壊れた工作物に
黄砂が降り積もる
梢は公道に木漏れ日を落とし
昏睡する
呼吸と肯定されることのない
告白の中で
コップから言葉が溢れ
子どもは硬貨を握りしめたまま
交差点を ....
ある番組で繁華街の
酔っぱらいにインタビューを
すると云うコーナーがあった
あるほろ酔いのサラリーマンが
インタビューを受け
こう答えていた
『オレ、元気やろ、元気やろ』
イン ....
時折 背負った荷物をすべて下ろしたくなる
そしてまぼろしの中の風のように
異邦人たちの衣を揺らしながら
何も持たずに消滅したい
時折 鳥となって旅路の終わりへと飛び去りたくなる
....
早春の風に吹かれ
岬の花畑にポピーがおどる
忙しそうなみつばちの羽音は
波のようにくり返す
「フリージア、フリージア、・・・」
みなが一度にゆれて
気まぐれなもんしろちょうは、そっと ....
僕の前に、一つの丸い窓がある。
春の嵐にずぶ濡れて
身を{ルビ撓=しな}らせながら、葉をきらめかせ
必死の思いで立っている
ひとりの木
それは今夜も
世界の何処かで{ル ....
私のDNAの塩基配列に
「ケ・セラ・セラ」という
遺伝子情報が組み込まれている
膨大な螺旋構造の宇宙には
母から降ってきた星屑が潜んでいる
突然の父の入院で
しばらくぶりに会った母 ....
おさんぽカーには幼い顔が幾つも並び
桜の木の下をゆっくりと進む
時おり吹き抜ける風の冷たさに
ぐずる子がいて
あやす保母さんの肩には桜の花びら舞う
※
手を繋ぎあう ....
空が俄かに かき曇り
夥しい白波の下で
大口を開けている 黒い うねりに
咀嚼されていた 北への道程で
私が見たものは
岩礁というより 貴女でした
幼い日 貴女の名を 保護 ....
彼岸桜優しげに咲く此岸かな
野に遊ぶさも値段高そうな猫
イヌノフグリ閉じてぽろんと今日でおしまい
産卵を済ませて二度寝のヒキガエル
コーヒーの記憶 取っ手のとれたミル
....
桜が咲いた
地上の星となり
桃色に輝いた
風に舞う花びらは
流れ星になる
おしつけがましい
きぼうが
わたしのみらいを
とかしていく
せまいへやでいいの
あたたかいひのひかりを
すこしだけください
そうしたら
それだけでいきていけるの
あめのひの
....
ケイコは献血に行く
ケイコは血圧が低い
血糖値は正常の範囲内で
血色は良く
健康的に見える
ケイコは毛が生えているが
蹴鞠のイメージはない
ケイコはケーキが好きだ
けれどケ ....
窓の外に、まだ芯の冷たそうなピンクの桜がみえた。にちようの朝。無痛麻酔のピストルにうちぬかれて、やさしい気分になってしまう。
単純な手続きのセックスばかり、繰り返して ....
げっそりと白豚になれ四月馬鹿
入学にいくらかかるの払えない
シクラメン泪を落とす場所がない
治聾酒が心の穴から漏れている
若草をサンドウェッジで根こそぎ
朝きても生きる意 ....
春は透明な足音を立てて
僕らの世界を包む
人々の足どりは濃やかで
赤ら顔の盗賊さえも
どこかその顔は呆けている・・・
春風は都市の中にも吹き
人々の襟をすくめさせる
僕はアーチ状の街をく ....
ニュース画面に映る満開の桜
その下で 賑わう人々
東京は お花見なのに
防寒着を着て かわかした軍手を持つ
白い雪が降り続けるので 消しに行く
桜より 広く白い
積み上げられた雪の ....
{画像=120408072250.jpg}
春、春、春、桜吹雪
ひらりと花びら
僕の掌に 舞い落ちた
そっと 握りしめて
指の隙間に閉じ込める
―― 縛ることが愛だ ....
空き缶をやさしい顔で見つめてもあきらめているはつなつの道
ほつほつとからだに点るけだものを飼いならしつつ噛む左肩
さびしさの錆びつく夜も舌で捺されたそこはあなたのものよ
ふうせんが萎んだ後の寝室 ....
なにも考えずに
いや、なんにも考えることができずに
夜の歓楽街をぶらぶら歩いていると
道の端っこ
下水道のコンクリートから
白い泡が溢れだしており
近づいてみると
ぬくっと泡の中から ....
{画像=120407235731.jpg}
その一本の桜の木は
古い民家の門扉の横にあって
左右に大きな枝を広げていた
ごつごつとして人を寄せ付けず
大地の力を漲らせ
雨風にそ ....
やわらいだ寒さに薄着で出かけたいあたたかいものをいれた水筒
日を束ね春と呼んではいるものの二度と同じ日は集まらない
だれ一人おなじ人間などいない一回きりの春も同じだ
....
ありがとう
そんな簡単な言葉を
忘れたまま
一応の今日がある
体積は権利
表面積は義務
肉体は続く
魂の原野
そのつきあたりまで
壊れてしまったレコード
もしくは
石のように固いバームクーヘン化した父
その口からは
絶えず呪詛がこぼれる
隣に住まう
父の兄上との確執が
幼い頃から
絵巻物のようにまた綴られる
も ....
「お世辞」
お世辞を言うのは
下手ではない
お世辞を言われるのが
下手なのだ
流れ落ちるほど
ユルユルに頬を緩ませて
頭の上に八分音符を
乗せてりゃいいものを
野 ....
死にたての顔は
愛する人にだけ
見せたいと思う
それは最後の贈り物
だから
病院ではなく
家がいい
生まれたての顔だって
昔は
家で見られたのに
ほかほかの湯気をたてた ....
長いこと
なにかを探しながら
生きてきたけれど
とりたてて
見つけたものは
何もないような
気がする
わたしは
よくばりだったのだろう
長かった夜が明ける
昏い空に
ひと ....
頚椎を曲げて上を向く
陽光に目を細めながら
淡い桃色の群集を目にする
ちらつく青空と雲と花びら
そして 無骨な幹と枝
それらの織りなすコントラスト
胸を広げて楽しむ
無骨な幹に迷 ....
四月 灰色の午後
湿った雪が舞っている
人生で何度目のことだろう
心は鉛の錨となり
失望の海に深く下ろされてい ....
春が咲く
アリ ア ルウ
美しく香るときを待って
種を手のひらにくれたひとを駅まで
アリ ア ルウ と若さを数え
目で追う 見上げる ひかりたち
半月 日々にゆき交う道
…さくら
いち ....
私たちが
毎日利用していたO駅は
すっかり様変わりし
駅ビルが隣接
広々と立派になっていた
女子高時代の友らと
改札口で待ち合わせる
あの頃
ここには
伝言板があって
「00ち ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174