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月がようやく
煌めくような日々にこそ
誰しものひとつしかない夜空へ
静寂という名の平和を
本当に届けられるのか
アフォリズムを
唱えるみたいにして
時間が止まること
さえをも希望する
 ....
夜空でフラミンゴが歌いながら
右足を差し出すとき
月影は大地をそっと染めながら
ガラパゴスウミガメは
まるで天球を月が
動く速さでゆったり
未来へと歩みを確かめる

  *

夢の ....
水時計に溶けていた
血液の雫があって
時計の器の外には
一枚の翼が堕ちている
静かな痕跡がある
誰しもの夢のなかで
真夜中にも時間を報せる
いっぱいになった
聖なる水時計は
透明な水 ....
国家機密は
戦争を始める日をこっそりと
封鎖している
昭和憲法はアメリカの
占領政策のもとに創られた
平和憲法であって
日本はアメリカの植民地だと云う
国会議員がいる
国会で発言された ....
かき氷を
噛み締める音が
透き通る
氷の粒の結晶は
ちょうどひかりが
零れおちるみたいに
花火の黄昏にある音のように
ころんころんと
ふたりの記憶のなかでも
響いている

ずっと ....
時と場所が
選ばれながら
Cigaretteの煙が立ち昇る
日々はどんな天気でも
ずっと続いている
隔離された
都会の喧騒や
夜空の果てでさえ

微かな炎による煙は
あらゆる病気を ....
隣の病棟から切手のない
自分宛ての手紙が
一通だけ病室の枕元に
精神科医から届いている
ふくらんだ封筒には
誰が入れたのか
さくらんぼが
ひと房入れてあって
何とか父を救いたいと云う手 ....
彼女が弾く
クラシックピアノの旋律で
ジョン・レノンのImagineが
魔法のように何処からともなく
記憶として生まれて
再び消える

彩られるブーケを持って
一緒に写真を
撮ろうと ....
ふと想う
一生懸命な趣味とは
道楽などと云う
ものではないのだけれども
きっと最初は
お金を使ってしまうだろう

どんなジャンルでも
ワールドカップのような
競技があるように
世界 ....
激しい夕立は
突然やってきて
落雷で鉄道が遅れている
小さな駅舎で
雨宿りをしながら
駅の改札で恋人と
待ち合わせをしていて

豪雨は短いうちに
まるで屋根を
ひっくり返したように ....
真新しいパンプスを
履きながら歩く
晴れわたる春の路地裏
靴づれはひりひりとして
ドラッグストアに立ち寄る
店員へ傷跡に貼る
ばんそうこうを下さいと云う

    *

少し無愛想 ....
もう何度と
ぺんぎんたちは
繰り返したことだろう
やめると言っては
煙草を吸い続けてきた
昨日まで
もう二拾年間
ぐらいにもなるだろう

今朝ついに
ぺんぎんは決めた
禁煙をして ....
ほとんど同じ
服しか着ないのに
ストレスが溜まると
服の買物へとはしる
ぺんぎんがいる
広い海には百貨店があって
青空を飛べないぺんぎんは
翼を使って海を泳いでいく
飛べないことを
 ....
誰しもが
社会に暗闇がある
と云うけれども
誰しもが
灯火として
生きている
ずっと今を
低い雲がたなびく
雨空のなかで生まれたばかりの冬猫が
ふんわりと尻尾をまるめながら
きっとこの春のどこかで
ゆったりと昼寝をしているように
彼女はまだ目覚めない

もう夢のなかでは
序 ....
太平洋戦争のあと
海底に眠り続ける
たくさんの機雷と
ともに朽ち果てた
駆逐艦は大海のひとかけらとなって
ゆったりと深く沈んでいる
真夜中の月は
もはや永遠に
届かない光となっている
 ....
十字路を曲がる
手前の道で
お洒落な堕天使たちは
漆黒のハートマークを
隠している

小さな機械仕掛けの電話機を
白い手のひらで
握り締めていて
まるでレザーの
ロングブーツを
 ....
生き抜く命であるために
海外での独り旅に駄賃を
ポケットに包んで
二十歳で渡った地球儀の向こう
できれば
旅先で覚えた
スラングで話したいよ

病気を乗り越えて生きるために
隣人の苦 ....
素直に
想いを伝える
命の煌めきは
身体を紅く
染める耀きの
燃料になっていて

未来へと
想いを運ぶ
夜空を照らす
裸のままに
燃える僕らの炎
吹きすさぶ
嵐が接近する
真夜中に
灯火で照らすのは

きっと陸にある
港のような君と
海を航行する
船のような僕を
繋ぎ止める
綱の堅い結び目で
しかないのだろう

小さな ....
月下美人のつぼみは
僕から君へと宛てた
詩集の挿絵に
描かれていて
本当は籍を入れる時は
月蝕の夜になっていた
かもしれない

まるで仮眠でも
取るように
くれないに染まる月蝕は
 ....
夜を徹して
降りしきる雨
月曜日に朝を迎える
街で真先に開く
パン屋もすでに
忙しく

ラッシュアワーに
台風が直撃する
大きな白い傘を差しながら
駅へと向かう
運行規制で少し ....
暮れなずむ
誰かの小さな紅葉は
夕焼けに包まれて
橙の肌に
色差す風に
運ばれながら
恋の水面を揺らして

紅葉がはらりと
夜空に舞いながら
寂寞の湖を
くれないに染め
恋は彩 ....
そっと今も
地球に隠されている
新しい一日には

夜明けの太陽から
陽射しが煌めいて
鳥たちが
鳴き始める約束の朝
窓を開ける
君の微笑みに

旧来の知人から
感謝の手紙が届い ....
純白の雲から
いつか夏の終わり
銀色に耀く雨粒となって
熟れた小さな果実のように
堕ちていったBluesky
なくしていた蒼い傘が
見つかりました

遠く霞む
紅にたたずむ山脈の
 ....
やや乾いた
風がない
夜空のなかで
Schubertの楽譜から
不思議な音が響く
一瞬のあいだに
戦争写真家が撮影した
たった一枚の写真が伝える
真実みたいに
部屋中に澄みわたる
 ....
星がない夜空で
遠く昔に君が歩いたはずの
もう見えない足跡でさえも
まだアスファルトには
小さな熱としてこもっていて

切ない夏の夜に
孤独な月が隠れながら
白夜について
君のとても ....
真夏の彼方から
静かな夜空へと手前に延びる
扉を開けると
独り涙に濡れている君がいた

ぽろぽろ汗を流しながら
仕事から帰り着いたばかり
ずっと一緒に生きていこうと
伝えた僕は
花瓶 ....
寿退社する君へと
パッションフルーツを
プレゼントする昨日
月末に送別会があるようで
退社するときに演説する
練習をまたしている

揺りかごから
墓場までと云う言葉を
知っている?と ....
僕が使徒を引き連れて
詩を書き始めるきっかけは
十九歳の夏
或る女との
一方的な
失恋の果てにある

契約までかわすこと
になったのは
その歳の秋頃だろう
なぜか失意のうちに
幻 ....
泡沫恋歌さんのりゅうのあくびさんおすすめリスト(36)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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