湯船に沈んで
樋から流れ落ちる
雨の音を聴いている
植物石鹸の楕円と
豊潤な湿度
*
砂時計の沈み込む
流砂を視ている
ぼくたちは砂漠のなかの
バンドウイルカ
疲れたら、休 ....
「二月」
貪欲がこの街の草を食み
鳩は広場の雪に足跡を付ける
紺碧には忘却のゴンドラ
「三月」
悲しみを折り畳んで春の子守唄
緩やかなカーブを横切って
風 ....
眠りながら埃が泳ぐ
浮かぶ壁面の色と
光芒揺らぐ夜通しの
手折られ可哀想な奴ら
寄り添う姿はひんやりとしている
部屋には目に見えぬ焦りが
夕映えに焦がされた往時のまま
浮かんでい ....
この川を もすこし下ったところにあるのが 静物園
果物や骸骨が 額に収まっている花のように静かな生き物の館
ガラス張りの館の角は どこも ゆるやかに丸く
おたまじゃくしの卵のように静謐
....
いくつもの
さみしい
たましいが
夜のツバメさながらに
ひらひら
とびまわる
生きている
人間は
なぜに
あんなにも
桜、桜と騒ぐのだろうと思い
やってきて
白いはなびらの ....
ひとよりさきに
さくひんがある
げいじゅつも
いきざまも
いのちも
このさくひんは
だれかが
つくるはずだった
というような
さくひんを
つくった
わたし ....
冷たい雨が降ってきた
おれは黒々と木のようで
心臓だけがガス灯
何を照らすでもなく ぼんやりと立っていた
小さな春は震えていた
おれの心臓に寄り添い 冷え切ったからだを温めた
....
百円で買った文庫本
アメリカのとある古い短編小説
マウンテンパーカーの前ポケに
ちょうどだからと出かけるときに文庫本
雨がぱらぱら
結局ざぁざぁ
一日降って傘をさし ....
花びらたちが役目を終えてきみへと流れ出す
きみから涙は出ないのに
あしもとには戻らないため息の砂塵がしみ込んで
希望が小さい竜巻のよう わたげのよう
くるりくるりのてーま
空けた球体の ....
嫉妬という言葉を
あなたは教えてくれた
無防備に眠る
あなたが憎らしい
そっと首に
両手をかける
胸の奥で
ちろちろと燃える炎
このまま力をいれたら
あなた ....
新しい暦が生成している
遠い国で洗い上がったシャツの匂い
ためらいと高揚
背中に触れる唇の温度
インディゴに溶け込むマゼンタ
梢たちを過ぎて
吹き下ろす視点から
....
まどろみのなか
わたしは
今朝も
ひとり
つり糸を垂らす
湖面は心を映す鏡
澄んでいれば
すいぃーーと泳ぐ
ひらがなの鱗さえ
見えることもある
濁っていれば
口笛など鳴らし
....
{画像=120412064801.jpg}
多くの季節を生きて
わたしは幾度も春を迎えてきた
そして 毎年
いろんな桜と出会っている
真新しい制服に身を包み
新たな出会いに心躍ら ....
18歳のわたし
細い肩に
いっぱい夢を乗せていた
小さな足に
赤いハイヒールを履いて
この掌で
いっぱい夢を掴めると思っていた
18歳のわたし
愛することを知らず
愛されるこ ....
町の喧騒の外れで
川のほとりに佇み
一台の車が、風を切って
傍らの道を通り過ぎた
ふと、耳にした水の音に
下の方、下の方へと
へりくだってゆく
水のすがたを思う
....
コトバは音声と意味を結びつけるしくみの総体である
コトバの本質は意味を伝達する道具
それはぼくの頭の中の愛という概念を体の生理的機能にしたがい
aiという2音素の物理的波動に変換してきみの鼓 ....
今迄きらいと思った人と
互いの気持をぶつけた後で
くるり、と心が回転して
鳥の場所から眺めれば
思いもよらぬ親しみが
じゅわっと胸に湧いてくる
その時ようやく私は
私 ....
おいおいそんなに簡単に
孤独になりたいなんて言うなよ
孤独はそんなに親切じゃないぜ
きみが想う程やさしくもないぜ
きみは親しくつきあえると想っている様だけど
孤独にだってね 選ぶ権利はあ ....
さっきから
重くて仕方がない
いっそのこと
ひと思いに
地面に落ちたら
どんなに楽か
濃いピンクの花びらは
重いのだ
皆から
「まあキレイ」
なんていわれても
ちっとも
嬉しく ....
バスタブからあがった
ブロッコリーが塩と胡椒で
身支度を整えている頃
次から次へと切り出された
キュウリの楕円形の
車輪は朝日を照り返して
クロゼットからはがされた
レタスが ....
熊の冬眠のように
僕は夢の中でぐうぐうと眠りたい
この世の全てを失って
打算と利害を放棄して
愛したいだの愛されたいだの
何かが足りない、何かが大きすぎる
そんな言葉を捨て去って
僕は永 ....
次の
風をつかまえて
兄弟たちは
ひとりぼっちの旅に出る
誰にも頼れない冒険
もう二度と
会うこともない
その
さようならは
白いの光のなかで
美しい羽になる
ダン・ド・リオ ....
…それから劇場が宙を舞うように…
なんて、素敵な気分を味わえば
タキシードだって欲しくなる
一日を斜めにはしる雨
煙をまく緑芝の匂い
車道から電車通りを直線に過る
いつもの美術 ....
Y
あなたは樹木
草原に立ち
両手を広げ
Y
あなたはグラス
降り注ぐ声を
すべて
受け止め
Y
あなたは交差点
別々の人生が
いつしか
ひとつに
Y
ひら ....
川底がすきとおり
小石がみえる
そこにゆうゆうと鯉が泳ぎ
水上に白鳥が舞っている
うしろからうしろから押され
きれいな輪をつくりながら
前へ前へとすすむ
とおい海にむかう川
....
青い夕方町ぜんたいが霞んでいる
ひとの群れいくつかが近づきながら歩いている
ぼくらはコンビニの袋を揺らしている
ぬるくて冷たい風が髪をなぶっている
スーツの下で素肌が舐められて ....
乾燥注意報だらけ
途方に暮れる街角
掌がからっぽ、というわけじゃない
するべき宛はある
ありすぎる
したい宛はある
ありすぎて
踏み出せない
なにもできない
白々と ....
ひとだすけ
しようとしては
じぶんをたすけている
たにんをたすけようなんて
おもわないほうがいい
じぶんだって
たすけるべきひとなのだ
ひとはだれでも
じぶんと ....
丑二ツ
闇底の寝屋
戸板の合わせ目の
線なす月影に蒼く透け
枕辺にうずくまるおんな
痩せさらばえ
ざんばらと髷ほどけ
何処から入り来たやら
長い鉤爪震わせて
寝入る頭骨に額つけ
中 ....
死神を副業にする桜守
満開の冷えた桜に沈む船
堕天使も枝垂れ桜で白くなり
漆黒の翼の痕に桜KISS
JOKERが姿を消して花吹雪
夜桜の影で小悪魔服 ....
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