線香を蜜柑に挿して知らない人の墓 蜜柑を担保に金を貸りる手にトカレフ  これは きのう
 こっちは きょう
 どうしてこんなにささくれが多いのだろう
 ぼくの
 サキソホンから
 そんな
 ぼやきの声がきこえてくる

      *

  ....
桜など本当はどうでもいいはずの
酒を飲んで騒ぎたいだけの花見客どもが
急に降り始めた雨に悪態をつきながら
しかしどこかしら楽しげにはしゃぎながら
コンビニの中になだれ込んでくる

最近テレ ....
 詩を書く人たちは様々だ。だが、一部の詩人たちは何を書いても金太郎飴であり、そこに詩人独自の書法は見えこそすれ、詩の世界の深まりや人間洞察の深まり、思想の強度が見いだせないことがよくある。確かにそうい .... 満開のソメイヨシノ

春の強い風に散り
工場のタンクや配管に
まばらな花が咲く

工場の町の春景色


自家不和合性のこの桜は
開花して
ソメイヨシノどうしで
受粉して結実 ....
最近の子供は、外で遊ばない。
だからだめなのだ。
体も、心も、社会性も育たない。
家の中で、しょっちゅうゲームとSNS。
昔はこうじゃなかった。
最近の子供は、まったくだめだ。


 ....
コツコツコツ深夜の足音
ゴソゴソゴソ深夜の物音

何をしているのだろうと
訝りつつ目覚めれば深夜

安眠を妨げる足音や物音
決まった時刻に乱される

ドアを開け見渡しながら
誰もい ....
座禅

靴下を裏返すように
自分の端をつまみ
引っ張ってひっくり返すと
私は
闇に包まれ
遮音され
触覚も
痛覚も
温点と冷点もなく
声を出すことも
食べることも
匂いを嗅ぐ ....
夜道を歩いているとひんやりした腹が出る
ひんやりした腹 ぷるんと豆腐のよう
またぎ越していけばいいのにそれができなくて
地団駄踏んでるわたしの胸の奥に
おたまじゃくしがわらわら湧いてくる
こ ....
破裂した精神から
無数に咲き乱れる
色とりどりの気球
大気圏を目指すアストロノーツ

「僕らはこの星の火傷そのもの
 剥離する瘡蓋だ―― 」

 ――なのに捨てきれない!

抱き寄 ....
金持ちも貧乏人も春眠し 「え」を「ゑ」と書く女といて鏡の中 誰もが夕暮れには傾いて見える
家へ酒場へあるいは虚空へと

夕暮れに姿勢がいいのは
電信柱と案山子だけなのかもしれない

僕はきみに傾いてゆきたい
いつかきみの傾きとぶつかるまで
 
下を向いて歩いていたら
電柱にぶつかった

下を向いていたのだから、あたりまえだ

ぶつかったところを触ったら
赤い血が指先についた
ひどくぶつかったのだから

血が出ても、あ ....
食べ物買うのに言葉はいらない
ましてや売る人の心など

風邪薬は効き目を買う
心配そうな言葉など鬱陶しい

陳列棚から取り出した飲み物
黙って値段を示せばいい
すぐに飲もうと だれと飲 ....
今年もつばめがやってきた

帰ってきた
と言う

うちで生まれたつばめや
と言う

小さいな
よく動くな
と話す
話し合う

家族
という言葉を
改めて感じる
春の我が ....
いまは幾度めの春なのだろう
遠い昔のような
つい昨日のような

子供たちもそれぞれに
この世界のどこかへ
紛れていった

いまも日々の食をもとめて
彷徨う身にも春はやさしい

な ....
20年前、駆け出しの商品開発担当だった頃。
自分が開発を担当したある商品の容器の印刷強度が弱く、
自社のスペックに適合しなかった。
試作の時には全く問題がなかったのが、量産品でうま
く行かない ....
絶交をしたこと忘れ春日影 タモリのグラサンに昇る月よい月 タモリ見ながら時効を迎えた おんなの
からだの
わたしが
甘くて
甘くて
にがい


すきあらば
はいってこようとするからいくつもの
条件
ありかた
ばかり
言葉になって
こぼれだす


それな ....
空がこんなに青いのに
死にたいと嘆く 冷蔵庫101号室に住んでいるレモンなんてジュースにして
空のそらぞらしさなんて
御構い無しに たわわに実った 金柑の実を小鳥のようについばんで
よもぎのパ ....
指先でぬぐえない
苦しみの跡が
陸にあり

次の世代に期待、と今の老人がいうとき
それは諦めでもある
問題を解決しても次の問題が持ち上がる
償いをしても次の償いを要求される
支配者を排 ....
君に会えないその時は
花でも摘みましょうか
それとも窓辺で
恋歌でも歌いましょうか

花占いももう飽きた
君は{ルビ何処=いずこ}の空の下
誰を待っているのでしょう

さらさらさらさ ....
左耳が嗤ってる そんな時は
真鍮の針を心臓に突き刺して
鼓動の波で全身を海にする
皮膚という皮膚に群がる蟻が
感情の熱で蒸し焼きになるまで
ただ立ち尽くして真理の老木を{ルビ凝視=みつめ}て ....
子どもだから知らない漢字は飛ばしてもいいんだよ、漢字ドリル斜め折りして目印をつけたページ、「大切な」を十回書き写して、[音読しました]に丸だけつけて、手のひらの外側がすこし黒くなったまま誇らしげに食卓 .... 三月のかた雪の上を歩いて
湖を行くと
半分水につかったまま
凍りついた樹の枝に
ふくろうがいた
ふくろうは目を閉じていたが
やがてゆっくり見開くと
私をみつめた

ひらべったい猫に似 ....
「好き」と言う口とそれを聞いてくれる耳のある幸せを失う
壮佑さんのおすすめリスト(5210)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
線香を蜜柑に挿して知らない人の墓- 北大路京 ...自由詩314-4-5
蜜柑を担保に金を貸りる手にトカレフ- 北大路京 ...自由詩514-4-5
ぼくのサキソホン- 石川敬大自由詩10*14-4-5
PINK- 大覚アキ ...自由詩1014-4-5
詩の文脈化- 葉leaf散文(批評 ...814-4-5
恋い焦がれてソメイヨシノは咲く- ichirou自由詩15*14-4-5
バブルス_チルドレン- クナリ自由詩10*14-4-5
足音・・・- tamami自由詩1714-4-5
不立文字- ichirou自由詩10*14-4-5
夜道にて- 春日線香自由詩814-4-4
地球詩人- ただのみ ...自由詩25*14-4-4
金持ちも貧乏人も春眠し- 北大路京 ...俳句414-4-4
「え」を「ゑ」と書く女といて鏡の中- 北大路京 ...自由詩814-4-4
夕暮れ- 梅昆布茶自由詩2514-4-4
「あたりまえの、その先に」- ベンジャ ...自由詩8*14-4-4
余計なお世話だけれど- イナエ自由詩18+*14-4-4
春の家- 朧月自由詩1014-4-4
三毛猫のうた- 梅昆布茶自由詩1914-4-4
感謝しても感謝しきれない- ichirou散文(批評 ...11*14-4-3
絶交をしたこと忘れ春日影- 北大路京 ...俳句614-4-3
タモリのグラサンに昇る月よい月- 北大路京 ...自由詩214-4-3
タモリ見ながら時効を迎えた- 北大路京 ...自由詩614-4-3
甘くて、甘くて、にがい- はなもと ...自由詩914-4-3
ちいさなコントラバス- るるりら自由詩21*14-4-3
僕たちは生きているだけで人生については十分論じ合っている- ふるる自由詩12*14-4-3
花曇り- 未有花自由詩20*14-4-3
ランドスケープ- 由木名緒 ...自由詩13*14-4-3
Mekakushi- 佐藤真夏自由詩814-4-2
ふくろう- Lucy自由詩20*14-4-2
「好き」と言う口とそれを聞いてくれる耳のある幸せを失う- 北大路京 ...短歌414-4-2

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