花瓶の近くに置かれた姉の唇が燃えてゐる。

 うす紫色の炎が小さく上がつてゐて、読んでゐる文庫本に今にも火が移りさうだ。

 目を細めて見ると、表紙に「菜穂子」と書かれてゐた。
 ....
静まり返った夜に人々は固唾を呑む

意表を突く歌詞を並べたて 
繊細で微妙なメロディーラインで攻める

艶っぽい声にガードされた瞳
おまえは吟遊詩人

魔力のような鳴き声に引き込まれ
 ....
表通りの あわただしい正午に
ようやく腰をおろすと
さっきまで 見知らぬ背中が座っていたはずの
この 革張りのカウンターチェアが
ぽっかり冷たい

ーー記憶を失くした 若いピアニストのよう ....
夜になると

いちにち恋をひとつ

棄てようと思って

田んぼの畦道で夜風に

洗われています

やることがほかにないから

しかたがないのです



ここ ....
むかしむかしあるところに大正という村で育った少女がいた
彼女は いつしか百歳を超えて
「敬老会に行っても 最近は若いモノばかりで つまらん」と言い
八十を超えている若い衆が ぐっと笑いをこらえた ....
現と擦れて詩が浮かび
境と接して死が浮かぶ
現も境ももう近しく
それなら詩と死と
しとしと濡れて
行ける処まで生きませう
現と境の溶けるまで
背負った重荷の露となるまで
背を正すこと、 ....
もう一歩も進めないと悟った時
世界は私から視線を逸らした
すべての約束は灰になって
希望の抜け殻と共に風に散った
誰かがそれを自由と名付けたので
幸福の定義も裏返ってしまった
私は確かに誰 ....
夜明け
窓を開けると
薄暗い空に、明星が瞬いている

テーブルに零した、煙草の灰を
手で、掬いとっている
うちに
夜が、終わっていく

春先の
暖かい雨は、降り止み
朝日が、微か ....
静かだ
ただ ただ 静かだ

そんな中で母が逝こうとしている
チューブに繋がれ点滴を打たれ死と対峙している

春だというのに
桜の花が咲こうとしているのに
母が死んでしまう
無力 無 ....
夢メモ:March⑤↕

主題:「王様の耳はロバの耳」に空気が変更なったと説明うける。

    風景→兎、丘、青空、キルト地のソファー、革のサンダル。

副題:「王様の耳がロバの耳」実写 ....
男は、どこか母親に似ている女に自分の遺伝子を遺したいもの
らしい。
kが大柄な体より小柄な女ばかりにひかれてしまうのはそのせいだろうか?

kの父親は大柄で筋肉質。胸板は厚く肉体労働に従事して ....
誰かが正しいという循環から外れても
心臓は打ち、もの思わぬことはない
放たれない言葉の流れが澱み

わたしはわたしから溢れ
低きに流れて見上げるのも
疲れるから地底湖になっている

と ....
響きが立つ
 色彩が立つ
  輪郭が立つ
   知覚が立つ
広がる意識 何処までも

壁が近い
浮き上がり
近い壁
くっきりと
像を結ぶ
私は喜びに満たされ
壁の響きを聴く
 ....
ぼくらの頭上で
時と空間が交じわり
世界から秘密がこぼれる

ぼくの生の軌跡は
きみと出会いひとつになり
新しい生が2つ声を上げた

ぼくの生まれた年にボイジャー1号&2号は
地球か ....
僕はまだまだ確信には触れちゃいないけど、ただひとつ言えることはここがジャングルだってこと。
茜色の…だとか、夕日が焼き付いて…だとかの、凡庸なワードが目新しい脳みそで、何かを表現したかった。

 ....
公園のベンチで寝ている女を

小学校三年生の女の子は汚いと言う

ずっとそう教えられて来たから

口をとんがらせて泣きそうになって

汚い汚いとかん高い気分が滅入る大声で叫ぶ ....
癌になった妻を憐れんで

離婚はしないと夫は言う

その背後に死神が立ってる

鎌の刃を彼に向けて

いつも2時にアラームが鳴る

男が頭痛で寝返りをうつ

女は何かを呟く ....
あなたの顔が赤くなったり青くなったりする。
いま映画館でスクリーンの前だ。

キャラメルポップコーンをつまみながら観ているがその手が止まる。
あの慈しむべき人がナイフを向けられている。
そし ....
わたしは退化する。蔑まれないと正しさがわからないような、回路をはんだで繋ぎ直し続けている。どこへ、行かなくても靴がないからって愛想笑いを失敗した、かわいそうな女の子を演じるまでもなく窓辺にうずもれてい .... {引用=(*筆者より――筆者が本フォーラムでの以前のアカウントで投稿した作品はかなりの数になるが、アカウントの抹消に伴ひそれら作品も消去された。細かく言ふと二〇一五年十二月から二〇一七年二月までの間に .... 失くした人を
偲んで見上げる
朧月

何かに抱かれるような
宵の人肌

湿った土が
ほんのり香る

始まりと
終わりの理

四条大橋から見渡す
川床の灯りは

春に滲ん ....
幼いふたりは
ふたりなりに
ふたなりについて
思い巡らし
どちらかが話出すまで
流れに身を任せた

土曜日の
午前4時

「いつまでも
愛し続けたい
夜が明けたって
何も変わ ....
  
  
  
  最近、思う。
  
  
  
  宇宙に果ては有るのか、無いのか。
  
  
  
  
  
  科学者は追う、宇宙の果てを。
  
  
 ....
完備 第一詩集『abstract』


…………………………

index

you
・footprints
・memo
・units
・difference


i
・ ....
傾いた太陽が
枝だけ残った木達を
公園から浮かび上がらせる
枝には時間が葉のように光にきらめき
螺旋状に生い茂っている

手前には娘がブランコに乗り
奥では息子がすべり台をすべり降りた時 ....
どうやら春は来るらしい・・あたりまえのように、
さり気ない顔して、来るらしい

休みたいのに休めない人間の性を見つめる
欲と愚かさ・・・
朽ちかけている躰を横たえて
この世の境界線を越えて ....
春や こんこん
はぁやく こんこん

春や こんこん
うちへさ こんこん

こんこん

こんこん

もしも、はよう着いたとて
何するつもりもあるまいが

春や こんこん

 ....
騒乱騒乱、
光の洪水だ
爆発的な消尽、
圧倒的な光の洪水だ

浴びる、浴びる、浴びる
(白い巨鳥が空を行く)

ひたすらに進み
ひたすらに跪き
今、生きる
この渦巻く真昼の界
 ....
いとしくていとしくて
星空を仰いだその
裸の心
ではなく
裸の体

そこにみつけたい

ずっと伝えたかった

生まれ育った田舎の田んぼのあぜ道
泥まみれになって駆け抜けてたあの ....
家族が崩壊しかねない危機的な状況におちいっても
あらためて会議なんてしなかった

そんな日がそんな時が
来たんだよな
前触れもなく突然に

上の娘が下の娘も連れて家を出て
アパートで暮 ....
空丸さんのおすすめリスト(4907)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
菜穂子- 石村自由詩19*19-4-3
井上陽水- あおいみ ...自由詩419-4-3
- ぽりせつ自由詩719-4-3
せんたく- 秋葉竹自由詩819-4-3
かわるもの、かわりゆくもの- るるりら自由詩819-4-1
walk・on_12- ひだかた ...自由詩1119-4-1
昨日へ落ちていく日- もとこ自由詩7*19-3-31
桜の樹のもとへ- 長崎螢太自由詩6*19-3-31
おふくろ- あおいみ ...自由詩1219-3-28
実験的無題①- よーかん自由詩119-3-24
女の名前は恵美と言った- こたきひ ...自由詩419-3-24
循環- 帆場蔵人自由詩5*19-3-23
開く宇宙(改訂)- ひだかた ...自由詩419-3-23
誕生日に思うこと- フリーダ ...自由詩119-3-23
レンガどっすんこ- ふじりゅ ...自由詩119-3-23
3月の終わりに- 秋葉竹自由詩719-3-23
いつも2時に- mizunomadoka自由詩319-3-22
- 幽霊自由詩319-3-21
断絶- 来世の自由詩519-3-18
旧作アーカイブ2(二〇一六年一月)- 石村自由詩13*19-3-18
- ガト自由詩4*19-3-17
ふたなり- 花形新次自由詩119-3-15
【_宇宙は惣菜なり_】- 豊嶋祐匠自由詩4*19-3-15
完備_第一詩集『abstract』- 完備ver.3自由詩9*19-3-15
公園- フリーダ ...自由詩419-3-14
やすみたい- あおいみ ...自由詩419-3-14
雪割り- 自由詩119-3-13
walk・on_8_今、生きる- ひだかた ...自由詩519-3-13
はだか- 犬絵自由詩519-3-13
家族会議はしないけれど- こたきひ ...自由詩419-3-13

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