すべてのおすすめ
ある日私たちは純白に生まれる
何一つ自分らしさなど持ち合わせず
ただひたすら落ちて往く
それはいつの時代も変わらない
けれどこの時代に相応しい
数多の毒に冒されながら
私たちは落ちて往 ....
頭に巻くネクタイ選んでいる
あなたには
彼女がいるって
きいたわ
地位も
名誉も
揃ってて
正常で
スペシャルで
きれい
まるで手が届かないわ
わたしたちには
許されないことがある
冗談とか
軽 ....
今日は可燃ゴミ収集日
ゆるゆるゴムのパンツを捨てる
魚肉の切れっ端や野菜葛の異臭にまみれたパンツ
カラス除けのネットを剥がし
顔色も変えずに集めてくれる若いあなたがいる
履き替える新 ....
おいしいスープも煮えた頃だし
バイオリン弾きも呼んできな
けむくじゃらの獣たちも着飾って
誰もが招かれざるお客
ラー油をたっぷりラードもこってり
けじめもなしの騒ぎ放題
まちがえたって?
....
「阿」
宇宙のはじまり
命のはじまり
言葉のはじまり
はじまりの吐息が
外側をふるわせる時
内側のふるえは
色となり
音となり
文字となって
世界を創りはじめる
....
長く白い廊下を歩いている
窓のない、一人分の幅しかない廊下を
私はただ延々と無言で歩いている
平易な路程ではなかった
ある時は出口を求め走りに走り
またある時は壁にすがり壁を壊 ....
意味あり気にゆっくり沈む
巨大で感傷的なひかり
あれは詩ですか?
いいえ、
夕暮れです
毎日違う角度で訪れる夕暮れです。
公園の隅で地面に寝ている
赤や黄色
あれは詩ですか?
い ....
答えのない夜を寝ている
晩秋の貌
こがらしを予感させる
襟巻やコートが
街にちらほら
また白い息の季節がくる
暖めあうにはいいが
ひとりはつらいものだ
痩せこけた猫のよう
昔看取った
皮膚病もちの野 ....
*太郎を眠らせ、太郎の上に雪降り積む
*次郎を眠らせ、次郎の上に
冷たく白い かなしみは堆く
白く 叢枯れ果てた夢の室の下
冷たく ....
壁に向かって
うなだれている後ろ姿の
肩に手をかけると
静かにふりむいて
意味不明の
笑顔
ワンセグで
映画見ててん
イスが
沢山ある部屋にいた
イスの背もたれを
微かに撫で ....
「在宅のみとり講習会」という見出しが眼にはいった時
「のみとり?」と思ってしまった
ペットの蚤でも発生しているんだろうか・・と
普通に思ってしまった
記事をよく読むと
「在宅のみとりに必要な ....
くろく濡れそぼる屋根屋根に
遠くから投げつけられた
弱い夕やけが跳ね返り
つかの間の晴れ間
雲の一部を茜に彩り
降りてくる薄墨のカーテンに
泣きぬれた瞳のような
ほほえみを彷徨わせ
滲 ....
黄泉の国へ亡命
秋の夜長
逃げては追いかけ、追いかけては逃げ、
今宵もひとり鬼ごっこ
{引用=―ルシーの物語を読んだ時、私は十四歳だった。物語のルシーは死んでしまったので、私はルシーの続きを生きなくてはならなかった。―}
*
僕たちは何度もすれちがい
そして ....
穴の開いた心に水を汲む
すぐに流れてしまうのに
来る日も来る日も水を汲む
生きるためではない
生きている そう感じたいから
疲れたり
笑ったり
今日もこうして水を汲む
いくら汲んでも ....
ITTANMOMEN (一反木綿)
薄っぺらな奴だと蔑まれても
捉えどころがないと疎まれても
何処吹く風を自在に乗りこなして
へらへらと今をすり抜けてやる
旗のように風をくら ....
傍らにつづくきみの面影に
いつか忘れようとした秋のいのちを
頑なに重ねることを覚えた日もあった
掬いあげた水溜まりの渇きに
助けられずにないた小鳥のさえずりを
音符に変えることも ....
ピッチャーが2人に見える鞄からアブサン
さかなの匂うまちから
黒い袋を抱えて
私は電車の席に座っている
黒い袋をおさえて
乗客の視線が私の膝の上に集まっている
おさえても おさえても 黒い袋が動くのだ
死にたくはないと跳ねるのだ ....
最近の私はからっぽだ
文字は浮かんでは消えてゆく
綺麗にだとかうまくだとか
とにかくそんなことばかり願った
ひとのきこえない言葉を
必死にききとろうと身をのりだしては
からぶりになって ....
じっと見つめる白いディスプレイ
画面の深淵に広がる混沌
ぼんやりとした影がふるえているのだが
コーヒーを一口 指先で机を叩き
たばこを一本 目を閉じ頭に爪を立て
五分 十分・・・
一瞬 ....
無数の雨達はアスファルトに、跳ね
世界を覆う
ざわめきを鼓膜に残して
私は夢から、目を覚ます。
布団から身を起こし、のびをする
朝のひと時。
夢の中で、瞬く間に
姿を消す雨達と
....
お前らなあー
山がいつも大人しく
鎮座してると思ったら
大間違いだ!
俺様のハラワタは
いつだって煮え滾ってる
怒らせたら
熱いのをぶちまけるぞっ!
よーく聴け人間ども
山を ....
焼いたクッキーひとりで食べきってハロウイン終わる
少年時代
今とは違う奇妙な生き物だった
そのころ家の近くには古い寺があり
髪の毛が伸びると噂される少女の人形が納められていた
人形を実際に見たことはなかったが
子どもたちが人形の存 ....
読んでいた文庫本を閉じて
窓の外に目を移せば
桜の枝に風はなく
文字に疲れた目に飛び込んでくるのは
夕焼け 夕焼け 夕焼け
ばかり
今日の夕焼けは
まるで
いつか見た夕焼けのよ ....
地軸のかたむきが季節をもたらすように
こころのかたむきは炎のまわりを公転し
くるくると自転し陰翳を刻みつづける
同乗したドライバー仲間と
仕事は5月と10月がいちばんいいね
あとは暑いと ....
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