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ささぶねにこころのせ
あてもなくただ見とれ
現をかさね朧にいたる
月日は散る花びらより
軽やかに水面をまろび
めぐりきれない永久の
肌の何処にまつわって
在っても見えなくなり
変らない ....
ズンチャ ズズンチャ
 
  ズンチャ ズズンチャ




   ハナノイロハ

     ウツリニケリナ

      イタズラニ

   ワガミヨニフル

      ....
竹箒の音に注意せよ
すこし背骨の曲がった女子高生に注意せよ
幻と語らう男の笑い声に注意せよ
木漏れ日のような鉄の反射に注意せよ

返事をしないあなたの母に注意せよ
積み上がった本の数に注意 ....
 二両電車のシートから
 真向かう窓 で
 連なる民家の軒と緑の蔭

 物皆の息吹き
 重々しくもあり
 閑かなる虚しさに堕ち行く
 薄暮のとき

 欠伸を殺し盗み見る
 斜め向か ....
1平米714万円付近の幹線道路を
100万円から2千万円がスムーズに流れる、
たまに赤い3億円が走ったりもした
君は頭から足の爪先までが7万円だった

下着はたぶん8千円くらいと思う
カフ ....
{引用=
打ちあげられたように、青白いシーツの砂浜の上で晒されている。まどろみ。おだやかな白い波に晒されながら、そよと吹く風に晒されながら、あるいは無数にきらめく石英質の砂塵に晒されながら。そして、 ....
耳に舟を浮かべ

歩調乱して舞う春の

袖の桜に


つややかな

丸石を

箱に収めたまま


誰が挟んだ栞だろう

蝶は飛び

青き幕間に


  *
 ....
きらきらの泡のペプシコーラみたいな週末が、ぼくの身の上にまきちらされていた。映画館のアルバイトは忙しくて、深夜に帰宅したアパートでは雨漏り騒動があったし、スマホは調子が悪くてなんだか通知がうまく届かな .... 郊外にあるダイソーで
紙で作った三角帽子を買った
すでにアマゾンでは
大きな音のするクラッカーや、
笑いを誘う白鳥パンツとか
ザビエルのかつらも買ってある

――今日は息子の誕生日――
 ....
私という存在は
銀河の端に灯る刹那の光なのです

それ以上でもなく
それ以下でもない

巡る季節に酔いながら
下手な歌をうたいます
誰かに届くように
誰かに問い続けるように

私 ....
短歌、詩の時間だ!
たんかしのじかんだ


炊いてけ、深読み。夜が更けていた。
たいてけふかよみ よがふけていた


寝た妻が深読み。夜が深まったね。
ねたつまがふかよみ よがふかま ....
亡き両親や兄弟の名を呼んでは
途方にくれる
あなたの心の中では
彼らは今も生き続けていて

鳥や草木、岩、風、雲
家よりも山にいる方が好きだった
鳥のさえずりや川のせせらぎを
心が求め ....
酒瓶の向こう 海が見えた

黄金の波 溺れるかもめ

便箋からつぎつぎ剥離して

あぶくになって消えていった

夜の上澄みをただよう海月のよう

デスマスクから解放された

こ ....
暗い夜の森の中
オレンジ色の光が窓から漏れている
そこはカフェだった

老女が注文を取りにくると
ぼくは珈琲とザッハトルテを頼んだ

しばらくすると老女はウイスキーのロックを持って来た
 ....
大抵透き通れば晴れて、照ればパレード、築いていた。
たいていすきとーればはれて てればぱれーどきずいていた


退け!大先生だけど!
どけだいせんせいだけど


誰かは正しい子。唾、涎 ....
流線型のトースターから
褐色の食パンが飛び出した
珈琲と目玉焼きとシーザーサラダ、
トーストには人造バターを塗る

今日からはボクも宇宙人
立派な宇宙人として社会に貢献したい
家を出ると ....
何の行列でしょう
いつからやってるのでしょうか
こんな時間だというのに

ずっと通りの向こうまで
途切れることなく
行列が続いていて

手に手に灯りを下げて
歌を歌ったり
泣いたり ....
隣りの海で 鯨が髭を磨いてる

海老が抜けない
ささらに破れた尾びれを揺らし
海老が抜けないのです、と

わたしも歯茎を押しひろげ
まぶされた砂をはらい

やせた少年がくらりと傾いて ....
夜はカゲロウの翅
昼の光は油絵の中に塗り込められるよう

闇は真中から暈される
四肢はつながりを断たれ
各々結露しながら息をひそめた

瞳の内側に湧いてくる
けむりの肢体
遠い昔のも ....
音楽のせせらぎ
跳ねまろぶ輝き
クスクス笑いを隠すように
去っていった
あの永い一瞬
瞼の裏にホチキスで留めたまま
耳をふさぐ風
風のふところ
雲のにおい
クジャクチョウは目を覚まし ....
 

「あなた、このことは忘れてはダメ」
そのような言葉が
母の最後の言葉になった
その言葉はなんとか憶えているが
「このこと」がなんのことなのかは
ついにわたしにはわか ....
ことば は 溶けている
いちどは 溶けて ただよう

ふわり と どろりと
ことば は 約束したり
裏切り続け

そうして 何度も溶けた ある日
うまれたばかりの 私は
つつまれただ ....
さみしさはすきま
からのポケット
置きざりにされた影

白く柔らかな波で覆い隠し
なにかもみちみちている
そんな人に見えるように
努力している

けれど一分のすきもない人は
これ以 ....
一本の荒れた道を科学者が歩いている
意識があるうちに離れないように、
 その少し後ろを歩いているのだ
二人が進むと左右の景色は前後非対称に動く
歩いている道の途中には幾筋もの横道が逸れてい ....
ある日 机の上にぽつんと

見上げる空に 小さくぽつんと

夕食のときに突然、妻がぽつんと

揺れる吊り下げ広告にも なぜかぽつんと

──見知らぬ──
「新しいことば」が

そ ....
澄み渡る群青と
オレンジ色のグラデーションが美しい

今日は何か良いことがありそうで

酔い覚めに香り立つ珈琲を飲みながら
バッハのゴールドベルクを聴いている

グールドの技巧が心地良 ....
ひんやりと ビルの光の壁に沿って
次つぎ沈んでゆく白イルカ

隙間なくガラス 張り詰めた大理石
仮託して久しい本能 

暗闇に光るコバルト毒を呑み下し
冷却する 豊かなゴミ色とりどりの儀 ....
人生をする前に
ぼんやりと生きてしまった
そのぼんやりが
いつしか人生になってしまった
いつだって間違ってきたし
正解などわからないまま
年老いて来てしまったが
正解ばかりを選べる人生な ....
この町のどこか
古いアパートの
薄暗い部屋の片隅にひとり
力なくうずくまっている
私を見つけたら
無駄な足掻きでもよくやったなと
労ってあげてください

あるいは
都会の真ん中で、大 ....
血液型のようなイニシャル
同じ時間を笑ったしあわせ

同じ夕日を 眺めた焼却炉の傍で
一番星を ヴィナスを指さして
雨の廊下を渡る時
図書室の扉を開く時
好きな娘に見られながら
私が部 ....
そらの珊瑚さんの自由詩おすすめリスト(7688)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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