すべてのおすすめ
湖で
平たい小石の水平投げ
6度跳ねて沈む石を想像して投げた
3度跳ねて沈む石
未来と今で遊んだ
3度跳ねて沈む石を思い出して投げた
2度跳ねて沈む石
過去と今で遊んだ
5 ....
鼻をさ、ずーって吸うと、宇宙にいるみたいだよね。
少年はぽわんとした目をして、
さも気持ちよさそうに鼻をすすりつづける。
少年の鼻の穴はブラックホール。
そこから続く無限の世界は、
....
丁寧に裏ごしされた
かぼちゃの色が鮮やかで
牛乳の甘い香りがほんのりやさしい
鍋でことこと温めて
真白いスープ皿に注ぐ
手と手を合わせて
厳かに
ひと匙
口に含んで
こくり飲みこ ....
コーヒーカップを持ち上げただけで走る衝撃
要はこんな時にも陰で働いていたのか?
くしゃみでもしようものなら
まるで電気ショック
要は体中に回線を這わせて
あらゆる身体活動を統率していたの ....
億年の
静かな回廊に光が満ちる
瞬間を孕んだ風が吹き渡る緑野
なにか山巓を降りてくるものを待つ
待つあいだにも自分の意志とか
わからないものに軽く触っている
風化した海図では
....
今日という日が終わり
明日になって
明日という日は
また今日になる
今日と明日の間に
また逢いましょう
夢の中では
なぜか車椅子のあの人と
薔薇の門を ....
きらり
光るトンボの羽根
希薄な虚空を回る
季節
変化するのは
太陽からの距離と角度だけ
無限に近いだ円運動
の (くりかえし)
…螺旋…うんざりする
たった一度 ....
今日の渋谷はいつも以上に渋谷的
スクランブル交差点は青とともに人の海となり
すすみたい方角にすすめない
いつだれに刺されてもおかしくない
ひととひととの距離
まるで心を許しあった恋人のよ ....
小林峠の近くで
狐が轢かれて死んでいた
珍しいことではない
狐も 狸も 猫だって
だけど道路の端の方で
轢かれたばかりらしく
まだ そのままの姿で
顏だけが歪んで血まみれで
瞬間の ....
今度の新商品の香りです
ベルガモット?
でもこれは
紅茶の様な香り
そうかアールグレイ…
もう20年は経っただろうか
今日もアールグレイよ
少し元気 ....
友の庭に咲いていた
白いリラの花が羨ましくて
根元に生えた幼木を譲り受け
我が庭に植えた
植えた翌年は庭の隅に
ひょろりと立つだけで
花をつける気配はなかった
何年もの時を費やし ....
ぬか喜びの口が唇を割った
入院中の相部屋で
天井の淡い模様をながめながら
暇を持て余していたおいらにとって
それは それは 照れ臭かった
担当の女性看護師から
米寿 おめでとうございます と言われ
....
長い眠りの蛹の
生まれ変わる朝の
ときめき
蜜に濡れて
去って行く蝶の
涙の滴が描く
飛翔の予感
村一面に泡立つ音は
目を見張り
燃え始めた野火は
往き先を失って
困惑 ....
ヒッヒッフー
ヒッヒッフー
ママが呼吸法の練習をしている
ボクがスルンッ産まれるように
一緒に頑張ろうねといつも届けてくれる 優しい声
あの子がまた膀胱を頭突きする
おかげでトイレ ....
陰口をわざわざ伝えに来る女の肌が荒れている
淡い色あいと
やわらかな花の模様に惹かれ
去年の春に衝動買いしたストール
今年も私に
似合うだろうか
流れる時代の
はやりすたりと
日々変化していく自分の容貌
鏡を見ながら
....
花が笑うような日だから
つんのめった想いからビー玉みたいな嘘が転がっても
誰をも恨むことはないじゃないか
翼を切られた幼子も
失くした以上に強奪しながら
物足りなさに役立たずの爪を研ぎながら ....
梅雨の晴れ間に、ひときわ
紫陽花は朝陽に輝いていた、その朝
報せの電話が真夜中に鳴った
冷静と言えば、聞こえはよいが
私の応対は驚くほど事務的であった
どこかに、安堵が潜んでいた
....
光が少ししか
届かずに
かすかに耀く
とても小さな
砂漠だけの星へと
旅行をする
少女を描く
ある絵本を作ろうとする
少年がいるのでした
はるか彼方の銀河への旅を
描いた絵本を ....
上手く折れない
紙飛行機が
放り込んだ屑籠の
縁から顔を覗かせている
拾い上げて
半開きの窓に向けて
今一度、飛ばしてみるが
盲の鳥のように
あさっての方向へ ....
精神科のスタッフルームで、
あっち側にはいきたくないと、
面接を終えた上司が呟く。
あっちとこっち
異常と正常
障害者と健常者
病人と医者
クライエントとセラピスト
助けてもらう人 ....
アスファルトの割れ目から
草は小さい両手をひろげ
生えている
(露水晶に陽を写し)
僕の中にも
自らを開くいのちの種が
眠っているかもしれない
....
<誘い>
どうか、誘ってください
真に受けたりはしないから。
<未練>
あなたのためなら
人形になってもよかった
人形くらいしか
あなたのような人のそばにはいられな ....
蛍の光は ブルーノート ラプソディ
またたくまに いちめんに連絡を取り合い
思いのたけの いのちの一陣の すいみゃくを
はしゃぐように かわもも 橋も 光で覆う
おおわれた わたしや
お ....
遠い国で内戦があった
銃弾に倒れた人
爆弾に吹き飛ばされた人
炎に巻かれて焼かれた人々や
たくさんの人間が血を流し死んだ
勝利者は誇らしげに
殺した人の数を発表する
その中に ....
なあ、うさぎ
おれが罪を犯したら
おれの愛したものたちも
みんな
燃やされゆくのかな
なあ、うさぎ
あいつの作った歌は
もうショップには並ばない
おれはあいつを知らないし
だが
....
どんな神が
人に 憎むことを
殺すことを
命じたのだろう
信仰などなくても
人は憎み合い
信仰などなくても
人は殺し合う
信仰などなくても
愛し合うことだって
でき ....
エッチなシーンないまま2時間が終わった
元気ではなく
何もすることがなく
眠れず
そういう時年に何度か
自分の名前をインターネットで検索した後に
いつもと同じサイトしか出てこず
ふと思い出したように現代詩フォーラムなんかに行った ....
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