生活をしていると
すべてが透明になってゆく
それが良いことであるのか
それとも悪いことであるのか
そんなことにかかわりなく
すべては透き通って
その存在感を緩やかにする
今日も洗濯をして ....
向き合った途端、一瞬たじろいでしまった
あまりにも真っ直ぐに見つめられて
ファインダー越しに覗いた
淡いピンクの大輪
千重咲きの奥に守られている花芯は
何か語りた気に
唇をうすくほ ....
「「 牛丼の並、コールスロー付で・・・
「「 はい、A定 一つはいります
時はしらずに 十四年をかさね
昔とすこしも変わらぬ オレンジの看板
丸いスツールにすわり
空 ....
小川のような楽譜を背泳ぎして
フルートを手にする君
瞳を閉じた音色は
君の夢をまさぐって青い湖に案内する
歌詞はそこで一隻のボート
僕は向かう方向に背を向けて
ひたすら歌いながら漕ぐ
....
命の限り生きる
時、ああ
青く冴えて
終わりつづけるの
大空の縁で。にこり
笑みを零す
引力である
今日は(拝礼)。
それはそうと、障子は
白く透けて参りまし ....
俺は莫迦話をしたい
とても大変な時期に莫迦話をしたい
とにかく莫迦話をしたい
切迫感の中で莫迦話をしたい
どんなに偉そうなことを言っても自分のことしか話せない人と莫迦話をしたい
他人のこ ....
雨の糸
紡いで布を織る
星の子
風邪を引かぬように
七夕
願い事を書いた短冊
白紙の未来
ペン先がじっとみつめている
願い事
人の数だけあるのだろうけど
根っこのと ....
「怒」
怒れ
とりあえず怒れ
開けろ
風穴を開けろ
亀裂でもいい
そこから侵入しろ
浸透でもいい
じっとり考えながら浸透しろ
正義ではない
生活だ
....
釣り堀の釣られる魚釣れぬ人
JR三鷹で降りて桜桃忌
短夜や痴豚のラジオ聞いており
南天の花に雨粒直撃す
夏至の日が一番嫌い吸血鬼
藻の花や子供に会えぬ日は続く
....
黒い木陰に巣くう羽根音
砕いた殻墓 添うて鳴く
まみれた草にのけられた
くちばしこもり 膝の上
はばたき とどまり うちふり さえずる
影に塗る 黄緑 黒 音は チチチッ
うま ....
雨いくつか
ふりそそぐなかで
思いだしている
傘をさすのをあきらめて
抱きあった
抱きあえば
しんまで濡れて
雨ふるふる
あきらめる
いまごろどこかで
かわいて ....
毎日はどこまでも続く微熱のテンション。きのうのじぶんを殺しながらめざめた。散文の日々。ネジを閉める穴が空いていた。見せびらかすように、太陽で暖まる前のコンクリの上を急いだ。
....
市民プールに雪が降る
ハムを食べ過ぎたと言って
嘔吐しているうちに
友達の一人は
立派な大人になった
紙のような声で鳴く鳥が
夜明けのある方へと飛ぶ
その頃になると
すべては塩辛く ....
ところどころ淀んでいる、日々のあわいに
用意された長椅子に座ると、
世界が淘汰されていく
眼前には池があり、蓮が眠っている
見たことのない男が隣に座り、
見たことのない水母の話を続け ....
窓を開け放ち
空気を入れかえる
朝の訪れを遮ってだらりと垂れ下がる
色褪せた思想を派手に揺らし
この胸を蝕み患わせている
積もりに積もった誇りや死っけを吹き飛ばし
....
月の雫が星の子なら
ひかっているのがわかります
蛍が真似て
ほんのりひかる
あたしとあなたの
心のなかも
てんてんと
ひかればいい
この闇のなか
ケント紙の家の中で
リンゴを煮ていると
蟻が集まってきて
椅子の傾きを直してくれる
サーカスのあった夜
話もないのに
冷蔵庫を開けた
‬
カノープス
君は古びた飛行船 がたがたと鈍い音を立てて
かみなり雲の中を いつまでも飛び続けている
流れ星が追い抜いて飛んでった 遥か遠くへと
選ばれた誰かの名前を その輝く尻尾に宿して
....
昨日の〆サバがあたったのか
朝起きると吐き戻しお腹も刺すような痛み
背中がかゆくてたまらず
爪を立てるとなんだかツルツル滑る
鏡に背中を向けて首をひねると
なんとも綺麗な ....
夏の盛りの
透明な記憶の破片
縁側のよしずの陰の
幼すぎた沈黙
君のちっちゃい手が
大人びた仕草で
泡立つコップを
気まずさの真ん中に
ふたつ置いた
言葉の結び目が
....
小さな花が
音も無く咲くとき
小さいなりの輝きがあるだろう
太陽は
惜しみなく笑顔を贈るだろう
私たちは
知っている
どんな花も魂をゆさぶると
小さい花は
小さいことを
....
きみの口から
高速道路が伸びていた
ビュンビュンと車が行き交う
粘液のような真夏の夜に
赤い光を撒き散らして
そこには、一台だけ
逆走してい ....
どこまでも続く屋台の間にたちこめる
お祭りのにおい
お囃子の音は少し遠くに聞こえてる
すれ違う人は
恥ずかしそうに手をつなぐ二人だったり
肩車をした親子だったり
浴衣姿の少女は
金魚 ....
1.田村隆一詩集
四千の日と夜
一篇の詩が生れるためには、
われわれは殺さなければならない
多くのものを殺さなければならない
多くの愛するものを射殺し、暗殺し、毒殺するのだ
見 ....
なにもかも
粉砕
ナイフでは永久に
無理な救いと
手を
つないでいた
椎間板を守りながら飛ぶ
ポリゴンの鳥が
ひきずりだした
わたしたちの赤い国旗
万歳 ....
71
右手に吹いた風が
左手に届く
200CCの献血
等級の低い列車で
ここまで来た
会議が始まる
72
プラスチックの空
消し忘れた電線の跡
眠るだけ眠ると ....
客車の窓から外を見て
景色が後ろへ飛んで行く
しゅっしゅらしゅっしゅ
しゅらしゅっしゅっしゅ
山は青から朱に変わり、
不気味な道が這い回る。
しゅっしゅらしゅっしゅ
しゅ ....
不毛なる議論みなつきたちばなし
駆け引きの万策みなつき体当たり
やがてみな月へと帰る夜の姫
雲をながめたり
雨をながめたり
次第におおいかぶさる
暗闇の手をながめたり
そのたびに
母に
「またぼんやりして」
と言われた
私は
実にぼんやりした子どもだったのだろう
....
ドナドナってターム
ヒモのついた動物って意味
すきってなに
あたし
イタミとかって
てんで関係ないんだ
ドナ
ヒモでくくられた
動物って意味
犬みたくハア ....
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