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思い出の欠片も落ちてはいない
生まれて初めての南の島
君はそこで何を探したのだろう

たなびく細長い雲に薄くスライスされながら
溶岩のような輝きを溢れさせ沈んでいく
座間味の濃い夕陽
崖 ....
遠い落日から潮騒はやってくる
零れおちた輝きは
海硝子にはなれない貝殻たち
のこるものは夜光貝の
幻というかそけき冷たさ
空の螺旋のうちに響いている
遠のくということは淋しい
それは砂を ....
いつまでもこねこみたいにすばしこく
好奇心旺盛で
無鉄砲で無心で愛くるしくは
いられない


おとなの猫ならそれなりに
用心深く疑り深くまた思慮深くもなるのだ

物事には裏があり
 ....
早朝 四時半
少しは剥げたサイクリングロード
いつものように まだ眠い
後ろから追い越しされて
目が覚める

でも追い越したくない
全く人気(ひとけ)もないけれど
私と同じ ようやく目 ....
山の斜面の墓地を巡り抜けて
今朝 風は女を装う
澄んだ襦袢が電線に棚引いて
蝶たちは編むように縫うように

ぎこちなく鉈を振るう
季節の塑像が息を吹き返す前に
キジバトの影が落ちた
泣 ....
新鮮をたもつことはむずかしい
いつもそれはてもとから去ってゆく

この瞬間の永遠を画布に塗り込めて
とっても地球が重い日にぼくは

だれかの友達 になることを決めたんだ
彼もしくは彼女は ....
断片を生む指先

砂にまみれた5本の煙突が現実をか細く揺れていた頃
塵が積もり溶けて排水口から青白い水となり……
朱色の錆も一緒に流れていた

自動車の代わりに風が滑走してく7月の朝に ....
 
アブラムシの大発生に悩まされたのは去年のこと
気温の上昇とともに細菌のようにどこからともなく湧き出る奴らは先端近くの柔らかい茎や花芽や蕾に群がり食い荒らす
本で調べると薬剤を噴霧するよりもゴ ....
どうでもいいぢやないか

それは君のくちぐせであり
ぐうぜんにも 君からきいた
さいごのことばでもあつた

ひと月まへ 一緒に飲んで
別れ際にきいた いつものせりふだ
その前に何を ....
西野の花屋で薔薇を買った
高価だから四本だけ(バーボンに託けて)
紫の花弁が密集しておいそれとは見せてくれないタイプの娘がふたり
丁度よく開いた白い花弁になよやかに反り返る
ピンクの縁取りの娘 ....
わたしの前の席が空いたけど
今しも都市のかなたに沈もうとする大きな夕陽を
見続けていたかったので
座らなかった

燃え滾る線香花火の火球のような
太陽だった
それを反射して真紅に光る壁面 ....
わたしの大事な人形は
美人と言われた器量よし
ぬばたまの夜に家出して
レールに身を投げ轢死した
バカな恨みに身をやつし
身近な優しさ見失い
乙女の時を棒に振り
憂さを晴らしに酒浸り
昨 ....
育児は神業のようなものだから
30点くらいでちょうどいい
疲れた時は 衣食住のお世話だけでいい
自分の子供ではなく 地球人を育てている
と思えば 程よい距離感が生まれる

子供に振り回され ....
井戸を覗いてはいけない
母が教えた

井戸なんか覗くもんじゃないよ
祖母が言った
井戸は
覗いた子どもを吸い込んでやろうと
待って居るもんなのさ

橋から下を見下ろした子を
川がい ....
柔らかいグラスに
硬質のワインを注ぎ
手で包んでいると手の形に
だんだんワインが馴染んでくるので
もうそろそろ飲み頃だろうかと傾けても
グラスが変形するばかり

透明な器に生野菜を盛り
 ....
封筒を開くと雨が降っていた
ポプラを濡らし翻るみどりの雨
ふるえる雛鳥を包み込む手つき
そうして一気に命を絞り出す
言葉は自らを断つ

川沿いの公園
濡れるがまま置き去りにされて
終わ ....
あかるい蝶々のみちにひかれてまだ見ぬ息子がゆれていた
いとけない息子の息をわたしはきいていた

突堤のテトラポッドで男は根魚を釣っていた
その側で片耳の三毛猫がひなたを掘っていた

夏 ....
朝日を小瓶に捕まえて
蓋をしめて逃さない
泣き出した夜に雨が降る
綺麗すぎて汚くて正しすぎて間違いで
かけがえのないものを掛け違えるまいにちに
夕陽を虫籠に入れる
幼い記憶を餌にして
孤 ....
日が陰っているあいだのほうが
花の色は鮮やか
じりじり直射されると
ハレーションを引き起こす

風のない
霧雨の朝
すこしの水分
少しの明かりを
ゆっくりと開き切る手前の時を
深呼 ....
その知らせは
あるいは見ず知らずの番号からの
不吉に鳴り止まぬ着信であり
割り込みの権利を有する特等席の乗客のように
日常をふいに破いて届けられるので
わたしは声を失う

関わりの長 ....
わたしの嘘はわたしがよく知っている
でもわたしの本当なんて
わたしにもわからない

もっと自分をさらけ出せとか
魂の叫びを!などと言われても
わたしにはよくわからない

独りよがりにな ....
浮き沈む鳩の斑な声に文を書く手も唖になり
犬連れの人々が屯う辺りへ角張った眼差しを投石する
紙袋を被る息苦しさ己が手足を喰らう祈り
内へ内へと崩落しながら書くほどに死んで往く


薄緑のカ ....
雨と雨との距離を測りかねて
戸惑いに揺れる傘は
五月の鋭敏にやられた心です
ビル街はところにより墓地のよう
予報どおりに雨は止みました
枯れかけた花束の空ですけれど
新緑が瑞々しいですね
 ....
{引用=
人形が落ちていきました

夏の、空に。

アイスクリームがとけるまで待てなかったのです。


お猿の絵をかいていた女の子が

「待って」

と ちいさくさけん ....
{引用=
イ短調ロンドの孤独に犬のやうにあくがれて
せつかく育てた{ルビ硝子=がらす}色の{ルビ菫=すみれ}を
ただなつかしく僕は喰ひ尽してしまつた。
失意のかたい陰影を
新緑のプロ ....
目が覚めて一番に 口にした言葉は
くちなし
薫り ゆたかな色彩の白
しずくを 湛えた光沢の葉

無垢を 口にするときの ふるえる くちびる
くちなし
きょういちにち なにを はなすことだ ....
おれは水溶性だから
泣いている人とか、
こういう灰色の
天気が嫌いだ、

カゲロウみたいに
目の前がふらふら歪んで、
傘の無い人もろとも
いきなり消えてしまうのは
怖いな、

  ....
風のない日も向い風
おでこもあらわペダルをこいで
きみは往くきょうも
仮の目的地へ
本当に往きたい場所には
まだ名前はない
愛せない地図ばかり
もう何枚も手元にあるが
こんなに長い一瞬 ....
 「ねえ、夜這いって、知ってる?」

 と、{ルビ麻子=あさこ}ちゃんにきかれた。

 わたしは、その言葉を知らなかった。

 「ヨバイ?」

 麻子ちゃんは、けさ読んだ小説に出て ....
母が静かに佇み
やわらかな星々に横たわると
夜が落下する速度で
慈しみと憎しみが揺れ動く
母の季節が訪れるとき
夏と冬が行き来して
子どもたちは春と秋を奪い合う


「あんたは身 ....
そらの珊瑚さんの自由詩おすすめリスト(7716)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
南の島で君は- Lucy自由詩12*19-8-3
遠のくということ- 新染因循自由詩719-8-2
うつくしい猫- Lucy自由詩3*19-8-1
自転車通勤- 千 円 自由詩519-7-30
水源地- ただのみ ...自由詩2*19-7-28
いい加減な- 梅昆布茶自由詩1019-7-22
7月- 渚鳥自由詩3*19-7-19
毒の花たちは私の理想の庭で微笑む- Lucy自由詩9*19-7-12
或る友へ- 石村自由詩31*19-7-8
ちょっとした秘密- ただのみ ...自由詩13*19-7-7
高架を走る電車の窓から沈む夕日を見つめていた- Lucy自由詩13*19-7-3
わびぬれば- Lucy自由詩4*19-6-30
神業のようなものだから- 朝焼彩茜 ...自由詩11*19-6-25
水のおしえ- Lucy自由詩9*19-6-24
やわらかいねこ- Lucy自由詩9*19-6-24
モノローグ/断絶のために- ただのみ ...自由詩12*19-6-23
夏の夢- DFW 自由詩20*19-6-22
夕陽の虫籠- かんな自由詩1019-6-21
マチルダ____(その2)- Lucy自由詩10*19-6-19
知らせ- Lucy自由詩3*19-6-18
わたしの嘘はわたしがよく知っている- Lucy自由詩9+*19-6-17
鳩と修司- ただのみ ...自由詩7*19-6-15
五月の鋭敏- 新染因循自由詩9*19-6-14
かげ- 羽衣なつ ...自由詩17*19-6-14
模倣- 石村自由詩21*19-6-11
きっと_はなせる- るるりら自由詩28*19-6-3
盲目- 鈴木歯車自由詩16*19-6-1
自転車少女- ただのみ ...自由詩15*19-6-1
「ひまわり」- 羽衣なつ ...自由詩7*19-5-31
母の季節は夏と冬- かんな自由詩7*19-5-21

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