衣擦れの音の軽やかさが
春がすぎたことを告げる
夏のはじまりは
眠りの季節の終わり

彼方に見える稜線から
歌声とともに虹が湧き立ち
ゆるやかな目覚めが
きみの奥の火種に熱を与える
 ....
桜が散り始めた
昔、誰かがそこに植えたのだ
古びた板壁のペンキが剥げた営舎の
埃っぽい運動場の端に

左旋回だったのは
右利きだからかもしれない

春霞の海は穏やかで
座している私の ....
自炊の道を極めんと
愚娘の助言を聞き入れ
圧力鍋を購入した

やや季節はずれのブリ大根
今日は黒霧島のお湯割

圧力鍋には
なにやらタイマーが付いていて
超絶簡単レピシ本通りで
 ....
生まれ変わったらいっしょになる予定の男が何人もいる 子供相手にフルスイング 朝の空

西から東へ
まっすぐの飛行機雲

確か
この飛行機雲はラドン
ラドンの太い飛行機雲だ

ラドンが目覚めた

いつも怪獣は環境破壊によって目覚める
そして環境破壊す ....
失敗を許すのは三回まで
三回を過ぎたら、期待ごとゴミ箱へ
仏の顔に倣ったのはいいけれど
あんまり正確にしていると
神様と見間違う


私の優しさは有限です
愛も有限です
怒りには ....
苔生した岩が目覚めの胸を押し潰す
浅瀬では精霊の呼び声がまだ響いているので
安らかに泉に潜り込む
カーテンの隙間から立ち昇る朝が角度を傾け
夢の泡を貫いてくる
惜しみながら深部を反転したのち ....
タクシーを止められなかった手で背中をかく 震度3で久しぶりの会話 放り投げたものが渡っていく
橋が暗闇にかかっており
おまえはそこんとこを疾走する
車の中の横顔を見たようだが
先ほどから雨脚は強くなり
強くなりしていく雨脚にまぎれて
見えない
遠く見え ....
走って行って渡った
点滅を始めていた
青信号
お昼休みに
買ってきた弁当が
手の中で跳ねている
サラダがいくらか多いのにした
空は晴れ渡っているのに
風は冷たい
私の胸の中にも
 ....
弁当を作りながら
異能する君は謎の生命体
昨日までの怒りと不満が
女のカタチに脱皮して行く
鉤爪は残したままで

朝は不躾に明るい破魔矢
夜明けの夢を葬り去って
吉凶を告げるかのように ....
冬の午後を
公園に置き忘れたので
急いで取りに戻った
言葉を頬張りながら
塾へ急ぐ子どもたちと
光速ですれ違いながら

公園に着くと
理科準備室から
そっと盗んでおいた
雲母の標本 ....
人間とは不思議な生き物だ
月までだって跳べる時代に
自分の足で跳んでみたいのだ
高く 世界一高く 
肩たたき券にプレミアがついた 部長の女と知らず説教している 冷たい風の中を
歌いながら歩いたら
歌が千切れて
後ろへ
飛んでいった

飛んでいった歌が雲になって
遠くの煙突と
空を繋いだら

紫色の歌の塊が

夕陽の方へ
押し寄せてい ....
通販で購入した商品を開梱すると
梱包用の発泡スチロールの厚い板が入っていた
不燃物ゴミは来週の火曜日まで捨てられないので
小さなリビングにそのまま置いていた

1m四方程度の発泡スチロールの ....
夕闇が嫌いな人たちは
原子力でそれを追い払う

宇宙から見る日本列島は
真夜中でもくっきりと浮かんで見える

世界中で一番明るい列島

誰がそれを見つめるのか
数十人のアストロノウツ ....
山桜オレの遺体が見つかった 「意志の物理的力」よりも、やっぱり、
「心細くなった猫」の方を読みたいかなぁ。
「再生」は、
「蘇り」よりも積極的だ。 と、思いつつ、
「捨てたものは拾うな」を手にはとったが、買うほでもない。 ....
赤い糸が黒ずんだ 売られたケンカを買う暇がない 疲れ果てて
ひとりでボーッと昼飯を食べていたら
タカエちゃんから
ちっちゃな人形をもらった

富士子ちゃん?

えー知らないんですか〜
コップのフチ子ちゃんですよ〜

コップのフチ ....
目を瞑って鍵盤にそっと乗せるだけで
軽やかに舞い始める私の十本の指
やがて目の前にお洒落なショパンが現れて
揺れる私の肩をそっと抱いてくれる





「お母さん、私ピアノを習ってみ ....
庭に花園を作って楽しむのは
未来を
思うこと
球根は裏切ることなく
毎年花を咲かせるし
宿根草は年毎に株を大きくする
一年草は種を落とし
思わぬところから芽を出している

白いつるバ ....
               140409

嘘があるから真実もあるだろう
楽観論者の筆者は軽く聞き流す
哲学青年は厳密に考察を開始する
100パーセントの真実なんてあるものか
必ず嘘とい ....
ジャンケン ポン
鬼だー! 隠れろ!
春の鬼ごっこ
小さな女の子たちが隠れる場所を探している
木の陰へ
路地の奥へ
鬼が来る早く隠れないと……

慌てて
建築資材倉庫へ
独りで逃げ ....
雪解けを待ち切れず
雪の中に芽を出してしまう

だから雪を早くよけてやろうとして
芽をちょん切ってしまったこともある
苦い記憶
切られた芽は花にならない
でも次の年には
必ず芽吹く
 ....
壮佑さんのおすすめリスト(5223)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
さきくさの咲く頃に- 大覚アキ ...自由詩9*14-4-14
遠景- 山部 佳自由詩914-4-13
染み込む20分間がこんなに疲れるとは思いませんでした- ichirou自由詩1414-4-13
生まれ変わったらいっしょになる予定の男が何人もいる- 北大路京 ...自由詩514-4-13
子供相手にフルスイング- 北大路京 ...自由詩614-4-13
ラドンの飛行機雲- ichirou自由詩14*14-4-13
プリペイド- 山中 烏 ...自由詩914-4-12
◎ある日- 由木名緒 ...自由詩13+*14-4-12
タクシーを止められなかった手で背中をかく- 北大路京 ...自由詩1114-4-12
震度3で久しぶりの会話- 北大路京 ...自由詩414-4-12
水切り- 春日線香自由詩314-4-12
シグナル- Lucy自由詩15*14-4-11
ハッピーマニュアル- ただのみ ...自由詩17*14-4-11
陽射し- 自由詩21+14-4-11
the_high_jump- イナエ自由詩8*14-4-11
肩たたき券にプレミアがついた- 北大路京 ...自由詩314-4-11
部長の女と知らず説教している- 北大路京 ...自由詩514-4-11
風の中を- Lucy自由詩12*14-4-10
発泡スチロール- ichirou自由詩814-4-10
アストロノウツ- 梅昆布茶自由詩21*14-4-10
山桜オレの遺体が見つかった- 北大路京 ...俳句414-4-10
「ああ、私は・・・_と思う時」を読んで- 空丸ゆら ...自由詩1214-4-10
赤い糸が黒ずんだ- 北大路京 ...自由詩614-4-10
売られたケンカを買う暇がない- 北大路京 ...自由詩814-4-10
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頼りないショパン_不器用なベートーベン- 夏美かを ...自由詩31*14-4-9
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真実- あおば自由詩12*14-4-9
【_春の鬼_】- 泡沫恋歌自由詩14*14-4-9
クロッカス- Lucy自由詩11*14-4-9

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