みに

懐かしさな ....
そらの珊瑚さんの自由詩おすすめリスト(7793)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
微熱砂- 小林螢太自由詩16*17-1-15
INSPIRE- ただのみ ...自由詩13*17-1-14
こむら返り- 田中修子自由詩8*17-1-13
汁粉- はるな自由詩617-1-11
夜に灯っている- 水宮うみ自由詩6*17-1-11
女神と鏡- ただのみ ...自由詩7*17-1-11
薔薇の傍に__(サン・テグジュペリ氏に敬意を表して)- Lucy自由詩17*17-1-11
あまい雨- 田中修子自由詩5*17-1-11
ぬいぐるみ- 本田憲嵩自由詩517-1-10
喪失- Lucy自由詩8*17-1-10
花の化石- 白島真自由詩28*17-1-10
さようなら言葉よ- もり自由詩8*17-1-10
ポリリズム- 小林螢太自由詩20*17-1-9
車窓- 這 いず ...自由詩717-1-9
螺旋の真中- プル式自由詩4*17-1-8
楽園の春が萎れていく- 這 いず ...自由詩10*17-1-6
1945、夏、わたしにつながる歴史- 田中修子自由詩11*17-1-5
ヌード- ただのみ ...自由詩11*17-1-4
そして- HAL自由詩4*17-1-4
心象- Lucy自由詩14*17-1-2
幽霊たち_☆- atsuchan69自由詩7*17-1-2
白湯の水割り- 次代作吾自由詩317-1-1
餅いくつ- ただのみ ...自由詩8*17-1-1
冬という病- ただのみ ...自由詩19*16-12-31
冬の花- 星丘涙自由詩8*16-12-30
しみ- 次代作吾自由詩516-12-27
短詩2篇- 白島真自由詩23*16-12-22
言葉がなくなった日- 水宮うみ自由詩3*16-12-15
瞬く間に- ただのみ ...自由詩12*16-12-14
年賀状を書きながら- Lucy自由詩16*16-12-12

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