すべてのおすすめ
雪を土の上に敷いていく その道を
スノーダンプに雪を積んで 水辺まで運ぶ
降り積もった雪の塊
昼の熱にとけて したたり落ち
夕暮れに 冷め 夜に凍り
朝には スコップもささらない
....
小枝の別れめに すごした雪が溶けかけている
のしかかられた小枝は いつも 問いはしない
さまよいながら 降り募る 重さにただしなり
折れたら落ちる 回る季節に巡りを てばなし
花芽を ひとつ連 ....
社員だけど 内職を頼まれるというのは前にもあった
普段は自宅にいて内職の方がする仕事が納期に間に合わず
日中の仕事を終えてから 仕事を家に持って帰り
家事をすませてから 内職をする しかし 内職 ....
駐車場にやっとたどりつき車を止める
前が見えないほどの雪が降る朝
ライトをつけての通勤
白い雪の中に ぼんやりと光が見える
そういえば昔に ライトを消し忘れて
車のバッテリーをあげた事が ....
雨に揺られながら かりんとうからオチテク甘さ
指から砂糖が見えるよで 舌にしかとどかない
障子紙を破って ストーブまでくるの
乾いてない防寒着を いつまでも着ている
持つ指は 離さないで甘みに ....
林檎の花は雪色 蕾は朝焼け
雪に枝を折られながら
木を裂かれても 根は雪を吸う
発芽し実になる芽の成る術を
同じく過ごし 来年の芽は待つ
芽が実になるのは二年越し
熟成は枝から始ま ....
忘れた頃に咲いた花が実になり
葉に埋もれて隠れるように林檎の姿になった
でも とても小さくて梅の実のよう
実をすぐりおえた枝の 摘まれなかった花芽
咲いたからには 結実せずにはいられない
発 ....
前髪 ギザギザにしました
くりっとした眼の美容師の女の子が言う
ん? という表情の私に
真直ぐだとおかしいので とニコニコ
つられて私も ニッ コリン
おばちゃんは知らなかった
だいたい真 ....
会社の帰りがけに車を左折させる
道から少し離れてある実家の林檎畑が見えてくる
減反した田んぼに育てた林檎の木
今はこの世にいないはずだが 父の幻がいる
畑が物陰になり見えなくなると
右側の田 ....
くずれた コンクリート
身でたどる 無
囲う羽に 野が歩む
キミドリ草 と 居留守メモ文字
続きの光 撫でて 振り返って
きれの裾 メモに はさまれて
何所へも行けない 行きたくな ....
壊れ 乞われて 雨水 休む
歩道に映る目 とんじぇだなあ
傘さし濡れずに 草 飛ぶ蛙
追ってたたずむ とんじぇだなあ
黒雲 ちぎる手 強い風 往く
片手 ぶらぶら とんじぇだなあ
....
死体って本当に動かないんだ
父さんの死体は 父さんと言っても動かず
とても不思議だった
死体だけども 父さんと変わらずに呼び
唇を水に浸した綿で拭いたり
保冷剤を取り替えるのを 成る程と ....
父の死後 葬式が終わった次の日から
働きに出た私を 奇異の目で見る人もいた
供養が足りないと 言う
しかし 私は働きにでて良かったと思う
泣いてもわめいてもどうにもならないのだ
日常を取 ....
父は修行中らしい
はじめての経験だから
父も大変なのだ
だから みんなで助けて
供養して下さいと
和尚様が言う
およばずながら
いちの子分 長女 私
そのに 長男 次男
そのつれ ....
光では消える
だから 灯りを
照らすという意志が欲しい
だから 灯りを
ともすという力が欲しい
だから 灯りを
暗いものが見えるだけでも
心の灯り
たきつけているのは ....
誰も ほどかなかった
包んでいる紙は しわができて
セロハンテープも 古くなり
リボンも 色をなくし
誰も ほどかれなかった
空にも風にも 雨にも土にも
できない事
今日 ....
育てていた蜜蜂が 熊に襲われた
蜜を狙って巣箱を壊し 女王蜂も食べられた という話
熊って 蜜だけじゃなく 蜂も食べるの?
食べるらしいよ それ以来 蜂が怖がって
外へ蜜をとりにいかなくて ....
ほとり 泉に 群れ 飛ぶ月の 彼方
行方 揺れる しぶき ふける 風に
釣り込まれる 草葉 影音 臥せ 夜
咲いて 咲いて 残す ひき むろ
小石に かせ 花に かせぬ 夢土
....
黄色の帽子をかぶった一年生が
朝の登校の集団に 交じっている
今時はピンクのランドセルもあり
小さな背中一杯に背負い込んでいて
初々しさに 車を運転しながら
自然と微笑み 見ようとしたが ....
とある宗教に誘われて断りました。
それで なんとなく宗教について考えています。
うちは 神棚と仏壇があり 毎朝 御水と御茶 ご飯などを
お供えして先祖を拝みます。実家も同じです。
嫁にきてから ....
黒い木陰に巣くう羽根音
砕いた殻墓 添うて鳴く
まみれた草にのけられた
くちばしこもり 膝の上
はばたき とどまり うちふり さえずる
影に塗る 黄緑 黒 音は チチチッ
うま ....
車に乗り込むと会社に向かう
いつもの出勤時刻
晴れた朝は 陽ざしがまぶしい
光を避けて 道路を走る
段々と 車列がのびていく
大きな車も小さな車も車間距離は同じ
列のスピードに合わせて ....
雛は鳴いて 朝露流れる 雲白く
つたのからまる古木 陽が射し
巣穴からのぞく 黄緑の小鳥
アイビーの葉陰をすりぬけ
近くの木にとまる
尾をうちふり チチチッ
おはよう ナギ
....
瞑ればおちる 喉元の声
ずく で 散り急いだ未明
知られる事は 色づいてからでいい
浮いた草がひろげる風の扉
顔を覗かせては
あわててもどる 七色の瞳
危険な冒険の途中なの
それ ....
町では桜も散り 山すその我が家までの
道沿いに見える畑には 林檎や梨の花が咲き
雪溶けの遅かったこの地にも 緑の季節が流れ始めた
除雪機で雪をとばし なんとか建てたビニールハウスでも
稲の ....
通う眼差しに灯せない夜はない
瞑り日 損なわれた約束は
名を変えて ほどけつづける
折り返しみつめた指の先も
ひとつひとよ のばして重ねる
掌のまま さしだしても
届かないものに でも ....
割れて つまづいた障子紙の陽射しに
つけられる風 ことり ごとり
削りこまれた細工 ひろがる窓の内
ビンの底のガラス 集めた昼の鼓膜
ホコリ マ ミレ
柱の影絵に 散らかっていく
....
スコップの目覚まし時計
雪が情熱で溶けるのは冬
つける薬を 欲しがるのは春
わびる氷 くびれ揺れる水のフレア
に 後ろ手で そくっと映し見る
白く なだけはなれなかった
夜 ....
ニュース画面に映る満開の桜
その下で 賑わう人々
東京は お花見なのに
防寒着を着て かわかした軍手を持つ
白い雪が降り続けるので 消しに行く
桜より 広く白い
積み上げられた雪の ....
仲直りの握手をしようと右手をだすと
喧嘩してないけどと 夫も手をのばす
二時間飲み放題に行って
飲めるだけ飲んで来て吐いて
なんにもならないじゃないかと大喧嘩
のはずだったが 記憶がないらし ....
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