好きでこの世界に産まれて落ちた
訳じゃない
俺を産んだ母親も
選んで産んだ訳じゃないんだからよ
いくらこの世界の居心地わるくて窮屈でもさ
今さら母ちゃんの腹には戻れないさ
本人とっ ....
今日の月は電気みたいにピカピカ
お月様ははね 宇宙なんだ
君が言うから見上げてみる
眩しいなあ
今日の月
光が丸におさまりきれないよ
そうかぁ
ピンホールカメラなんだ
....
イオンタウンはいつでも涼しい
冷えた野菜の匂い
乾いた人混みの匂い
駐車場には警備員さんが
汗流し車両整理に精を出している
まるで神さまみたい
むかし、ふたりで
買い物してた ....
今日の地球は輝雲の塊り
夥しい雲を集めては流し込み
遠去かっていく、巨大な星の地平線
)僕は今日という日に何を求めていただろう?
)今となってはすっかり忘れちまった
ただただ絶えず吹 ....
ぼくのてのひらには何ものこってはいない
かどわかした王女を高い塔の小部屋に幽閉している以外は
王女の手のひらには小ちゃな貝殻と等分の人生の重み
新宿2丁目で飲み潰れている僕はいつか夢の中 ....
思いつくと
手当たりしだいどこにでも書いてしまう癖がなおらなかった
ノートは勿論の事
教科書の余白
新聞の折り込みちらしの裏側の白紙
左の手のひらの上にも
さすがに紙幣には書けなかったけれ ....
まだまだ続くと
誰もが思っているだけで
夏は終わろうとしている
長いようで短い夏だと感じる
何をしようか悩むのがもったいない
夏だけは何故だろう
終わろうとする時
寂しさが押し寄 ....
人生の灰皿に手が届かない。
わたしって悪あがき、そうじゃない? 視界にはいつもブラインドがかかっている。
だから、いつもおかしな見方をしなければ、物が見えないね。
あなたってのんびり屋のおさぼり ....
かけっこの末に気まぐれに迷いこんだ迷宮。そこでキャンディーをかじりながら、
対角線の夢なんか見てた、それとこれとをつなぐための。
はっきり分かったの。空と海とに境目なんてないと。
ビルと人との間 ....
君が可愛いだけで僕の一日は終わる。
あっという間に、あっという間もなく。
ねぇ
あたしの事愛してる?
勿論
愛してるよ
本当に?
本当だったとしたら
どのくらい愛してくれてるの?
正真正銘
本当に決まってるよ
だけどどれ程ときかれてもな
....
串カツ屋の前で飲む
アイスコーヒーの苦さが
口腔内に不穏に広がっていき
遅れて串カツの濃厚なタレの
甘酸っぱい匂いが五臓六腑に染み渡っていく
そーす、そーす
そーす!そーす
大声 ....
いやいや、もう
くたびれたね
気がつけば、まあまあな年
そうなんだよね
ここで煙草吸ったよね
あのサイゼリア、なくなっちゃったね
お気に入りの窓際の席
強気な友達とも集まったし
あ ....
広島の駅前開発ただ進む立ち退き交渉時間かかった
様変わり昔の姿もう無くて新しい街違和感はない
次々とスマホは進化繰り返すマナーの悪い人増やしながら
年末の冷たい風と忙しさ落ち着きのな ....
雨滴は弾かれて、空へと帰る。
雨音を一つ一つ、数えている。
ああ、そんなこともしていたんだね……
(タンバリン? そう、それとも?)
都市の空隙を埋める、──
人工のノイズ。
....
梅雨が割れて、──あの灰色のあたり、あそこから落ちてくるのだろう。靄った街のあいだに。そこここに光、それは人の気配であるのだけれど、私を通過していく。私は薄い闇だけを見ている。グレーの綿。あれが灰色 ....
落下するのです。あれは私たちとは別の世界。
誰かが言ったわ。
「生きるためには仕方がないから。
死にたくないのであれば、相手に悪いなどと思う必要はない」
……そうなのかしら、
とその言葉を ....
宇宙が生まれてからあっという間の
この夏
待っていた風がようやく
畳を撫でた
りーん
ちりーん
光の速さでピントを合わせる
この夏
皺だらけになった母の喉元が
麦 ....
風が頬を撫でていく
あなたが触れてくれるように
止まらない時の流れ
止められない環境の中で
愛を育てている
出逢った日を忘れない
風が穏やかに吹く日だった
出逢いはいつも突然 ....
驟雨が街を過ぎ
それから爽やかな風
陽の光が差し
窓の外から深く青い空
この大地で
たくさんの戦いがあって
たくさんの人が消えた
ああ 思い出したくても
決して思い出せない
....
さよなら ´
入り口も出口もなく 近さも遠さもない声の内にあなたの裸体は張りついている
通り雨のような服のなかをあなたは歩いて帰り 、わたしは通り雨のような服の袖口であなたを見失う
....
初代ネットナビゲーターの某氏が亡くなったらしい。
高校野球・第三試合が終わった後のNHKニュースで知った。
投資家で大学教授・・・著書のタイトルは平成生まれウケを狙ってか、
「僕は君たちに武 ....
遺影などに目がとどまると、
この世の者ならぬ者となられた者の、
超自然的な力にすがりつければ、
などと虫のイイ妄想をつい抱いたりしてしまう、
事がしばし多くなってしまった気もする。
自己不安 ....
陽の光を遮る木々
無数の蝉の声は一つとなる
清涼かつ陰鬱な渓谷
私は一本道で迷子となる
ギンヤンマは乾くことを知らぬ土で戯れ
鴨は湧水足らぬ川で泳ぐことを諦める
涼しい風の中
....
どこから入ってくるのだろうか?
この優しさは
見つめる葉っぱと僕の違いなど
なかったんだ
生命は世界にひとつで
しかも数ではあらわせない
生と死が混ざる暖かい渦から
それは流れだ ....
日曜日、忘れないように。
天使の羽より軽いエアコンの風を
貰って来たのです。
さんまんきゅうせんはっぴゃくえん。
でした。
それでも、心は、冷えません。
憎しみばか ....
山頂まで車で行ける黄金山若いカップル夜景にはしゃぐ
黄金山桜の時期は美しい山頂囲むピンクの世界
高台の最高の場所にレストラン老若男女集める料理
山崩し団地となって人が住む二、三十年経 ....
闇の重みがぐんにゃりと
魂に激しく切迫し
私の意識は朦朧として
呻きながら覚醒する
真夜中の病棟にただ独り
呻きながら覚醒する
ハッと息を呑むこの瞬間、
孤独が生きて立ち上がり
....
わたしはわたしを
いちばんに思う人だから
いちばんにしか
思えない人だから
わたしはわたしが大切にするものを
失いたくないものを
全力でまもりたい
わたしは
時に正義を口にする ....
とうもろこしをもぎると、
骨が折れるような音がして
透明な血がじゅわっと溢れて手首を伝った
舐めとるのに夢中になっていると
入道雲が発達してきた
わたしにはまだ涙が残されている
流 ....
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