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ときどき
胸がつまるような感覚に襲われ
苦心して 小さい毛玉を吐くのです
それから少し楽になって
ソファの 昨日と同じ場所に
まるくなります
窓の外が
この頃妙に明るいと思ったら ....
山育ちなので 傷は自分で嘗めて治した
月がしだいに瘦せ細り また少しずつ太るのを
薄目を開けて時々見ながら
朽ちた倒木の根元の洞に潜り込み
飲まず食わずで幾晩も

痛みは知りません 傷つい ....
   

分厚い雨雲の真ん中が綻び
底なしの穴の遥か遠く
水色の空が薄氷越しに透かし見えると
遠い夕焼けが破れ目の縁を
なぞるように湿らせる

逝く人の
輪郭を切り取るだけの硝子窓
 ....
14歳の頃 心から信じていた先生が言った
「今の君には無限の可能性がある」
「でも君がそのうちの1パーセントの可能性を選択した瞬間に、残りの99パーセントを失うことになるのだ」と
それは冷酷な  ....
もがいて水面から顔を出す
ように息をするかろうじて
ポジティブ思考
が大事です
足首に錘
つけられても
まだ笑えます
夢も見れます
今日一日を楽しみに
起き上がります
階段をおりて ....
毒があるんです そういって
その花は泣いた
拭っても洗い落としても 
緑の茎を伝う紫の雫
花びらの裏側に
にじみ出てくる薄暗い素性
どうしても許せないという
戸惑い 悩み
毒などない振 ....
イタドリ
への呼び掛け
イタドリ
からの応答

脳内に再現を試みる
すると現れる
囚われる
熟語
観念

繁茂
群生
侵攻
旺盛な生命力
厄介者

文字を消去して ....
あらかじめ赦された裏切りを
ゆるせなかったのは私

錠前を下ろされたドアの内側に
想いを閉じ込め


潜り抜けて
羽化する幼虫を
みんな潰し
化石するサナギのうたを
うたった
 ....
思い出の欠片も落ちてはいない
生まれて初めての南の島
君はそこで何を探したのだろう

たなびく細長い雲に薄くスライスされながら
溶岩のような輝きを溢れさせ沈んでいく
座間味の濃い夕陽
崖 ....
いつまでもこねこみたいにすばしこく
好奇心旺盛で
無鉄砲で無心で愛くるしくは
いられない


おとなの猫ならそれなりに
用心深く疑り深くまた思慮深くもなるのだ

物事には裏があり
 ....
雲に穿たれた節穴から
ちょうどこっちを覗いた太陽と目があった
日没まで15分

氷点下11度
重さのない雪の結晶を
ふわふわ被った針葉樹の列

灯油ストーブの炎を背に
揺り椅子に座り ....
茜色の雲から
茜色が抜けていくのを眺めていた
わずかの間に光を失い
灰色の雲に戻っていく

その色を目に焼き付けて
覚えておこうと思ったのに
ほんの少し
視線をそらせただけで
もう  ....
みたこともない  
みなみのくににむかって
いっせいに とびたつ とり

ないかもしれない
あした にむかって
ゆめを 放つ

たどりつけるのかどうか
じつはわからない
ふゆのむこ ....
その人は
一生の間に六匹の猫に出会うのだという
わたしが知っているのは
九回生まれ変わるという言い伝え

あなたに会いたくて
も一度生まれてきたんだろうか?

昔死んだしろちゃんに
 ....
好きなのは最後のポーズ
体の各部位に程よく負荷を与えた後の
弛緩がこの上なくここちよい
まるでブラックユーモアな
そのネーミングも心にしみて・・  

つまり到達目標とか
採点とか評価と ....
黒雲に覆われた空から
雷鳴降り注ぎ
驟雨の中を
啼き騒ぎながら飛ぶ鴉 
 
うららかに
影が伸び逝く
削られた肺の形に
木の葉が揺れる
今年だけの命が昔から
そして遠くまで
まる ....
運命のように
そこへ落ちた種だったのか
それとも意志だったのか

雨の晴れ間
煉瓦の隙間に芽吹いた健気な
目立たない草を抜く

弱い日差しの下
幼い命を選別する
神のごとく
悪の ....
笑顔を作る 
今日も笑顔を作ります
どんどんつくる
何があっても
とりあえず
笑顔を作る
悔しくたって
みじめだって
傷ついたって
イライラしたって
笑顔を作る
ものすごい嘘つき ....
去年は虫に苛まれ
今年は長雨に泣く

愛するものを持つことは
憂いを抱え込むということ

悩みは執着から生まれ
拘りはただ惑いを育む

そんな中にも時折煌めく
微かな喜びを拾い集め ....
あなたは目を閉じる
すると見えてくる
哀しみ

逃げるのではなく
拒むのでもない
内側にある哀しみと
向き合う

泣いている人が
本当に悲しいのかは
外側からはわからない
笑っ ....
僕たちは食べ物もお金もなく
日が暮れてから兄ちゃんと
母さんを迎えに
町はずれの工場まで
来たけれど

いくつも並んだ古い四角い建物はすでに人の気配すらなく
黒々とあいた窓はどれも底なし ....
幼稚園の頃
プレゼントは野に咲くお花がいいって
私が言ったから
兄ちゃんと二人で
どこかの空き地で摘んできた

ジシバリ アカツメクサ ははこぐさ ルピナス ひめじょおん
引っぱっ ....
私は罪など犯していない人のような顔して
この先の人生を生きていくために
長い間共犯者だったあなたを捨てた
捨てた後にも
秘密はあり続け
私と貴方はそれを共有しつづける

隠しているのでは ....
とても快く疲れているのでこのまま眠らせてください
このまま死んでしまうかもしれない
このまま死んでしまえたらいいのに
疲れに救われて

雨に撃たれ
陽射しに焼かれ
粉末になって風に融けだ ....
くしゃみが出そうなほど明るい日差し 
塀を飛び降り路駐の車の腹の下にでも
潜り込みたくなるような午後

どの家の狭い庭にも
クロッカスがガンガン咲いて
クリスマスローズの蕾が気取ってほころ ....
また春がきた
あたたかな陽光に
透ける新緑

新たに芽吹くものたちの息吹き

生まれかわることのない

私のまわりで
慣れるまでは息苦しかった
耳も痛かった
けれど
目の前の他者との間に
いい感じの距離感が
だんだん心地よくなって
バリケードの裏に立てこもっている感じ
言いたいことなんて
言わなくてい ....
なんだか空気がやわらかい・・と思ったら、
雨が降り出している
こんな夜更けに
私は詩を書こうとしてパソコンに向かっている
何も書けないならこのまま雨の子守歌聴きながら眠ろう
そうだ眠ってしま ....
小さな悪意に過敏に反応してしまう
私は小者 
小さな敵意にも過剰に身構えてしまう 
私は臆病者 

小さな無視とか無頓着とか
鈍感とか無意識、無関心をまき散らし、
他の誰かを傷だらけにし ....
また、書けない日々が続いている。書けないのではなく、書かないのだと、つぶやいてみる。つうか、詩なんて書いたことがないのかも、詩のようなものを書いては、詩かもしれないと、思い込んでいたかっただけかも。誰 ....
空丸さんのLucyさんおすすめリスト(48)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
薄明- Lucy自由詩1222-12-16
水脈- Lucy自由詩1422-3-1
終章- Lucy自由詩1421-11-22
空の扉- Lucy自由詩12*21-5-11
発信- Lucy自由詩11*20-11-25
毒のある花- Lucy自由詩9*20-7-11
イタドリ- Lucy自由詩8*20-4-21
予言- Lucy自由詩5+*19-11-15
南の島で君は- Lucy自由詩12*19-8-3
うつくしい猫- Lucy自由詩3*19-8-1
夕暮れまで- Lucy自由詩7*19-4-14
茜色の雲- Lucy自由詩12*18-11-28
球根- Lucy自由詩22*18-11-11
六番目の猫- Lucy自由詩22*18-9-27
シャバアーサナ- Lucy自由詩5*18-7-16
雨上がり- Lucy自由詩11*18-7-15
どこかから飛んできた- Lucy自由詩9*18-7-13
笑顔を作る- Lucy自由詩7*18-7-5
満開の花園にしつこい雨が降る- Lucy自由詩10*18-7-3
ジョルジュ・ルオー_「ピエロ」- Lucy自由詩9*18-6-23
ジョルジュ・ルオー_「郊外のキリスト」- Lucy自由詩9*18-6-20
母の日に- Lucy自由詩8*18-5-22
時の向こうに- Lucy自由詩6*18-5-21
アスファルトの上の蚯蚓の唄う- Lucy自由詩6*18-4-19
すすけたヨモギ猫のうたう- Lucy自由詩10*18-4-18
切り株の歌う- Lucy自由詩11*18-4-17
マスク- Lucy自由詩6*18-4-11
長い間、雨が降るのを待っていたのかと思えてくる- Lucy自由詩5*18-4-10
小さな悪意- Lucy自由詩12*18-4-7
誰一人としてその名で私を呼ぶことが永久にないとしても- Lucy自由詩11*18-3-20

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