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洗濯物は洗濯機が創る。
噂は風が創る。噂話は君が創る。
伝わる。沈黙が伝わる。宇宙は大騒ぎだ。
技術は待っている。手探りを。
呪縛。
人生はproject。Mission。何処に産まれようが ....
のうぜんかずら の咲く港
軍艦の沈んでいる波止場に
電線の鳴る夜
暗い地下の酒場で音が はね飛んだ
けばけばしいライトさえ
薄暗い いやらしささえ
初めて訪れたの ....
1
葉がふと 落ちる
はな れ て
ゆく
おとなしい
終りが
始まる
それにそなえて
私を 消す
2
浮き出た血管のように
夜を
青い星 ....
ずっと夜に引っかかっていたい
蜘蛛の巣の落ち葉みたいに
まさぐる闇に身をまかせ
ふるえながら黙ったまま
水中に咲く花のよう
静かに息を
ひらいてとじて
やがて夜光虫が模様を描き出し
嘯 ....
初めての運動会の始まり
開会式の話はぼうとした頭にははいらず
年長さんのマーチングは堂々としていて
父母も慣れた様子でベストポジションから
カメラを向ける
渡された紙の、一番最後
年少 ....
いくつもの
物語の
すべてが語られて
ひとりの人として集められて
終わるころには
陽の光から逃げるような
細く長い影が
やっぱりひとつ
薄く 揺れるだろう
生まれてからは
笑い ....
花がいつせいに咲いたので
風もなかなかお洒落なもので
埃つぽい老婆や街の子たちも
きやすく四月のあどけない挨拶にしたしむのだらう
さはやかなハ調の音階がきこえてくると
....
特別に悲しいという訳でもない日
行きつけのショッピングビルの喫茶店で
夜のムードなソフトジャズが
無機質に聞こえる 寂しさ
スプーンで掬って 舐める
ウインナーコーヒーの ....
謎の荷車を引いて
着飾った馬がやってくる
出来立ての{ルビ宇宙=ビスケット}は、
遠く遥々夢の続きから
そよぐ秋風に
ミルクの匂いを薫らせて
村から村へと
せつなく甘い{ルビ宇宙=ビスケ ....
おおきな
朝日を 笑いながら
数えきれない鳩が輪になって
時の繋がりが聴こえてくるような
羽根を打つほどうつくしい游び
壁にぶつかるんじゃないか
そしてそのまま吸いこまれ ....
秋は遠い
肩にこうべをあずけて眠る
ひとりの女のように
一匹のトンボがくぐりぬける
それ以外なにもない
綿の花をあしらった
青くくすんだヴェールの下
静かな死者の息づかい
遠く ....
会社の敷地内に植わる樹々の緑
仰ぎ見る 折り重なったイチョウの葉っぱから
顔のぞかせている黄色味がかった実
「今年、実が大きいですよ!」
詰所の更衣室で先輩へ報告する朝
「そ ....
雪景色の原野から遠吠えがひびく
とおく聞こえる海鳴りにまじって声がする
原野は燃えた灰でなく
荒野に降り積む朽ちた身体
かつて狩ったシシのまわり
散らばるたくさんのあばら
お前たち ....
遠い話とほいはなし
ああそんなところだね
いまとなつては
大気は海の継子じみて
地中海色のタイルの
すました青磁のなかに透けてゐる
カラカラした浴場のなかで昼寝してたら
いつのまにやらお ....
あの国道沿いの中華料理屋は昨年潰れて取り壊されたわけだけど
更地になった場所に雑草が生えていて「ああ、そうかぁ」とため息混じりに感心したわけだ
全くもって日常という言葉は恐ろしくて
感心ばかりし ....
開いた本に落っこちた
女が煙を紡いでいる
乾いていく魚の目の中の
月が自傷を繰り返す夜に
雷鳴に臓腑はふるえ
雨はつぎつぎ駆け抜けた
沈黙は縫い付けられたままずぶ濡れで
自分の頬を噛 ....
一斉に発信される音を
受信したラジカセで変換し流す音楽が
ドアも窓もない部屋で飽和していき
ベッドの上で潰れそうになるから
カセットテープに録音してはつめを折って
レターパックへ入れても宛先が ....
ふんわりあかるい 丘をもちあげ
かげにかくりと 谷をおる
ひらひら帰りみち
みどりのうらで こえをきく
蜘蛛のこわさや あしたの雨の
ひろがりについて
夕陽がおちる
....
街角のパスタ専門店で
茸と、
ベーコンと、
キャベツの入った
スープスパゲッティを注文した
運ばれたのは、
日本人向けの謎のパスタ
喫茶店の定番メニュー、
ナポリタンと同じく
ス ....
親友のk君が急に亡くなった
と同級生にメールしたら
あたしー今は考えないことにしています
と返信があった
受け止められない悲しみは
受け止められる時が来るまで
考えないでそーっとし ....
にぎわう大通りのバス停
心無しか暮方の鼓動
増したような
とり巻く人影に
女の脚がふとためらう
(昨夜、踵にオリーブ油をぬらなかったけど……。)
コンサートホー ....
僕はここにいて、
ここにしかいない。
暗い部屋の中。
スピーカーから流れ出す、
ニック・ドレイクの歌の中。
僕はここにいて、
ここにしかいない。
*
街外れの港には、油 ....
平成二十七年三月エディオンアリーナ大阪
椅子席S八千八百円のシートに
午前十時前から座っていた
切落とし牛肉と玉子焼き、コールスローサラダで作った
焼き肉弁当を黙々と食べなが ....
ゆたかな木
夏の雲みたいにわきおこる
しずかに立っているようで
たくさんの声をもつ
ゆたかな木
鳥たちの翼を夜からまもり
どんな風も受けとめ
星のひかりに運ば ....
砂、で
こどもは城をつくる
世界に果てはなく
時間は無限にあり
はやくとしをとりたい、とすら願う
十年後に彼等はすべてが有限だとしるが
いまは有限という言葉の意味すらしらない
こども ....
お風呂あがり
冷蔵庫から取り出すモノは
麦茶と 化粧水
冷たさが掌に残って心地よい
いつもなら
美容液とアイクリームをすっ飛ばして
乳液だけなのに 今夜は
スキンケ ....
眠るように死にたい
そう願うのは人間だけじゃない
夜行性の雀蛾や鼬鼠
僕と私
昼寝する象海豹だって同じこと
真夜中に他人目(よそめ)を避けて歩く人々に万歩計は要らな ....
仮定された
塩化ナトリウムの潮解性と
マッチをする黄リン
炭素をはんだごてした
フラーレン
機能性と海底ケーブルと飛行機
仮定された二つの箱の中で
鏡合わせに崩壊する2匹の猫 ....
一雨ごと秋が
次第に充ちて来る
野道行く行く
さらけ出す
心一つは鋭きものと今更に知る
(西山は しぐれするらし一陣の風渡りたり
道端、草葉にやすむ糸蜻蛉)
....
つかまえて
響き奪い合う あの 声のもつれ
贄になり損ねたひとつのくびれを
ハマナスの実を煮て
死んだかもしれないかもめに金貨を乗せた
白い靴下
うらがえる羞恥を指先で広げ
青ざめた自 ....
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