プリズムが揺れている
大きな鳥は歌わない
蔦の絡まるアーチの隙間から
覗いた街はまだ灰色で
影は薄くなると逃げる
ラズベリーみたいに生きられたらと思う

砂丘みたいなお皿の上で
食パン ....
犯して来た罪は積み重なるが、いつか崩れて


落っこちた三日月が恥ずかしそうに、俯いて


よみがえれない希、どれだけ生真面目に願っても


暮らしのなかで ....
えし。こころがえし。いやなにおい。やめて。ぼくをうばわないで。ぼくのなまえを、かえしてください。ぼくのめだまをかえしてください。こわい、こわい、こわい。きっときみはうそつきだ。ほんとうのことをどうして .... 「愛とは、はかないものです、騎士様。あなたは見たところ、
 騎士のようですね。違いますか? 勇猛果敢な人物だと見受けますが……」
「ああ、その通りだ。わたしは騎士だ。この身の名は……
 いや、通 ....
熱気籠るこの夜に
雨が降る、静かに
世界を透明に染め
私の魂を奥底に沈め
五感の縛りを解いて

広がる大洋は
この世界の最中に在り
私の内底から溢れ出る

精神の響きは踊る直観が捉 ....
二〇二一年七月一日 「バリントン・J・ベイリーの短篇集『ゴッド・ガン』」


@rr0101kt そうですよね。先日、届いた『折りたたみ北京』が完璧なものだったため、よけいに、返品がふさわしいと ....
柔らかな機械
拘束されない想像力

サイバネティクスの夢は
四肢をもがれたバッタのように
プレイリストのなかに埋め込まれるのだろう

残酷な朝は天体を廻し
透明な朝をスルーしてゆ ....
小さな手、
小さな手を差し出して
二人、手を繋ぎ行く川沿いの道

あれはとても乾いた夏の日、
おまえは水が飲みたいと言った
おれは川の水を両手のひらに掬い
おまえの口許に持っていった
 ....
「通俗水滸伝豪傑百八人之壱人」に

「短冥次郎阮小吾」という

絵があるんだ ....
幼少期
病弱で風邪をよくひいた
愛情と食べ物にいつも飢えていた

少年期
正直者で学力ふつう体力ふつうだった

青年期
寂しい一匹狼で
いつも虚勢を張っていた
気が小さいといわれる ....
二〇二一年六月一日 「エイン博士の最後の飛行」


 ニーヴンは大好きなSF作家で、翻訳されたものは、すべて読んだけれど、いま、部屋の本棚に残っているのは、カヴァーが好みのものだけで、『ガラ ....
羊が鳴いている
嵐の吹き荒れる草原に
たった一匹だけで
メェメェ、と

あの羊は
はぐれた仲間の群れを
呼んでいるのか
ずっとメェメェと
鳴き続けているだけ

あの羊を
わたし ....
ひとを好きになって傷ついて
感傷を肌で美しく感じていた
そんな時間
映画音楽のようにドラマチックな

からだの外へ出た細胞たち
絶えて流れた
う化して剥げたわたしのベールは
ふ ....
女同士ですらついて行けまい

わかる~
わかる~
わか

ごめん、ちょっとわかんない

こういう具合だ

そんなんでやれるものならやってごらん
もちろんやれてないのだ
割を食 ....
4次元のぼくは観念をもたない
3次元のぼくは4次元の夢を見る

5次元はわからないが
ある物理学者は11次元の記述を述べる

僕たちの日常はやがて終わるのだが
n次元の級数と数学者の和は ....
二〇二一年五月一日 「不老不死プロジェクト」


 ようやく、ロバート・シルヴァーバーグの『不老不死プロジェクト』を読み終えた。さいごのどんでん返しは、予想もしていなかっただけに、新鮮な印象を持 ....
夏の空へと影送り
ぼくを見ていてね。
窮屈な世の中でもがきあがき生きる
孤独をさびしさと名付けたら
涙を流せる呪文になる
命を数える通学路
アリもミミズもカエルもタヌキも
ぼくと変わらず ....
ただいまの返事がないまま18年
お早うもおめでとうもスルーして

今日をやっと迎えるのだが
ぼくに何を語るものがあるだろうか

もう年金暮らしのひぐらしが
やっと返事をする
人間の営為 ....
ただいまの返事がないまま18年
お早うもおめでとうもスルーして

今日をやっと迎えるのだが
ぼくに何を語るものがあるだろうか

もう年金暮らしのひぐらしが
やっと返事をする
人間の営為 ....
二〇二一年四月一日 「時のいたみ」


 ロマンティック時間SF傑作選『時の娘』の5作目は、バート・k・ファイラーの「時のいたみ」10年の歳月をかけて時間旅行したのだが、それがあまり役に立たなか ....
幸福とは笑顔のことで
夏休みの子供にあって
土日の大人にないもの

幸福とは未来のことで
無計画にあって
心配にないもの

幸福とは夢中のことで
このセミにあって
わたしにないもの ....
あ・だむを、つくりました。
あ・かねで、ころしました。
あ・りすが、とりをやいてる。
あ・もんが、ひとをたべてる。
あと・むと、ばはなりました。
モササウルスに喰われた記憶なのか、
中生代にも自分という現象は何らかの、
身体をもってそれに賭したのだろうか…
二〇二一年三月一日 「生きていた火星人」


 ロバート・シルヴァーバーグの『生きていた火星人』を読み終わった。火星人が生きていたことがわかったところで、物語は終わる。主人公の10歳の少年と9歳 ....
正論で解決することがあったら教えてほしい
しばらくその安心感で眠れそうだから

未明の覚醒
待人はいつも自分

秒針のない時計がそれでも進んでいるように
積み重なった問いがあっけなく壊れ ....
あたかも 森が海を恋しがるかのように


 僕たちは
 いつかはそこにたどり着けるのか

 僕たちは
 いつかはどこかにたどり着いてしまうのか



 あたかも森が海を恋しがる ....
朝から蝸牛に じーじー
せみ時雨

けだるさに ぼーぼー
しょげかえる

 …一雨ほしいな

撫でてみようか
なつ時雨
父母が長くない
コロナだワクチンだこれだけ傷めたら

親戚も危うい
自粛下で葬式も辛い

そもなんでこんな騒いでんの?
ノーバディノゥズ
 隅々まで{ルビ悠=とおい}シャーレのわたつみを游ぐ眼球の記憶へ
  多分私たちは今よりもうすこし先を上手に歩くべきだったの

 伸びた爪も取れかかったパーマも色褪せた素肌もまた
   いまの ....
二〇二一年二月一日 「ルミナス」


『90年代SF傑作選』下巻の8作目は、グレッグ・イーガンの「ルミナス」数学の話で、なんのことについて書かれてあるのかはわからなかったが、小説を読む楽しみはあ ....
空丸さんのおすすめリスト(4907)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
キャリーバッグ- 妻咲邦香自由詩122-8-27
いつか、涙ぽろぽろ- 秋葉竹自由詩122-8-27
えしえしえし- 暗合自由詩222-8-27
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貴女- ひだかた ...自由詩622-8-26
詩の日めくり_二〇二一年七月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩13*22-8-22
ピーターラビットのうた- マークア ...自由詩1022-8-20
乾いた夏の日- ひだかた ...自由詩622-8-16
天野屋利兵衛は男でござる- TAT自由詩1*22-8-16
自画像- ホカチャ ...自由詩5*22-8-16
詩の日めくり_二〇二一年六月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩11*22-8-15
- 逢坂 冬 ...自由詩9*22-8-12
やわらかいかけら- 唐草フウ自由詩4*22-8-11
逃げよ、逃げよ- りゅうさ ...自由詩122-8-8
次元のうた- マークア ...自由詩322-8-8
詩の日めくり_二〇二一年五月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩11*22-8-8
空へ影送り_命へ祈り- かんな自由詩622-8-6
ただいまのうた- マークア ...自由詩522-8-5
駱駝のうた- マークア ...自由詩222-8-1
詩の日めくり_二〇二一年四月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩13*22-8-1
七月末の幸福論- TwoRivers自由詩6*22-7-31
報告- ナンモナ ...自由詩5*22-7-27
記憶- ナンモナ ...自由詩5*22-7-26
詩の日めくり_二〇二一年三月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩11*22-7-25
7月某日の備忘録(朝の幻想)- TwoRivers自由詩3*22-7-24
ゴル四題- AB(な ...自由詩222-7-22
けだるさ時雨- ナンモナ ...自由詩6*22-7-22
迷い道- りゅうさ ...自由詩322-7-20
空に溶くシアン- あらい自由詩122-7-19
詩の日めくり_二〇二一年二月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩14*22-7-18

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