ノートのすみに書きなぐる言葉たち
隙間なく真っ黒になるまで書いてから
ちぎって筆箱に入れていった
ひとに見られないように
ぐちゃぐちゃに丸めて
すぐに筆箱は
切れ端でいっぱいになった
....
そんなに汚れた動機なんていらない そう思って動機を片っ端から捨てていったら 動機は全て消えてしまった そんなに美しい結果なんていらない そう思って結果を片っ端から捨てていったら 結果は全て消えてしまっ ....
摩天楼が{ルビ朱=あけ}に染まる時
黄昏の時間も止まる
ざわめく雑踏もどこか遠くの
出来事のように消えて行く
ビルの窓から見た街も幻
トワイライトイリュージョン
歪んだ時間の狭間の中で
....
考えないで
感じよう
継ぎ接ぎだらけの人生だ
考えてたら詰まるから
全開になって感じよう
そいつをうんとかき集めよう
生きてる意味や
未来への不安
どんな生き方になったって
問題は ....
眼鏡をはずし
目の前を水中に沈めれば
外灯は滲み
ひとびとは陽炎になって
せかいはちいさくちかく、まるくなると
おもっていたけど
無限のひろがり
おとこもおんなもなく
泳ぐような身 ....
ああ、うん、うん。
うん。うーん。
……え?
…ああ。
うん? は?
あーはいはい。
なるほど。
うん、うん、うん。
え?
うん、うーん。
ああ、へぇ。 ....
130903
ほい!
無防備のままに
投げ出された女の主体を
無自覚に踵で踏んづける
宿命的に対立の朝
鈍い目をした顔だけの男は
足音も立てずに目を背ける
....
ボクは
全力投球することに
全力投球したいんだ
ワタシは
運命を変えることに
運命を使いたいの
オレは
誰かを愛するために
誰かを愛したいんだ
アタシは
自信を持つため ....
空の彼方に
雲がすばやく流れている時は
家のほうが動いているような気がする
そう考えると足元がぐらついて
ああでもないこうでもないと
心臓に暗い汁が溜まってきて
余計なことを考えないように ....
{引用=
黒い肌の女が 枯れ枝のような
赤子をだいていました
たまゆら
乳飲み子は、欲するものがえられないと
それを知ると、女の乳首を舌でおしだした
砂塵の風
大いな ....
あの人は
優しい人のように思われる
あの人は
穏やかな人のように思われる
あの人は
楽しい人のように思われる
思われることと実際が
近いかどうかは分からない
けれど ....
蚊取り線香に
火をつけようとしたら
この家のどこにも
火がない事実に愕然とした
チャッカマンがきれている
マッチもない
かまどの代わりにIHクッキングヒーター
風呂場には電気温水器
....
小さな部屋で溺れている
静寂と沈黙と哀しみの歌
湿った枕と重たいシーツ
毛のくたびれたぬいぐるみ
世界を揺らすカーテンと
秒針だけは僕の敵
鳴らない鍵盤
潰した指先
掠れた声も
全部 ....
ひんやりとした
季節になりました
誰かが
口にしなくても
もう
夏ではないのです
あなたに
やさしい気持ちで
メールを返し
そう
口にはしないけど
自然に終わって ....
「ずっと、スカートなんか履いたことないよ」
男の子だから、ぼくは
薄荷の声を持っていないから
ならば女の子にだってそんな必要は無い
ガーリッシュを追い求めて
要領の悪さだけがさえなく空走る
....
手の届かない手の奥には
冷たい温度が流れる
温かいなんてうそ、うそなのよ。
わたしの血液の流れる音を
聞きたがるひとがいる
屈託もなく笑う
永遠を謳いあげる
胸のあたりがひしひしとす ....
ちくたく ちくたく
くたくた くたくた
ぐー
竹に数箇所 指を塞ぐ穴を開けた 息吹けば音が涼しげに貫ける
誰かが奏でて 私の心の穴を塞ぐ
竹の佇む容姿に囲まれ 包まれ そのなめらかさに 凭れる
誰かの軸と共有する 土の香りと爽やかな湿度 ....
くっぴんに雨浅く
猫っかぶりで畳遊泳
主張弁解の昨日より
謂われなき明日を詠いたい
六法全書を枕にすると
窓の向こうに{ルビ ....
無表情な父に声をかけると
その霧深い意識のずっと奥の
宇宙のかなたから
帰ってくるのかと思うほど
遠いところから
ゆっくり
微笑みが皮膚の上に戻ってくるのが
見える
「おとうさん」 ....
頂上から
山の斜面にある
噴火口のくぼみまで
火山岩の砂利を踏んでくだる
植物のない荒涼たる大地
坂の途中で
凹んでいるところは
地球のえくぼだ
そこからあがったところは瞑った目
....
やわらかな光が
彼女たちを包んで
もうこのまま
終えてしまいたいと
わたしは祈ったそうな
キミハマダ
タチドマッタママナノ?
庭に咲いたアジサイの
そのまつげに居座った ....
昭和と平成の間にはさまって
押しつぶされてしまったような工場を
眺めながら煙草を一本喫う
犬の散歩をする{ルビ母子=おやこ}は
怪訝な顔ひとつ見せず通り過ぎる
....
青春の青を塗り替え9月くる
茶柱が夫婦とも立ち八月尽
ノーベル賞でもとらないとクラス会に行けない
ゴロツキさんは言いました。
「なあ、タケル。
この部屋にあるものは全部
おじさんが作ったんだぞ」
全部?
タケルは不思議に思いました。
全部って言ったって、
ここには何もないじゃないか
....
鳥や魚かぜや木の実 素朴な古代のおおらかさを
すっくりと立つ生命 つながる命 文脈のないうた
朝めざめるとかぜを見る 船をだせるか風向きは 朝餉のかおりが漂う
あいつを憎んでいた いわれ ....
いよいよふたりは
白木のようにかわいて
最後をはじめようとしていた
日々や色や、音や
そんなようなものたちに別れを告げ
横たうだけで
ぎたぎたに壊れていく
その破片のすべてに
蜜の ....
母屋から公道へ向かう道沿いに
桜並木があった
幼い頃、彼は花の美しさを知らなかった
小学校に入学したころ
桜は満開で彼を祝福していたが
彼はその祝福さえ知らなかった
大学を出たのち ....
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