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翼をください
卒業式に歌ったね
せんせい
こないだ雪がふった日に
ぼくのオカメインコが死んだんだ
ぼくの手のひらで
羽をいっぱいにひろげて
それっきり
飛びたかったのかな
も ....
想いはつのる
ゆっくりと流れる時間
耳を傾けて音を聴く
誰かに向けての独り言
横になりながら
縦にうなずくと
だんだん
瞼が閉じていく
静寂が身体を包み
心がしっとりまどろみ
ゆっ ....
叫び詩をよみながら
ああ一線がきたのだなと鼓動がはやくなっていくのがわかった
わが息子は遊びにきた友人とおやつをつまみながら何やら楽しそうなのに
沈黙の地では
「しばらくここには来ない ....
桃から生まれてないんだ無理をするな
県南の町を
目指していくと
いつの間にか
新しいバイパスに入り込んでいた
どこでわかれたろう
さっきまで 慣れた道だったのに
わかれ道すら気付かず
私たちは
知らない道を渡 ....
過去は霞みに沈んで
昨日しか見えないけれど
未来はもっと見えない
目前に現れ始めて気がつく
それが昨日用意されていた
としても
交わらない直線が
全て平行などとは思わないが
平 ....
視野の隅
磔刑の丘が緩やかに
空に溶けて行く先には何もない
君の指先は工場で品質を素早く読み取る
精密な器械でもあるが
ときにわたしを虜にしてしまう
哀しく白い造形でもある
時間 ....
背中からの腕に風を吹かせて
肘を2?おろしながら胸骨を3?あげる
指先に顎をのせたら
そのまた先に眉を這わせ
首を移動しながら軸はぶれず
グランプリエは人生のよう
納得できる快感 ....
雪が降る、雪が降る、
赤いハートに降り積もる
春はまだか、春はまだかと、まるくなる
それは
僕にとっては
気の遠くなるほど
かなたにある存在だった
こっそり
見ると
虹色に笑っていた
いつも
その場所から
僕は
一歩も動きたくなくて
いまも
君のプリズ ....
「ハイジのおでこはアールデコ」
塾に行く子供たち 電車を待ち
丸い おせなで ゲームする
一番線に 白ヤギが紛れ込んでいますご注意ください
満員電車の中で みんな気付きません
二番線に ....
雨やまずドカンの中
湯船に
お湯を溜めている時間
時間はゆっくりと進む
湯船に
身体を投げ出す
目を閉じて浮く
時間を忘れゆっくり休む
身体を洗い
湯船に浸かる
つやつや朗らか
声を出して声を ....
独り 楽しむ と記し
独楽(コマ) と読む
独り楽しむためには
独りで己を支えなければならない
独りで支えるためには
日々 回り続けなければならない
そして回り続けるためには
己 ....
正義と正義のせ
めぎ合い 置き
去りにされる血
と涙 見え透い
た手口のイカサ
マ 手札は不条
理のフルハウス
パンドラの箱の
隅を 爪楊枝で
つついているの
は いったい誰
....
涙はがまんをしませんでした
「子ども達を徴兵させる…」
―――子ども達が軍事訓練をする姿など
考えたくもございません
この子達は何もしらない
ご飯をたくさん食べて
明るく優しい子になってほ ....
君が
嘘はつかないという
嘘をつくように
僕は
もう夢は見ないという
夢を見る
明日は
ずっと雨のような
晴れがつづく
部下は上司ではない
OLはお局ではない
弟子は師匠ではない
恋は愛ではない
雛は親鳥ではない
アリはアリクイではない
アリジゴクはアリテンゴクではない
キリギリスはカマキリではな ....
耳で辿る
穂に隠された洞の入口
別れのような仕草が灯る
風を迎える羽も一緒に
重さも無く
積もる連なり
こぼすことなく
こぼれるあかり
浪の指揮者が浪に ....
西の山に陽が近づいて
1日が終わろうとしていた
男は川面すれすれに延ばしていた竿をあげ
帰り支度を始めた
ゴカイを川に返し 椅子をたたむ
通りがかりの人が声を掛ける
「連れましたかね」
....
まつげの重さに耐えかねて
そっと伏せてはみるけれど
わたしの瞳は夜をみる
散歩の途中の道端で
みつけたちいさな青い花
....
たとえてわかりづらくなった
賽の河原にて
幼児の地獄 賽の河原で鬼がぼやく
この頃河原に来る幼児の数が減って
たまに来ても 石積み遊びを知らない
石投げばかりしていて危なくて近寄られせん
ケルンつくってみせ ....
ウォーミングアップで力尽きた
リンゴを木の枝にうまく乗せることができない
その人は寒空に部屋着のまま 油断したのだ
やっと乗せ終えたところを見計らって挨拶すれば
かじかんだ「コンニチワ」と鼻水少々 そそくさと家の ....
光がどんなに早くたって
地球を廻ることはありません
もし一秒に7回半も地球を廻ったら
ぼくの陰はずーっと伸びて
延びて のびて
ぼくに後ろから覆い被さり
また延びて 延びて のびて
....
漢字の書き取りをしながら息子が大粒のなみだをぽろぽろとこぼしている
耳という字を書いていた
どうしたんだ?と聞いたが俺には言わないらしい
その後スマブラをしたんだけど俺の勝ちがちょっと続いたら
....
カンガルーはハーバーを見下ろす見晴し台の方へ、身ごなしも軽く入っていった。
海から吹き上がってくる、風のざわめきが聴こえ、ヨットが揺れている。
ハンドブレーキを、ギューイっと、引い ....
めざめは はるかとおく
めざましは なりやまない
汽水域からの 電話の呼び鈴が
あんなに激しく鳴っているというのに
あらたな就職口からの
電話だというのに
めざま ....
あなたは笑っているのか
どこにいてもわかるお日様の声
私たちの心臓は揺れていて
駆けつけたい気持ちではちきれそう
あなたの詩は泣いていて
文字をなぞれば指が濡れ
ゆき場の無い塩水が光っ ....
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