あの人は風だった
緑の髪をなびかせ瞳の奥に、あれは
夜明けの光をたたえて 水のようにやわらかい
あの人は風だった
わたしを見つめて笑う 流れる雲を空を映して


あの人は草だった
やさ ....
西瓜の皮の饐えた
匂い

溶けかけたアスファルトの
執着

潮の香りで擦り剥けた
夜明け

逆光の中で振り返った
誰か

何処から剥がれ落ちたのか
皆目見当がつかない
 ....
夏を待つ間
透明な
ガラスのコップに
冷たい水を注ぐ

満ちていく
満たされていく
透明な入れ物に
透明の中身で

夏が来る頃
どこからともなく
水滴が現われて
コップの魂を ....
少年は夢の中で
少女を追いかけて走った
他愛もない遊び
もう少しでつかまえられる
というところで目が覚める
隣では妻が寝ている
自分はこの少女の何を
つかまえることができただろう
 ....
 
 
夜の駅、少年と少女は
ベンチに座っていた
この町を出たかった
手の中には僅かのお金
二人だけで生活するには
あまりに幼かった
それなのに小人料金では
もうどこにも行けない
 ....
知らず知らずに
君を刺していた

心の何処かが軋んで
君を刺していた

誰にだって
有り得ることなんだ
僕達は棘を抱えて
生まれてきたんだから

気をつけていても
何処かの ....
60年代末のベトナムのジャングルで
月を見上げながらたばこをふかす高校でたての若い兵士

シンプルでストレートでノリのいい曲の背景に
時代の絶望をぶらさげてラジオから流れていたCCR

 ....
マスカットは
{ルビ麝香=じゃこう}を纏い
たわわに実る
房のひとつひとつに
水をたたえた命が宿る

今は廃屋に
つるを伸ばして
たわわに実る
愛すべき
黄緑色の鈴によく似た果実よ ....
あまだれが落ちるのを
じっと見ていた
そんな日があった
そんな子どもだった


樋の下でふくらんで
まっすぐ地面に落ちてくる
ああ
あまだれが1ぴき死んだ
あまだれが2ひき死んだ
 ....
小さな男の子と
女の子だった私たちは
なかみだけそのままで
古びてしまった

雨にふるえている
きのえだをみても
語り合ったりしないで
すれ違うばかりです

探し物はたがいの
胸 ....
刈り入れ後の田圃
夕暮れ時に老婆一人
誰かを呼んでいる。
腰は幾分曲り膝に手を当てて
前を向き誰かを呼んでいる
視線の先には白い犬が一匹
老婆に向かって息せき切って走っている
懸命に走っ ....
文鎮が
ふうわり ふわりと宙に浮き
驚く書生の顔前を ナマコのように漂って

原稿用紙が舞い上がり
驚く書生の目の前で 舞子みたいに踊りだし

万年筆が身悶えし 書生の指を逃れ出て
ぽ ....
{画像=120712232443.jpg}




陽の当たるところ


その建物は言いました
都会には幾つも建物があるけれど
そのなかでもぼくが一番さ

ぼくは一番大きな建物 ....
ラッキョウを舌で転がすアマゾネス

せせらぎを聴いて寝転ぶ梁の上

釣り忍ふたつみっつと増えていく

FRISKをガシガシ噛んで小暑かな

午後からの授業をフケて青田道

花南 ....
消化器系の弱い犬が
夜明けの床を舐めている間に
約束という約束は
余すところなく履行された
誰もいない窓口では
山積みの証明書が
音をたてずに失効している
名前のようなものが書かれた ....
抱えきれない秘密を携えて歩く
頬をなでてゆく風さえ感知できずに

あの夕焼けは何だろう
燃え落ちていく太陽が近くて
僕は崩れ落ちそうだ

愛することと憎むこと
表裏一体だなんて陳腐だっ ....
線路脇ヒメジョオンに見送られ次の駅で降ります、わたし

信号にたどりつくたび赤になる 誰かに 急ぐな! と言われたみたいに

夏蝉は耳がないと聞きました だからことごとくおしゃべりなの ....
わたしがスイカを食べる
それが血液となり
まだ小さい
息子のご飯となる


不思議だ


息子は確かに
わたしのお腹の中にいて
わたしの作った卵から
生物の進化を経て
生まれ ....
南国にも雪はふるのだろうかと
君が言う

南国では溶けて雨になるわと
私は答える

南国で雪がふれば、みんな喜ぶのにと
君が言う

みんなって誰のことと
私は問う

南国にも病 ....
焼却炉に捨てられた明日
すくいあげた夏の横顔に
毛繕いを済ました嘘が
気だるく黄昏る

あなたと壊疽した月曜に
遠い過去からの絵葉書が
陰気な紙ふぶきとなって
豊満な口もとを埋め尽くす ....
先に
想いが渡る

次に
鼓動が渡る

最後に
身体と車輪が
ついていく

川面は
曇り空の下で
もっそりと
黙りこくったまま
10両編成の
小癪なリズムに
渡られ ....
少年はカブトムシをつかまえた
兄が教えてくれた秘密の場所だった
早く少女に見せたくて走った
その頃、少女は黙祷をしていた
自分の汗が少し臭いと思った
生活というものは量であると
感じ始 ....
裸足で
知らぬまに 遠くまできていた
虹色の汽車にのって帰ろうと想う
歩んだそこには、
軌道がしっかりのこっている
帰りは 来るときほどの苦労がないね
そんな声がする
ただ、さびしいあき ....
安らいでいたいと思ったら
あの人のことは忘れてしまえばいい
なんてちょっぴり寂しい
食器棚からティーカップを取り出し
角砂糖をぽとんと落としてみれば
落ち着くところはやはり見えない心の底 ....
あした咲く朝顔は
雨の軒下でこうもり傘みたいに
とじています
あしたも雨なのかな
朝顔って、おかしな{ルビ花=ひと}だね
傘をもって
生まれてくるなんて

いちど咲いたら
もう、とじ ....
すきなものがふえると
人はやさしくなれる
だってうれしすぎるもの

こころがくたくたになったら
うれしかったこと小出しすればいいや
キツイナがちょっとゆるむ

たましいがぱちぱちな ....
また新しい朝をもらって

水をやりすぎても花は枯れ
日照り続きでも花は枯れる

足跡を残すために砂浜はあり
足跡を消すために波が追いかけてくる

有る ということについて
猫の前足の ....
石川さんとわたし


耳の長い女子高生だった
長い信号待ちをしていた
黄色い旗をふったら黄色い電車やってきて
風街をふきとばしはじめたので
涼やかなおはじきお口に入れて後輩に電話した
 ....
                         2011年07月31日
{画像=120708053508.jpg}

 ずいぶん昔に観光旅行で訪れたことがあり、晴れていてコバルト色の湖面が美し ....
腐ったってがらがらへびなんだよ
抜け殻だなんていわせない

赤外線探知装置のついた最新鋭の進化論さ
きみの白い指のぬくもりなんていらない

金子みすずのお月様なんて絵本の
せかいのデザー ....
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