旅は
どこまでもいつまでも
途中でした
いく先々で
四苦八苦が犇めいていました
喜怒哀楽も有りました
旅は途中でした
風光明媚は見当たらなくて
路上には
残酷や悲惨が転がって ....
ハチミツを垂らしたような首輪で
繋がっている空を眺めると
どこかで優しい声が聞こえる
月の砂漠に迷い込んでいた
あれが好きとかこれが嫌いとか
輪っかを投げるうちに出会ったから
正面を向 ....
自転車をこいで
急に
思い立って夜の
街中の観覧車を観に行こうと思った
眠れなくても微笑んで
夜の遊びでも
するかな
街も
眠らないのなら
コンビニは
24時間 ....
この白いワンルームに横たわりながら
夕べの巨大な富士の威容、像を結び
深まる夜陰に、暫し暫し
わたしは帰っていく
雪降る宇宙の孤独へ
安らぐ貴女の子宮へ
心の奥処のフルサトへ
寄 ....
羽も 曇のかけらも息苦しく
空の喉から吐き出されている
水平線に生い茂る咳
白く白く渦まく風
動かぬ曇の歯車が
動かぬままに重なりつづけ
やがて月に照らされながら
....
木漏れ日がゆらゆらと揺れて
子供達の飛び跳ねる声が木霊して
聖歌隊が通り過ぎる
微睡みの午後三時、
萎び俯く花々は
遥か地平から流れ来る
真っ白な鰯雲の群れたちに
ゆっくりと包み ....
マカロニと申します
ペパロニではなくて
マカロニと申します
身を捩れば無限大の
シンボルにも見えて
メビウス感が増して
深淵な雰囲気だって
醸すことができます
だけど日常は日常 ....
占い師がことわざを並べる
不安と喜びを並べる
砂漠に足を取られ
森の落ち葉を踏み
気が付くと稲荷神社
夢を見ていた
忙しく孤独な夢を
すすきの穂に誘われ
欠伸のその先に
狐が跳ね ....
一条の線となって差し込む光、
意識を遥かな過去へと運び
わたしは光の渦のなか
次第に何処にも居なくなる
郷愁と憧憬だけが木霊して
今日は寒いね
手をつなぐ口実
でも嘘じゃない
風は冷たく吹きつけるから
寒いのは本当
でも手をつなぐ為の口実でもある
誰よりも傍に居られるのなら
日常のどんな事だって口実になる
....
いつか何処かで
人は誰でもその身体を無惨に千切られて
灰にされて
風に飛ばされる
そんな
ご不幸を
御愁傷さまですと
何度も見送ってきた
けれど
いつかはきっと
御愁傷さま ....
その呪いの
暗い
ほんとうをしっている
赤い血のゆめを吸い込んだ少女
街をさまよう顔のない亡霊
聴こえない声が
君の名をよぶ気がする
しろくつめたいガードレールは
....
荒れ狂っている
闇が光のなか
光が闇のなか
灼熱の上昇
灼熱の下降
闇が光のなか
光が闇のなか
荒れ狂っている
燃え盛る壊ノ力、受け容れ飛び込む己、
せめぎ合い切り刻まれては結合 ....
木立の間にはkたちがいて、
秋の陽のいっぽんの光線を見つめている。
アクビばかりしているけれど、
朝焼けだか、夕焼けだか、
それがわからない。
光線の中にはオレンジ色の微粒子が、
血球 ....
哀しみが蓋を
閉じて転がる
苦い言葉を
胸に張りつけて
風は吹かない
光は裂けてく
汚れたTシャツが
邪魔だと怒鳴る
ここは真っ暗な
洗濯機の中
乱れた心が
....
この星にある夜の余白へ静かな星を書き足してった
気付いたときには気付いてたんだ無意識的に意識していた
生き物たちが暮らしてるからこの世界には声があるんだ
つま先で立つと地面が揺れて
あらゆる命が追い越してゆく
足音や虫の音が触れる場所で
上を向いたら広い空の端に
糸口があって傷を縫えるまで
花が咲いてると訊いてみたくなる
お願いだか ....
新しい季節を連れて来た風
明日は何処(いずこ)へ吹いてゆくのか
透明な唄が聴こえる
果てしのない遠くから
あれは知ってる唄
懐かしい声で歌ってる
新 ....
街は、君のことが好き。
しんけんに、
みあげればみえる
幾百億、幾千億の銀河系の
白いカタツムリ状の渦巻きたち
星雲と名乗る用意があるものたちです。
街の灯がなんだか深く
ア ....
きみといる羽毛布団のふかふかは天国よりもきっとふかふか
ゆうらりゆらら
舟はゆく
生死の境をさ迷いながら
白波立てて
舟はゆく
ゆうらりゆらら
舟はゆく
無限の時に慄きなから
さざ波立てて
舟はゆく
ゆうらりゆらら
舟はゆく
....
際立つ一本の水銀柱が立ち
僕は眠りから目覚めた
曳航されていく純白のヨット
青い青い水平線
ここは何処だろう?
肝心の居場所がやはり見つからない
瞬きの瞬間に名前覚え
会うたびに癖を覚え
好きになった時の
あの心地よさと興奮は消えず
どうして忘れられようか
一度でも本気で愛したら
言葉の一文字さえ捕まえたい
嫌いになる ....
赤いキャンドルが
半分溶けて流れて
涙のように固まって
固まったまま泣いている
焦げた芯が
あの晩のまま
時間を止めている
二人で灯して
二人で息を吹いた
赤いキャンドルが
....
星が私を見ている
なぐさめてくれる
今日の終わりの中で
空耳のように
幾度と無く
宇宙から星の囁きが
降ってくる
宇宙が悲しみの
ため息を集めて
遠ざかってゆく
深 ....
つかれはて
このままいきてゆくほどの
希望もないからしにたくて
しぬのもこわくていきている
だけ。
おれのすむ
このまちじゃ
しびとがへいきではいかいしてるぜ
おれ ....
早朝に薄くかかった霧に町は静止しているようだ。ビニールハウスは無防備に丸みのある腹を見せて草木もわずかに頭を下げて眠っている。
狭霧の中を電車だけが走っていく。
この外に動くものなどない ....
負けちゃった
あの人はいつも
自分でいられる
何を言っても
誰を選んでも
どうしたらいい
比べるたびに
笑顔が減っていく
何を忘れても
誰を憎んでも
今日は許して
....
喚き散らすか痴情の縺れ 外でやらかす若さかな
奏でる風のグリッサンドに 音符くるくる降ってくる
風にカサコソ枯草語る 自慢じゃないが子沢山
箱を開ければびっしり絵本 親子 ....
人差し指の指紋、混み合う等圧線、嵐の予感。
絶対に押しちゃいけないスイッチ、押してしまえ。
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