すべてのおすすめ
山と山のそのむこうの谷をも なだらかに結んでいるのは、
空の高さと広さに あかるい ふしまわし
カッコー ( の声がするたびに わたしのこころに 閉じカッコをつけてみる
カッコー ....
人間がやっていることはすべてただの苦しみなのか。
人間は、ほかの生き物に 食べられたり殺されたりすることが
あまり無いからなのか ときより悪魔について考える。
いやいや
我々だっ ....
赤は止まれ
青は進め
黄色は注意
生まれて初めて知った
極めて普遍的な社会ルール
それは母が私の手を握りながら
真剣な面持ちで教えてくれた
その日パシフィックノースウエスト地方を吹き ....
みじかいキス、そして雨
矢印の方向へ
ドーナツみたいな彼
長ぐつの夜
思っているのとはすこしちがう
水色は水に返す
言葉は
だれにかえしたらいい
みじかい雨、
そして ....
だれかがふいごを吹いている
ぼくのいのちを消すまいと
だれかがふいごを吹いている
知らないだれかと
知ってるだれかが
知らないところで
知らないところで
....
{引用=
糸を吐く
吐きつづける
安住する繭を紡ぐためでなく、
時は、裸形の
いつわることのない
思秋期
無月の夜に さまよい
眠りにたゆむ街に
星の つつし ....
花ぬすびとをききながら流れるのは一粒の涙
移ろうことが許せなくて怖かったあの頃
あの頃と同じ一粒
*YouTube 花ぬすびと (明日香)
http://www ....
黒々と枝を拡げる
はだかの木
ひび割れた空の奥に
狼の貌が現れる
雲を裂いて
鋭く光る眼
夕陽を噛み砕く牙
ピアノ線に触れ
切れ切れに落ちる
はだかの言葉
燃えるランプ ....
新しい季節になったので、
しまいこんでいた靴を
取り出した。
かかとに葉の切れ端が
付いていたので、
つまんで取った。
なぜしまう前に
洗わなかったのかを
考えていたら、
....
ものを書き捨てて行く
爪やヒフや肉などを
少しずつ来た道に落としていく
いつか元いた場所に
帰り着きたいと思っている
それがどこかもう忘れてしまったけれど
わかってる
母のおなかの中だ
....
この世にあなたがあるかぎり
この身を風になびかせて
とおくの空をあおぎみる
この世にあなたがあるかぎり
思 ....
手遅れのベルが鳴っている
ジュリエットは泣いていた
あんなに固くかわしたはずの契りはなんだったのだろう
風と男は信用できないと泣いていたのだが
すぐに泣きやんだ
だって泣くのもけっこうつかれるんだもの
そして地中 ....
最初は無骨で地味で
冴えない靴だと思った
わずかに白い糸の縫製が丁寧であること
靴紐の穴が登山靴風に六角の鋲が打ってあってしっかりした外観なのと
黒地に白いソールのアクセントのバランスがよ ....
手紙を書こう
愛する人へ向けて
触れる度に傷つけるような
そんな接し方しか
出来なくても
言葉と空間を介してなら
紙というフィルターを通してなら
少しは、あ ....
土に還れない落ち葉は
一枚一枚
くっきりと形をとどめたまま
美しい標本のように
雨の舗道に貼りついて
幾度も
踏みしだかれ
やがて晴れた日の
風に
粉末となって
舞い上がる
べランダで
煙草を燻らせながら
空を見上げれば
今夜は
冬の星座が良く見える
風も無く
空気が澄んでいるようだ
道に迷ったら
ポラリスを探せばいいと
昔のドラマで言っていたことを ....
たたかれても 怖がられても
一日中笑顔で過ごす
他には表情が無いから
人間と同じ姿に作られて
どこで間違ったか
喜怒哀楽が有るように錯覚されて
人と遊びたいとも思わない ....
久しぶりに、いよちゃんに会ったら、前歯が1本なくなっていた。笑ったとき、いたずらっぽくみえる。
乳歯が抜けかかっていたのを、えいやっと自分で抜いてしまったらしい。それを見て母親はびっくりしたと話して ....
雨が窓を叩いてる
風が夜をかきまぜている
遠いところから
押し寄せてくる
怖い記憶に
目を覚ます
かたわらに幼子がいた頃は
守らねばという決意が
こんな時私の背筋を支え
薄闇 ....
懐かしいな
東京の音大に勉強しにいっていた 高3の夏
でも色々悩んで 両親とけんかして 話し合って
結局こちらの大学へ行くことになって
あの時 もし東京に行っていたら
違う人生にな ....
今朝は 静かな死
白樺の裸体 霧の
視神経 晩秋の匂い
目減りした水瓶に落とす
賽の河原の石のくぐもり
陽射しはそっと後ずさる
魂のほころびから
黄泉の調べ ....
如雨露持ったまま寝ている
今はもう(夢の時間)になった、十代の頃。
ほんとうの道を、求めていた。
敷かれたレールを、嫌がった。
思えばずいぶん、{ルビ躓=つまづ}いた。
人並に苦汁を飲み、辛酸も舐め ....
一日分の答え合わせは
いつも寝床の中
模範解答のような布団に
やんわりと挟まれて
たいていが正しくない僕は
自分にバッテンをつけては
寝返りを打つ
寝返りを打つ
寝返りを打つ
....
通り縋りの街に
何処か懐かしさを覚えて
忘れていた記憶を思い出そうとする
ふと浮かんだ笑顔に
少し胸が痛くなるけれど
明日のお天気のことを考えてみよう
幸せは無味無臭だから
気づ ....
紅葉した山腹に 村落が置き去りになって
その上空を横切る高速道路を車が飛んで行く
山に張り付いた林道が村落から延びて
水筒を肩からたすきに掛けた男が一人登っ ....
父失った子が母親によしよししている
花びらが傘に落ちて風に流れる
夕焼け色のミルフィーユが珈琲を呼んでいるよ
眠り姫は もうすぐ起きる準備
「おはよう」まで もうちょっと
悲しい音楽は夏の深い深い海に置いてきたよ
....
思い描いた未来なんて
無意味なまぼろし
窓のガラスに描いた夢
流れ去って行く雲を数えて
惰眠を貪っている内に
ひとり丘に取り残されて
春かと思っていたのに
秋風が立っている
私を育 ....
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