そして一輪のガーベラが
窓から春を覗いている
巡り来る太陽が
ひとときの温もりをもたらし
今日の日の優しさが
時の水面に波紋を落とす
優れた季節が波間を漂い
あなたの踝を美し ....
犬は
わかりやすい
うれしいと
しっぽを振るから
猫は
わかりやすい
うれしいと
猫なで声で近づいてくるから
うちの女房も
わかりやすい
怒ると
口をきかなくなるから
カポタストの虜
そんなもんは
僕は捨てたよ
低いとこを捨てて
低いとこを捨てて
自由になったつもりになんか
なっちゃダメだ
カポタストの虜
君が見てる世界は
美しい奴らの
....
なんもないよ
ここにはない
目を凝らして見えるもの
耳を澄まして聞こえるもの
そんなものはない
なんもない
なんもないよ
どこにもない
僕はいない
誰もいない
無い無い無い。
曇りの日に海へ行った
空も海も灰色なのに
仲介者の努力も虚しく
いまだに和解は成立しない
その国境線は水平で
欠けた世界の端から端までを
頑なに切り分けようとしている
曖昧だが根深いライ ....
まだ寒いと思っていたのに
庭先の梅の花が
咲き始めた
春はいつのまにか
そこまで来ていたんだ!
身近にあるものほど
気づきにくい
気づいた時には
もう遅い
修復できないところまで
....
ひとかたまりのきょうが
三和土でふるえている
ドアは開いてるというのに
もしかして、きのうも
ふきだまりみたいなこの部屋の
どこかに
きえかけながらいるのかな
きのうも、あし ....
弦の張りの上を歩いていた
打楽器の膜の上でトランポリンをするかのように
耳に住んでいた心が旅から戻ってきた
弦の張りでビンタされたみたいに
目が醒めたよ
いつでも
裏切らないね 音楽っ ....
登って登って
それから 登っても 下っても
たどり着いても
池はない
水はまたもや飲めなかった
1年間飲まずで
がんばったのに
何もなかった
何もなかった
穴掘り
穴掘り ....
「ママ、今日どなたか来ました?」
「え、午後にタエコさんがいらして、少しお話してお帰りになしましたよ。」
「ああ、あのタエコさんですか、たしか旦那さんが出版社にお勤めになられている。」
....
はじめましてのズッキーニです
どこまで理想でどこまで現実で
どこまで成してどこまで課題か
線引きできたら線の上に立って
綱渡りよろしくバランス歩きで
何かしらの向こう側に存在する
高いのか ....
埃を被った地球儀に
息を真っ直ぐ吹き込むと
海が捲れて地面に落ちた
もう線香は消えたのに
祖父の口は真一文字のままで
煙だけが漂っていた
ユーゴが描かれた地球儀なんて
誰も使わな ....
今朝は冷たく澄んだ風と光のやわらかな壜の中
――長らく闇を枕にうつらうつら微睡んでいたのだが
凪いだ二月の日差しは眼裏を揺らめかせ熱を奪い
夢のへその緒を焼く 声を失くした叫びが黒点となる
....
靴擦れで出来たぶよぶよの水ぶくれ
そっとなぞって確かめる
君に伝えたい言葉なんてないよ
なんにも起こってなんていやしない
そもそも、いやしない
君なんて
冷たい音がする雨だから
....
誰もかも
好きで嫌いで
愛しくも憎くもある
それは普通で
そんな
からくり
今更
教わらなくても良くて
当たり前だからこそ
忘れてると
思っているから
今
ここで
みんな ....
舞い散る雪の冷たさが
身に沁みて凍えそうなのに
得をした気分になる
物珍しさがそのような感覚をもたらすのか
稀有な白さの仕業だろうか
それとも結晶に住まう妖精の成すことか
原因は特定できな ....
心の隙間に冷たい空気が流れ込んだのは
中が温かくて外が寒いからだっぺ
ごくごく当たり前の現象が
起きた訳さ
人間の心ってやつは
難しいようでそうでもなく
簡単なようで複雑だから
....
腰痛で動けなくなった私の顔面に跨り
余裕たっぷりの顔で放尿ぶちかます女神は
中条あやみさんみたいな感じの子でいてほしい
いや むしろなんかもう最近はあれですね
20代の子はだいぶみんなかわいく ....
平昌オリンピックを
平尾昌晃追悼オリンピックだと
信じて見ていたが
最後までカナダからの手紙が流れず
畑中葉子も出てこなかった今
特に思い返すこともない
ただひとつ
言いたいことがあ ....
丁度いい紐がなかったの
言い訳じみているけれど本当の事です
ふにゃふにゃの精神に健全な身体
突然の停止を夢想してみても
今日の心臓も元気ハツラツ
どの方法がベストでしょう?
スレッ ....
少しずつ冬が剥がれて春になる生暖かい空気が浸透
山々を見ながら心落ち着かせる先のことばかり考えないで
バスを待ち渋滞続き遅れ気味時間通りにならない都会
パンを焼き部屋に漂う良い香り子 ....
幼い頃 自転車で潜り抜けたのは
大きな世界
低い位置から見上げた大人達は
もっと偉大に思えた
今 こうして 眼下に広がる世界を 眺めるにつけ
登頂した 全ての山と 尾根の流れを ....
乾いた空気の冷たさ
石畳の歩き難さ
とおに忘れていた
二月は一番寒い時期だと
底冷えのする
身を屈めてしまうほど
風に吹き付けられ
行き交う人は
愛想がないのに
すれ違う人の ....
思い出すと 苦しいことがある
顔向けできないこともある
恥ずかしくてのたうちまわることがある
いたたまれない時もある
それでも どうか
過去の 背伸びを蔑まないで
明日の自分 ....
締め切りが二日ズレただけでも
対応しづらいし首も痛む
そんな2017年12月27日だった
なごみすぎたのが原因なのか
血が充満しすぎたのが原因なのか
分からないながらも
天も迂回して行く中 ....
ミルク色の波が打ち寄せる
甘い浜にね
真珠がコロロンコロロンと
いっぱい ころがっていてね
カリリカリリと 齧って飲み込むと
うんと 力いっぱい
泣けると ねむいの
みん ....
顔を背けながら
俺はお前を愛している
お前も俺を愛している
私は貴女を愛している
貴女も私を愛している
殺しあうように絡み合う双頭の蛇で、狂うように罪の果実の香に犯されているのを人々 ....
二月の
雨が こおっていく
あなたからの 一時間未満の
電話からの ことばからの
つめたさが こおっていく
ひとつも
かなしくない
ふるえ ....
ぼくたちの温度が
正しいのかどうか知らんし
きみの・ひとつを とりなよ
ホテル・ニューオオタニ
きみの・ふたつを とりなよ
ビーバップ・ハイスク ....
雪が降りそうな
優しい朝でした
風がよわいので
寒くはありません
あなたの手は
夢を撫でていて
もうすぐそれは
孵化しそうです
季節の眠る年輪が
わずかな光に向かってゆき
....
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