"修復"
欠損前の正しい状態に戻すこと
女は「何でもあなたの思う通りにすればいいわ、そう振る舞うあなたの側にいる事が私の生き甲斐なのです」と言った。
男は「お前にはなに不 ....
苛々の虫はそこかしこで待ち受けている
不平等、不公平、不親切、理不尽、退屈な日常、認められないもどかしさ、愛する人の心変わり、暴力、数え上げれば切りがない
そうした辛苦に対して私達は怒る事ができる ....
穏やかに白く
少しだけ痩せた面持ちで
たなびく蒼い雲よりはるか
高くに在って潤むもの
この想い捉えて放さず
冬枯れた枝のすがる指先逃れ
軌跡すら残さずに
やわらかな光秘め沈黙の
あらゆ ....
寒さに震える 冬の夜は
目的もなく 歩き疲れるまで
歩くことにしている。
その間 私の息は 清潔ではない、気がする
清涼にするため、清涼飲料水を飲む。
真っ黒な 土の見えない ....
雨にも匂いがある
その匂いを嗅ぎながら駅から自宅アパートまで歩いて帰った。さしていた傘が雨に打たれ、その雨音が私の耳に伝わってなりやまなかった。
傘から落ちる雨の滴が降りやまない雨に溶け込んで路上 ....
鹿いた
鹿いた
せんべえ
あげた
せんべえ
せんべえ
寄ってきた
つんつん
つんつん
寄ってきた
でもなぜだろう
せんべえ屋さんに ....
魚は形を失った
こっそり棚から取ろうと背伸びした
幼子の小さな掌から
するりと逃げ出したのだ
{ルビ釉薬=ゆうやく}で青みを帯びて
濡れたような
しなやかな生の動態を
無言で秘めて微動だ ....
雲の多いそらを見て
きょうはついてるなと思う
風の冷たい道ゆきに
いいことがあるかもと思う
茎と花びらが舞う
前にゆく上にゆく
荒野にぽつんと階段が
大理 ....
月が照らすよ
こころの何処か
つめたい風を満たしては
夢の時間の帰り道
見果てぬ場所は永遠的
叶えてしまうような
不平等な夢は無責任的
月が照らすよ
....
一人、
部屋にうずくまりながら
深い海溝に墜落していく
そこには冷たい水のかわりに
闇だけがある
孤独、果てしない孤独
膨れ上がる世界と
縮んでいく自分
エゴに押し潰される自画 ....
そもそも人間は
電気が無くても何千年と生きてきたのに
電気が無いと生きられないというのは変だろう
生きるための労働が
電気を使うための労働に変わってしまった
電気が停まったら孤独死してし ....
陽が昇り
朝がやってくる
静かにやってくる
眠い目を擦りながら
朝ご飯を作り始める
朝の光
眩い光が
希望の光になる
昨日の嫌なことリセット
そんなことが出来る光
....
岩田は白田が主宰する同郷人会とは距離を置いていた。
もう親は鬼籍に入っていたから、故郷などもう自分にはどうでもいいような気がしていた。それと自分の後見人になってくれている親父さんが、この同郷人会を嫌 ....
キミが折った舟が
わたしを載せて
すべるように小川を下る
冬にさしかかれば
時間が凍らないようにと
祈る
どこへ向かっているのか
きけばよかった
それはたぶん大切なことだったのだと
....
{引用=
つやのある蟻のような円らな瞳で、住みついている栗鼠のようにや
さしく微笑みかける。いま柔らかな月光によって冷ややかにコーテ
ィングされながら、か細く流れる川の音のようにやさしくせせらぐ ....
思い違いをしているのではないか
君は寝床に身を横たえているのではなく
もういつの時代に作られたのかも
さだかではない古い古い風呂桶の中に
身ぐるみ剥がされたままの素裸で
(しかも生温い蒟 ....
思い出が傷跡に勝ることはない
喜びが悲しみに勝ることもない
その逆を高らかに歌いたいのか
荒れ狂う波を逃れて舞い上がる
喜びの 幸いの 愛の翼を
だが日々萎れて往く切り花のように
全ては古 ....
樹林帯の中の一本のブナの木に粘液の足跡を残しながらその大蛞蝓はたたずんでいた。
雨は樹冠から大木の幹をつたい流れている。
大蛞蝓にとって、雨は自分の分身のようでもあり、慈雨の恵みなのかもしれ ....
川が近づいてそっと入っていく
金属くさい くさい 私と
その鎖のつながりあるところまで
この世が終わるなら私ひとりだけ終わっていいと
いつも思っていた いつも思っていた ....
右肩を叩かれ、
涙が止まらなかった。
左肩を叩かれ、
おんおん。泣いた。
泣き出した時
意識がとんだ。
両肩を支えられていた。
冬。東京駅。
人だら ....
旅先の写真見るのが大好きで楽しかった記憶揺るぎないもの
外国の観光客が押し寄せる人気が高い神社仏閣
日本食好んで食べる外国人見た目に驚き味に驚く
子供たち成長するのが凄く早いふと気が ....
小さな箱に小さなケーキ二つ
一人で食べたよ
あなたがいないから
テレビには聖夜の飾り
みんな笑顔で聴いている
クリスマスの歌
幸せを運ぶよ、クリスマスの夜
淋しい人、僕は一人
哀し ....
いたいけな夜ぼくは
きょうもおんなをかう
感情とは興味のことだろうか
欲のことだろうか
脳が腫れていく
口が渇いて気もそぞろ
いたいけな夜ぼくは
きょうもおん ....
ほんのちょっと 寒そうな色合いを連れて
風がやって来た
パブロフの犬の代わりに
パブロンをゴクリ
喉を伝う ソフトクリームの滑らかさに
舌鼓を打つ頃
意思を持った石を包む
....
土盛がされた土手に上がり夜明けの空を見ると
ああ、十センチくらい違うだけでこんなに高いものかと
違う気持ちになりもして
そしたら僕より背の高い人は
さぞ開けた景色を見ているのだろうなぁと
....
年を取ると
原因不明な病気が
増えてくる
病院でいろいろ検査しても
特に異常はないといわれる
けれども
痰がとまらないという人や
腰が痛いという人や
咳が出るという人などがいる
年を ....
クリスマスという
言葉に慣れているけれど
ノエルという言葉の響きが好き
街中のイルミネーション
取り付けが急ピッチで進んだ
子供の頃
家族全員で楽しんだ夜
それは今も続いている
....
キャベツが自由自在に切り刻まれて
豚肉の生姜焼きが作られて行く
キンモクセイがまだ咲いて居た
十月の中旬
ナガサキアゲハの幼虫も
ナミアゲハの幼虫も
まだまだ葉の上を動いて居て
昼はまる ....
12月22日に冬至を迎え星は、「丁酉一白水星」から、2018年2月4日から始まる「戊戌九紫火星」へと大きく舵を切る。
「丁酉一白水星」の星を振り返ると、
<丁*釘といった丁の入った字が示すよう ....
花を踏んで地面に押し花を
つくりあげる
しろい脚ばかり順繰りに
刈り取っていましめ
白金色の湿原には
ゆらゆらと
あおい目のさかな
とうめいな躯
背骨と心臓
透かしてみずにと ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164