居場所のないことにすっかり慣れてしまった
居場所があったのはたんに周りが優しかっただけ

革命の年にテントとシュラフを積んで
やさしい風景を捜しに行った訳なのです
いまも漂泊中の修羅猫みたい ....
在ることの
謎に触れたとき
ウォーターと
手のひらに
書いてみる

初めて地球を生きた日のように
その鮮烈な霊気に貫かれ

ウォーターを
感じて、感じて
独り大地を
舞い踊る
 ....
転ぶのを恐れて
歩き出さない赤ん坊が
膝を擦りむいた

初めて声をあげずに泣いたのは
きっとその時だった

私が死のうとした理由をたどって
行きついた先の自分

我慢さえあれば
 ....
犬が吠えている
熱する陽射し
蟻たちが隊列を組む
したたる汗

動かない空気
ぼうと
天を仰ぎ見る
眩めく視界
どよめく一日

過ぎゆく時の間に間に
救われない思いを浮かべる
 ....
石地蔵と夏
ゆうだち

金木犀のこぼれる石畳
空に続いてゆく秋

ちゅーはい飲みながら豆を摘んでおもった
僕をつまんでくれたきみを摘んだ僕
空は曇り


街は曇り ビルの谷間の 冷えたぬくもりに躓き  吹き抜けるかぜ  なぜ と  灰とかげ──背広の音色が波のように行き交う歩道に落としたピルは
奈落の白い底


騙したあとの ....
哀しみのステップ踏みながら
いずれ遠ざかり消えてゆく
大きな爪痕をこの界に残し
大きな爪痕をあの界に携え
途方に暮れて消えてゆく

)自分は場違いだって気がするかい?
)自分は意味のない ....
網戸の外は青い空
網戸の内は灰の心

青はあくまで深さ増し
鬱はどうにもどん底で

世界と私は無関係
私が無くとも世界は続く

ああ、全くそれなのに
涼風が肌を不意に撫でる
その ....
人生の走行距離はもう僅かかもしれないが
スーパーカブ程好きな乗り物は無いと思っている

角栄大臣の日本列島改造論で大陸との現実の橋ができていたら
スーパーカブに跨って日本のあるはずもない誇りな ....
プールの天井を見つめれば
そこは宇宙

光の乱反射は
全ての思考を超えていく

わたしは水面に
ただ浮かんでいる

E=mc²
アインシュタインの直観は
多分正しかった

わ ....
わたしという輪郭の綻びから わたしと呼ばれた質量のような体積を 面積として再現するドットの集積の確率に 虚ろに ───



わたしが感じているか感じていないかに一切 関心を示さず運動を完 ....
かなしみは
雨降るなかに
浮き上がり
泣いているのは
誰なのか
こころの奥処で震えている
遠く遥かな心象を
雨が静かに消していく

冷たい雨は降り続け
街はけぶり霞んでいき
救わ ....
あまたの声が木霊する
陽炎のように消えゆく前に
それらの声を抱きしめる

遠い地平と波打つ黄金

わたしは彼らと交わった
消えゆく前に、消えゆく前に
もう一度だけ抱きしめて

黄金 ....
私は掌を合わせていた。
いつもなら般若心経を唱えている所だ。
目の前には先祖代々の位牌が並べられている。
頭の中は仔猫でいっぱいだ。
ただ合掌しているだけの
格好だけの姿だ。

用事とい ....
激しい濁流と錆びた鉄橋はゆきずりの光景でしかない

ビニ傘で行く手をさえぎる横暴なエスコートがわたしと雨粒を斜めに切断する


無限を接写する賭博者たちは必ず破綻した

二度目に犯した過 ....
遠くで鐘が鳴っている
ひんやり切ない秋の日に
何処までも高い青空に
追いかけても追いかけても
決して追いつけないあの場所で
(金木犀が軌道を舞い
秋の大気が生まれるところ)

遠くで鐘 ....
秋は仏頂面のヒゲ男を察知してイヌやネコも傍らに近づいては来ない

積み石で寝仕度を整えているのは巣を閉じた青蛇の一団だろう

まあるくそれでいて刈り取られた雑草の刺々しさがのこる畦道
 ....
哀しい象の群れ
午前中夢を見た

恋を踏み潰せ
心の中のアッフリカ
他者が駐車しているから
自転車をそこに
おいていたらしい
用事をすまし
自転車置き場に戻ってみると
鋭利な何かで
「サドルをバッサリ切られた」
と突然ぼそぼそとウチのが
白い頬 ....
東京五輪に足りなかったもの

東京五輪が終わった。あくまで個人的な感想だが、どこか記憶に残らない大会だった。いや、記憶を探さないと自然に出てこないと表現した方が適切だろうか。率直に言って、もっ ....
子供たちが三輪車で走り回る公園に 精子が乾燥して凝結した模様の透けるピンクのコンドームが落ちている


長閑な公園の中央に なにかの脱け殻のように



ピンクのワンピースを着た ....
現在、日本国内の人口の約1/3、4,000万人以上が近視と推定されている。
近視人口の増加はとどまる所を知らない 。
生活を取り巻く目を酷使する環境、パソコン・スマートフォンなどの長時間利用が主な ....
美しいのは
ぼろぼろだから

逃げて
隠れて
捕まって

ひたすら殴られ
また逃げて

見つからない私の心は
空にでも海にでも
隠れてしまったから

いつしか
南も北もな ....
熊笹の獣道を誰かが歩く
うっかりと穴を踏み抜く
ガサ
滝つぼに落ちたあと爆発音がして
誰かの身体はもう粉々
自分のなかにはそんな穴があって
胸に手をあてたとき
大きくもないその手はすでに ....
雨降る夜に
孤独を曝し
けぶる地平へと
走っていく
滾る思いを
冷雨に濡らし 

救われないと分かっていながら
逃れられないと分かっていながら
夜闇のなかを走っていく
ひたすらに、 ....
現象として
秋らしい
すごしやすい夜
独り
古臭い記述を読む
妻を殺した哲学者か…
なあに
21世紀初頭
政治家の無策で
何人殺されたのだ
独り
闇を吸う
夏の空、玄関口
立ち尽くす我
庭木の揺れ、うねる大気

ああ世界が広がっていた!
己とは無関係に
何処までも眩しい異郷が

五歳の時のその体験を私は決して忘れない
じぶんとは全く無関 ....
詩人の肖像は
誰にもわからない

あるときは
長く執拗な夏
異教徒の祈り

暮色の岸辺の苫屋の
清貧という夕餉

園遊会での貴婦人の
緊密なコルセットの誘惑

屋根裏の経済 ....
肩を抱きたい 肩を抱きたい、
麦わら帽子 夏のワンピース 黒髪
もてあます上唇を
さらにもてあます下唇が支えている
清楚な肉厚の均衡
開かれて不意にホワイトニング 鈴の音のようなホワイトニン ....
双眼鏡を両手に
望遠鏡を傍らに
細目細目で眺めた月は
それでもよく見えませんでした

裸眼視力0.02
諦めて眼鏡を外して見た月は
存外一番綺麗でした

手放せば見ようともせず見えて ....
空丸さんのおすすめリスト(4907)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
居場所のないうた- 梅昆布茶自由詩1421-10-15
ウォーター- ひだかた ...自由詩14*21-10-12
一歩- TwoRivers自由詩6*21-10-9
熱射- ひだかた ...自由詩421-10-6
ゆうだち- 梅昆布茶自由詩1121-10-6
- 末下りょ ...自由詩6*21-10-5
フェイド・アウト- ひだかた ...自由詩421-10-3
鬱と青- ひだかた ...自由詩12*21-10-3
スーパーカブ讃歌- 梅昆布茶自由詩1721-10-3
温水プール- TwoRivers自由詩10*21-10-2
静物- 末下りょ ...自由詩3*21-10-2
夜のスケッチ- ひだかた ...自由詩921-9-30
抱きしめて- ひだかた ...自由詩621-9-29
それは猫だった_3- RAVE散文(批評 ...3*21-9-29
郊外- 末下りょ ...自由詩7*21-9-29
遠くで鐘が鳴っている- ひだかた ...自由詩521-9-28
善師アキの空- アラガイ ...自由詩15*21-9-27
朝の呪文- ひだかた ...自由詩8*21-9-27
白い頬- ナンモナ ...自由詩2*21-9-26
東京五輪に足りなかったもの- 足立らど ...自由詩3*21-9-26
ちょこっと寒いところにちょこっと長居しただけですぐ体調を崩す ...- 末下りょ ...自由詩3*21-9-26
近視- TwoRivers散文(批評 ...6*21-9-26
冬枯れ- TwoRivers自由詩4*21-9-26
_攻撃性- 松岡宮自由詩10*21-9-25
DNA- ひだかた ...自由詩821-9-25
すずしい夜- ナンモナ ...自由詩4*21-9-23
記憶の光景~去りゆく夏の日に- ひだかた ...自由詩721-9-23
詩人の肖像- 梅昆布茶自由詩2121-9-23
ワンピース- 本田憲嵩自由詩721-9-23
十五夜- TwoRivers自由詩7*21-9-22

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