朝早くに
  古臭い詩をわたしは書いた
  潮水に濡れた岩間を縫って這うように歩く
  数匹の蟹の節足のことなどを



  カーテンのあちら側で降っている雨が
  薄笑い ....
サラサラと嘲りながら
指の隙間から
零れ落ちていったのは
砂で出来ているのを
忘れかけていた
いくつもの季節と朝焼け

パタパタと蔑みながら
手のひらから
飛び立っていったのは
 ....
      夏をたたむ
      両手でしわをのばし
      ていねいに
      色濃い影をおとした夏も
      洗濯され、たたまれると
      頼りないほど薄っぺらだ
 ....
  左手の中で牛が眠っている
  さっきまで右膝のあたりにいたのに
  もう一頭の牛は鎖骨のあたりで草を食み
  けれどもまもなく体を地に横たえるころだろう
  テレビで昔の映画をやっ ....
ひとつの恋愛が始まると
いくつかの虫歯が
できてしまう

歯医者に行くのを
忘れてしまうこともあるけれども
夜中に眠る前に
歯磨きもせずに
お互いの話をすることに
夢中になってしまっ ....
屋上のライブバンドや秋高し 来世も諦めることになった パン屋の前で「パン食べよっかな」の声が口から漏れた かーさん ももいろひよこ かってや
めっちゃ かわいーやんか
そらいろも いるんやで
にじいろも いるんやで
ハートマークも いるんやで

息も絶え絶えのひよこたち
鳴いてるんじゃない
 ....
エプロンをつけたおじさんのような
がらがら声のおばさんのような
二人組が立ち止まり
暑いのか涼しいのかさっぱりわからないねえと
言っている横を

私はTシャツ一枚で通り過ぎていくのだが
 ....
朝焼けと茜空の間に
彩(いろどり)が溢れ
茜空と朝焼けの間に
暗闇が横たわる
少女はその秘密を知りたくて
彩の一つ一つを呼び出しては
新しく命名し昼の詩を
暗闇の底を探っては
言葉で照 ....
風が運んできた花の匂いにまみれたら空想に囚われて
飛行船で七つの海を制覇する旅を始めてしまうけれど

真夜中に目覚めた時のあの浮遊感が忘れられないから
雷雨の中を駆け抜けて迷い込んだ街で君を思 ....
古いノートに書かれた文字を
辿って行くと
余白にぶつかって
そこから先へ進めなかった私がいる

もう書けない
諦めてしまおうと
何度も思った

余白の裏に
余白の隅に
挫折の名残 ....
雛菊をみていた
毛氈のような緑に
ところどころ陽に照り映えてある白

海をおもいだしていた
流木の漂白された肌が
曇天に無色をそえる

時間の重さをはかる
手のひらの中の一握りの ....
 四年京都に住んで
 今でもよかったと思うのは
 はる を覚えたことだ
 生まれ在所に戻ってからも言っている

 開けてはる居てはる植えてはるえづいてはる起きてはる
 噛んではる切ってはる ....
秋高し宇宙はいまだ謎だらけ チワワが痴話喧嘩してコンニチワとでも言うと思ったか 野良の黒豹にうちのキリンが噛みつかれている 「ねえ、これは骨?」

チキンナゲットを食べ慣れているお前達に
フライドチキンを与えたら
飢えたライオンの子供のようにそれを貪りながら
何かを思い出したように下の娘が訊く

「そうだよ。 ....
映写する腑、喉を圧しひろげ、傍線はたしか、遠くに聞く、砂の鳴りに裏返る沼、波紋と残像のさなか、脆弱な冒頭を詰めたトルソーは次の作図を予感する。渦の灯、炭化した雨を下から明かし、鞣すように匙を透して、香 .... グレープフルーツナイト
ぷかぷか浮かび上がれば
魔の時間だ コウモリのお通りだ
合図になる 目が覚める!

パイプをくわえたフクロウ
迷子の泣きべそオオカミ
花冠ひっかけたトナカイが
 ....
底から
蒸発した
温かい水が
蓋裏で
冷たい水になる

ほんの少し
傾けただけで
それは
ふたたびのしずくとなって
ほとばしる

涙の成り立ちを
まぶたの裏で描きながら
わ ....
豪快な一本背負い秋の雷 手品失敗して生放送が終わった 修学旅行に行かずアメンボ捕りに来ている まつげはひかるけれど、それはあなたの水ではない
雨あがりのドライアイは
公園の風景を
焼きつけるしずかな鉱石のように
まばたきをしない
「むかし、どこにいきたかったのかとか、
 ほんとうに ....
紺色に遠い夜空
白い月が明るく浮かんで来る
私の頭のなかには
とりとめのない考えが
浮かんでは消える

いま 空を歩いているところ
降りしきる雨のなかに
いつかの
或いは未来の
遠 ....
今日は静かな夜ですね
冷蔵庫がぶぅーんぶぅーん
小さく小さく口ずさむ
一人っきりでいるのです

今日は静かな夜なんです
冷たい鉄がそとを走って
狂った様に競っている
ここは一つの楽園で ....
ふと

ショウウィンドウに映った薄ぼやけた自分の姿に 


人生 楽しい?

楽しかった?

これから楽しくなりそう?



現在過去未来


わかりっこないって そん ....
いまは金木犀

いまは金木犀

10月のなつかしい光

幸福と切実のセット

みんなしあわせになあれ

みんなしあわせになあれ


身近なPM2.5

放射性物質は他人事 ....
壮佑さんのおすすめリスト(5223)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
古臭い詩- 草野春心自由詩10*13-10-12
無力- nonya自由詩20*13-10-12
ながい夏- 石田とわ自由詩21*13-10-12
- 草野春心自由詩313-10-11
虫歯と恋愛の関係- りゅうの ...自由詩11*13-10-11
屋上のライブバンドや秋高し- 北大路京 ...俳句2*13-10-11
来世も諦めることになった- 北大路京 ...自由詩813-10-11
パン屋の前で「パン食べよっかな」の声が口から漏れた- 北大路京 ...自由詩413-10-11
夜市- そらの珊 ...自由詩17*13-10-11
秋のはじまり- 灰泥軽茶自由詩1413-10-11
10月10日の詩- ただのみ ...自由詩21*13-10-11
星が無数に降りしきる夜に圧倒されて茫然としている- kauz ...自由詩14+*13-10-10
余白- Lucy自由詩13*13-10-10
時間の重さ- 梅昆布茶自由詩1913-10-10
はる- 平瀬たか ...自由詩15*13-10-10
秋高し宇宙はいまだ謎だらけ- 北大路京 ...俳句513-10-10
チワワが痴話喧嘩してコンニチワとでも言うと思ったか- 北大路京 ...自由詩513-10-10
野良の黒豹にうちのキリンが噛みつかれている- 北大路京 ...自由詩6*13-10-10
食卓- 夏美かを ...自由詩27*13-10-10
手紙- 吉田友佳自由詩313-10-9
グレープフルーツナイト- サトウチ ...自由詩5*13-10-9
十月の扉- そらの珊 ...自由詩18*13-10-9
豪快な一本背負い秋の雷- 北大路京 ...俳句413-10-9
手品失敗して生放送が終わった- 北大路京 ...自由詩413-10-9
修学旅行に行かずアメンボ捕りに来ている- 北大路京 ...自由詩313-10-9
いくらか反射する水。終わりのあとで- 岩下こず ...自由詩713-10-9
飛行船- 宮岡絵美自由詩613-10-9
静かな夜- 雨の音自由詩613-10-9
柏谷呉服店さま- 芦沢 恵自由詩24*13-10-9
いまは金木犀- 吉岡ペペ ...自由詩713-10-8

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