遥か彼方、青い幻
煌めけば
欠伸の最果てからそれは聞こえる

カタン、コトン、カタン、コトン

喧騒は刹那
追懐は日記をつけるかのように
瞑想は鋏
夜のしじまのキリトリ線をめがけて
 ....
異次元の慰めが
青みを忘れた虹の絵のように
私をすり抜け
漂う
残り香は

何かが腐っていることを事務的に知らせる。

――幸せになりましょう。

うるせえな

――あなたは愛 ....
古物が集積された
墓場のようなビルの前
フェンスにもたれて
剥げた手足を
褪せた顔を
晒しながら
途方に
暮れて
きみは空を斜めに
見つめている

いつか駅にいたきみ
もうなに ....
裏が表を憎み


表が裏を憎み


そして回り始めた


回る 回る


裏が表を亡ぼすために


表が裏を亡ぼすために


回る 回る


己 ....
文字をほとんど書かなくなった
反面
スマホで文字を打たない日はない

いったい何の為にそれをしているのか

実用性のない詩にのめり込んでいる自分がいる

詩にとりつかれている自分がいる ....
チョコレート一枚
割っただけで
体が熱くなる
こんな季節は

何も溶かす
もののない指先に

曇りガラスの
結露を集めて
誰かの代わりに
泣いてあげましょう

涙の降りる駅は ....
来なくてもいい。


なんども待ち侘びた声の残滓が

まじわる心のゆく先に咲く

いっぽんのありえない人生に追いついて

その熱さに目もそむけ

2度と見られなくなったと ....
きみの眼が 夕映えて
あかく 冷えていく
ぼくは
せつない気持を刈り取って束ねながら
近づいてくる 死の
穏やかさを
度々 おもう
あの日 バンコクの高架下で
僕は一人ぼっちで寂しくご飯を食べたのだった
薄暗い屋台の席で カオマンガイと
闇の中を行くバイクを 一人で 静かに眺めていた


今年のクリスマスの印象としては ....
"まぼろしのように"
粘性の夢はつやつやとして
汗の匂いがする、果実の匂いがする
いつか異国から届いた葉書の匂い
紙の海を泳ぐとき紙の月が空にある
異邦の歌声は艶やかに過 ....
水天宮前をあがって

ジャンクションのその先に

20万くらいのワンルームがあった

彼女が住んでいる

近くには成田まで55分のバスターミナル


明日の夢を見る

今では ....
牙を剥く
土竜を
撫でる、
のです

食べたい
檸檬を
舐める、
のです


みんな
午前5時には
無駄に生きてきた地球への情熱を
返す必要はない、
のです

 ....
今のご時世
あんなにハッキリと
「変な子供がそばに来たら嫌だ」
と言ってのけるおばちゃんはスゴい

惜しむらくは
おばちゃんは
自分の子供だって
いつ鉈を振り回して
おばちゃんの首を ....
青の名前を言いなさい
身体の中に滴り落ちる

かなしみの青かな
しあわせの青かな

どちらでも
同じようなものかな

そんな鳥を見かけませんでしたか
そんな空を見かけませんでしたか ....
朝露のかがやく
翠陰にいこう
ぼく

そよ風のかおる
草原にもゆる
あす

目にうつる
景色は


蒸発のない
刹那は
貴女の衣のような髪は 縹いろ
月に帰ろうと階段を深縹から
浅縹へとグラデーションを積んで
登ってゆく

私は宙を浮いて向き合っている

貴女の縹いろのひとみは見知らぬほしの者
 ....
俺が出した命を
俺の犬が食っている
尻尾を振りながら

そんな汚いものでも
お前は喜んでくれるのか

俺はもう一度
ひねり出した

フガフガと鼻の周りを
命だらけにして
嬉々と ....
ローソンに歩いていってコーヒーを飲むのが日課になっている。

「やっぱりローソンのコーヒーが淹れてもらえるからか、一番おいしいね。」

そうなんですかぁ?と言いながらボクには中学生にしか見えな ....
ラジオ少年だった

FMではなくてAMの……

さんまさんに自宅の電話番号を教えてもらったことがある

二度かけてみたら二回とも

ねてるかエッチしてるかひとりエッチをしてるのでご用の ....
おもう
おもわれる
おもいたい
おもわなければ
おもう、おもい
おもい。

どうしてもおもいどおりに
ならないとき
諦めて
しまう
そのまえに
もう
このおもい
伝わらるな ....
もうすぐ
トンネルだね。
息子がつぶやく
車内は空調がきいてあたたかい
帰路を走るフロントガラスに
ちらちらと落ちる雪

しろいね。
冬が深まるたび
吐く息が白くなる
 ....
ポストに投函した手紙が何処へ届くかは解らない
宛名と宛先を忘れた
差出人とその住所も忘れた

そんな封書の中身は便箋が数枚
便箋には文字を綴るのも忘れた

そんな手紙は迷子になって
い ....
開けた窓から雨の匂いが流れ込み
濡れていく遠い森のざわめき始めて
貴女の声は透明な水底に沈んでいく
クリスマスイブに降臨する
ピッカピカの大天使、

クリスマスイブに舞い落ちる
さらさらの粉雪、

言葉と
こころと
理想と
夢とを
傷つけられて

千切られる寸前まで ....
気疲れに夕焼けて
それが自分だと思い込んでる

椿事をどうにか撮ろうとするけど
カメラ買うために流した汗は忘れて

襟足揃えればリズムが出るけど
肌は剃刀で炎症をおこして

辞書の中 ....
背中にぜんまいがついている。それがすべてのヒトの動力源だから、必然とそれを回す力が必要になる。
果たしていつからそんな仕組みに変化したかは解らなくなっていて、それを追及する行為には死の罰則が待ってい ....
今日も影で作られた街は
ぐらぐら発声練習を兼ねて僕を殺す
冷たい道具をもってうろつく
警備員と挨拶をしながら

気味の悪い耳で
聞き続ける
気味の悪い音楽
とてつもなく大きな
ヘ ....
お酒を飲みながら、本を読みながら
こんなソファーがあったらいいねー
なんて思いながら

あなたを待ってる
安宿の食堂で
声をかけてきたのは
私たちを売った海賊だった

おっと警戒するなよ
もう足を洗ったんだ
そう笑って
手首から先がない右手を見せた

まあ利き手がなくても
美味 ....
空から見るあなたの町は
海の青と畑の茶色い区画だった

あんなに焦がれた都会を離れて今は
子どもたちとツリーを飾ってる

温かいシチューを振る舞って
電飾を灯す

みなが眠り ....
空丸さんのおすすめリスト(4907)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
那由多- 中原 那 ...自由詩518-12-26
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