暗く清い女の子だった
こんなに、水のように柔らかい裸足では
どこへも逃げだせないだろうと思っていた
彼女は星の連なりを蹴飛ばし
夜の幕を裂いて、去った
綺麗な笑顔の残像は流れ星のよう ....
喜びと悲しみが混ぜ合わさって
無と自信にみなぎっている
内に幸福がある
その幸福すらも飽きるのは人間であるから
何も求めない
善なる光に身をあずける
怒りのない人生などない
....
ららぽーとに、お買い物に行くと
優しい気持ちになれる。
終わらない日々の暮らしの水の流れは
ゆっくりと、でもかくじつに、
私をなにも持たないお手軽なストーリーに
スキップす ....
あたし
今日は割と正常に動けたけど
明日どうなるかわからない
消耗して故障して
ジャンク品になるかも
ジャンク品になったら
誰かの部品取りになる
誰かの観賞用になる
何かの実験用に ....
右手をピストルにした
銃口は人差し指の先 中指が引き金
銃口を自分のこめかみに当てた 躊躇わずに引き金を引いた
バーン
銃声を口で声にした
死んだ真似をしたら 胸の隙間から冷たい風が吹き込ん ....
父はとても厳格な人で
私達姉弟が幼い頃は
「男が泣いてもいいのは
親を天に見送る時だけだ」
と言って泣く弟を叱っていた
今、泣いている弟と母に
挟まれる形で立つ
その父親の頬に
涙 ....
ドキドキをありがとう
乾いた心に潤いくれて
脳内物質ビシバシ分泌させてくれたあなたにサンキュー!
待ち合わせの約束なんてもう何年してなかったかしら
少女のような私の心はずっきゅんばっきゅん ....
南のルーキーにとっては棚からぼた餅
北の三代目には渡りに船だったろう
中の親分は放し飼いの犬をしつけた
吠え過ぎてはダメ 吠えな過ぎてもダメ
米の社長は鎮火さえすればいい火の粉さえ来な ....
雑踏にまみれ
一人立ち
逆風に煽られようとも
しっかとしていられる
私は私だから
桜の花が散り去ろうと
自らを美しく飾り立てて
美しさを測る試験に合格した君には
これから静かに醜くなっていく義務が課されている
晴れた青空が虚構であるように
君の抱いている夢や希望も虚構に過ぎない
現実は大地のよ ....
ばかやろう。
掛けていた布団を蹴っ飛ばす。
揺れるカーテンに隠れた化けネコ。
4月の昆虫くさい風は
命の匂いなのか。
新しい命。と
握り潰された命。
乾燥 ....
燃える棺桶のなかでは 遺体は一瞬生き返るらしい
しかし その様を実際に見ることができるのは斎場の職員だけに違いないから
自分の目で確かめる訳にはいかない
故人を忍ぶ語らいのなかで 言葉少なか ....
嫌々ではなくて
愛をもって協力する
大勢いれば
大きな力が生まれる
対応も早くなる
何が起きても大丈夫
協力し合えばいい
良い変化を生み出せる
誰の心の中にもある
協力し ....
寂し気な横顔に紅玉の涙。
野良犬の遠吠え。
都会で感じる孤独。
湖面に広がる波紋。
雪解け水の流れる小川。
都会と田舎の狭間。
煙草で補う時間の浪費。
尖った神経の矛 ....
昼過ぎに目が覚めて自暴自棄になってしまった日曜日の午後とか
誰にも祝ってもらえなかった誕生日とか
きみはそういう記憶に名前をつけて
また水槽に沈める
きみの水槽がまだ空っぽだったこ ....
届かない手紙だとわかっているけれど
あなたへ書こうと思う
どんなに悲しくても
どんなに寂しくても
受け入れるべき時がくる
呆然とし拒否して
怒りで身悶えしても
私の時間は停まらないのだか ....
ヘヴィメタルを聴きながら豚足を食らう
見晴らしのいい場所の
お墓に入ると君は言うが
死んだ後、墓の中になんか住みたいか?
爆轟でさ
お前の母ちゃん出べそでさ
爆轟でさ
お前の母ち ....
「何処へ行くの?」
「病院だよ」
わざわざ服を着替えて
ドライヤーで髪を整え
かしこまって行く先は
毎月の定期健診
ばかばかしくて
貴方を見る目が細くなる
昨日を捨てて ....
花はみずからを
最もか弱い葉であると思って散り
多くの葉は我が身こそ
逞しい花であると思いつつ繁る
樹はそれを黙って哀しみながら
春が花を愛で 秋が葉を罰す ....
非常にたくさんのものが
(ほとんどあらゆるものが)残っていた
スプーンもフォークも、ぴかぴかなバイクも
時計も、携帯電話も
空気が
かろうじて光をのみこみながら
浮遊している
ね ....
原田知世が
朝ドラで
ブレイクしているとか
いないとか
小耳にはさんではいたけれど
そんなこととは関係なく
だからといって
少女が都会に憧れ
そして裏切られ傷つく
ありがちな物語 ....
【チンダルのはしご】
●●●●●●●●
●●●●●●●
●●●●●●われ
●●●●●かい無
●●●●つまりは
●●●てがかり無
●●いままで苦 ....
☆
岬の先端に
一羽の越冬燕が佇んでいる
仲間の到着を待って
長い苦闘に
羽根はぼさぼさ
やつれて見る影もない
運命に持ち運ばれたとはいえ
惨めな姿だ
越冬燕は仲間を待ち ....
本日の糸魚川は風が強くてね
雨模様なのだけれども 粒が大きい
ともすれば
アラレにも見えそうな雰囲気だけど
まだ透明
山側の庭園を出る瞬間に
ふと息の白さに気付くみたいに
....
街の廃墟に
ネオンだけが点いていた
残された無数の足跡に
波があふれ 消えていった
人々は荒れ地を進んでいた
空を覆う霧には
ここで終わる
と書かれていた
....
仮の名前でインターネットの空に飛び交う鳥の群れ
それぞれは何の関わりもなく その実体を知らない
飛びながら排泄される糞は 落ちてネットにこびりつく
そのなかで 詩をくちばしにくわえていた鳥た ....
蛇は見ただけで怖い
なぜだろう
アナコンダのような大蛇ならわかるが
指ほどの太さの蛇が
なぜ怖いのだろう
よく考えると不可解なことだ
僕の脳のずっと奥の方に
僕の知らない何かが
インプ ....
黒焦げのトーストがいいマーガリンでいい
バターじゃなくていい
蜂蜜は国産 養蜂屋の小さな店先のがいい
種類にはこだわらないがシナ蜜なら尚いい
雨が降る前に用事を済ませたいが
用事の方がは ....
恋、パンイチで。
逃げられた残念。
ビクついてドボン。
とんずら交際中。
いつもディスカウント。
煙草はシケモク。
返す心。
お預け。
蓋はなし。
いつも蹴っ ....
悲しい日が続くと
通り雨を期待する
淀みを防ぐために傘をさしている
だけど、まだ日はさして
道化師の様にたたずむ毎日
待ちくたびれた頃に、心を洗うように
雨が降りだす
川面に跳ね ....
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