部品がいっぽん足りなくなって
このままじゃあ埒が明かないから
町まで買いに行かせてくださいと頼んだのに
ひょいひょいとあばら骨を抜かれて
蛸みたいに伸びている
はす向かいの煙草屋から2メートル借りて
となりに住む大学生から4メートル借りて
街頭募金を装って6メートル借りて
それでもたりなかったから交番へいって3メートル借りた
夜爆発して
住人が ....
竹馬が意志に逆らい一歩二歩
地獄にも墓
喪主の手にメリケンサック
あさはか
その響きがいい
ばか
よりはいいかんじ
そんな風に置き換えてみる
あのこがしんだ
その朝に
天気のいい夜
寒いけど月がまんまるで
明るくて綺麗で
照らされた空の一部が
ぼんやりと群青色で
星を消す
でも見上げた空は広くて
星は沢山あった
買い物袋を片手に月夜を歩く
風は冷 ....
テーブルには いちごがあった
私は食べたかったのを我慢して
クローゼットの横に体操ずわりした
パパとママはお互いを罵り合う
傷つけ合いながら 存在を否定しあう
出て行けとパパはい ....
卵がスウィングしている
托卵容疑の直滑降は不恰好に喉を塞ぎ
やがて破裂して口いっぱい
玻璃 瑠璃 瑪瑙 罵詈 雑言
秩序の欠如は流星し
脳裏がそっと炙り出す
片手に毬 錦の手 ....
○
喪失 は
まとわりつくのだ!
○
おぎゃあと出現し
A 何をすべきか・・・時代からの問い
B 何がしたいのか・・・自身からの問い
C 何ができるのか・・・生存す ....
「軽くふれて下さい」という場所に
そっと手をあてると、自ずとドアは開いた。
人の心も、軽くふれてみようと思う。
140116
なんというのでしょうか
外は快晴
北国の方には嫉まれるような青空
それなのに
寒いだの風が冷たいだの
喉が痛むのだと言いたい放題
マスクが飛ぶよう ....
黴餅をくれなきゃイタズラしちゃぞ
誰もいないとこでお世辞を言っている
ヒカリゴケのように輝く言葉を探して3年が経った
ひとくちに3年と言っても様々なことがあった
かす漬けの美味しさに目覚めたし
沖縄の楽器に手を出して挫折した
そうして割れがちな爪でひかれる辞 ....
夕闇がやってくる気配
それは決まって
南向きの玄関の隅から生まれた
冷えていく板張りに寝転がって
図書室で借りてきた本を読んでいると
ふいに呼ばれる
声、
のようなものに
夜が
....
腕から力を抜くには
一旦手を握りしめて
振りながら脱力して
それが在ることを忘れる
考え続けて
不安になったら
安心できる人に話す
日記に書く
言葉で握りしめた後で
考えない ....
石の原野に青い花が咲いた
石っころたちが拍手喝采
泣いているものまでいた
青い花は揺れる
風に愛されて
青い花が揺れる
土地の熱い吐息に
ちっとも淋しくない青い花
本当にしあわ ....
おじいちゃんが
病院から帰って来た
最新鋭のチタン心臓を装備して
右手はワンタッチで色んな工具が
取り付けられるようになっているし
足はナイキ製のウサインボルトモデルに
なっていた
凄い ....
私が死んだら
悲しんでほしい
私がもういないことに
私が死んだら
笑ってほしい
私が生きていることを思い出して
私が死んだら
忘れてほしい
生きてるあなたが何よりも大切だから
....
揺すらないで
覗かないで
ノックしないで
猫はいや
汚いものが沈んで
息がつまる
追い詰めないで
掬わないで
閉じ込めないで
逃がさないで
窓はどこ
酸素が欲しい
....
白銀の光
冷たい熱を帯び
今
私と月の間には
透明な冬だけがある
はるかに遠いくせに
あっけなく近くなる
こんな風に
てのひらにのってみせるのは
何故?
まるで
弓矢を射れば ....
ヘソクリをパイナップルの内側に
サラリーマンのコスプレして会社に行っている
放射線量を測りに行く足にペディキュア
10年前の僕よ、なんだか憂鬱そうに涙を
浮かべ、夕暮れのベンチに俯いて、一体ど
うしたんだい?君の目に、透明な僕の姿は
映らないだろうけど、心配だから様子を見
に来たんだ。やがて君の涙は(時の ....
切符があるから、電車に乗れた。
食券があるから、ラーメンを食べた。
パスポートがあるから、異国に行けた。
それならば
鏡に映る(わたくし)が
一体何者なのか?という
最も不思議な秘密に ....
風見鶏、青磁のそらにはばたけば南へ向かいひたすらに飛ぶ
あいうえおあなたにどれを贈ろうか曲がりくねったひらがな愛し
過ぎてゆく明日が今日を追い越 ....
なに考えているのかちっとも手応えがない仕事人間のようなふたりでも
ささやかな感情のふくらみで満足していたりするのです
したいこと、やるべきことがあるから今の暮らしをしているのだ ....
色褪せてしまうまで
崩れ落ちるまで
見届けたかった
遠くなる影を見送り
不在を確かめたなら
踵を返し
歩きだすはずだったのに
あとからついていったのだ
見失う一歩手前の距離を保ち
二 ....
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