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いのちを挽いている
音がする
林檎を剥いたら
もういちど飛べるかもしれない
鳥は
鳥という記号に
耐えているわけではない
人は
人という記号に
耐え続け
そのため
もうながい ....
雨のあいまに
雪は三度、降る
微熱をはらむ毛布を払い
寝巻きのまま
もう一度目覚めたら
絶望に一歩近づくということ。
(雨にうたれる準備ならできている)
魚の欠片を口に運ぶ
....
あと何分で着くのか
うなじに尋ねる
水辺で死ぬ と
予告されたひと月前
の雲を抱えている
やさしい人たちが
みんな一斉に
難民になる島で
私は呑気に
ひたすら食器を洗った
....