世界中の笑顔の全てが、威嚇を起源にしているとは感じられない。
あの子のけらけら笑う姿に、敵がいるとは思えない。
すすきが夜になっても
合唱するのは
自分たちのためだから
発見されるのを
望んでいるわけではない
風吹けば歌う
歌うのは風まかせ
「人間はいいね」
「人間はいいよ」
すすきは歌う
....
君が笑ってるなら
偽物でいいかと思う
君も偽物だったならばと
あお あお
と子供のように泣いた
その涙も偽物だから
まだよかった
僕のことばが偽物だという
のなら ....
夢中になれる何か一つ、見つかるといいね。
どん兵衛にお湯を注いだことも忘れる程のね。
止めないで歌い終わるまで
ネジがすべて逆回転するまで
ほんの少しだけだから
ズボンの人には負けると思った
スカートの裾を広げてみても
立ち位置を示すパラソルの上で
夢を転がす時間を閉じるの
下手クソだったラケットの扱い
これが人なら表しか見ない
悪い癖を抱 ....
夕雀夕鴉たちもいなくなりわたしの心のように暮れてく
空白の家があった
住人は凍えながら眠り起き
生活をしていた
彼らはそこにいなかったが
いないことが
いることを確かにする
そういう類のものだった
浮浪者が
毎晩
空白の家でコー ....
その膜を破ると
きらきらとこぼれ落ちる
母の痛みがうつくしかった。
ぎゅっと身体を縮める
握りしめられないものを握りしめ
抱きしめられないものを抱きしめる
ささやかな抵抗を繰り返し ....
狂った魚は
おひれはふり
宙に浮かんで
貴女を捜す
浮かぶ女は
何処に此処で
水面を割って
天へと沈む
透明宇宙と地球の真ん中
独 ....
背広を脱いだ父の背中は思いのほか小さく薄かった。
広大な海ではなく、本当は庭先の水溜まりほどだった。
足踏みをしてた昨日の空を
吊り上げた指が時間を解く
小さな結び目の数だけ休み
穴のような満月に落ちると
心に通す糸を増やしたり
交わるたびに染まっていくけれど
寂しさを繋げて鈴にす ....
月並みなシチリアーノ聴きながら
お月さまのことを想う
名前の無い夜想曲聴きながら
見ること叶わぬ星に願いを
真昼の薄氷に溶け込む今日も
静かに通り抜けて往く
都 ....
朝焼けのそのムコウより
夕日の果てまで行ってみたいな
最後の煌き(きらめき)帰って行くまで
見送っていてあげたいな
追いつくことが出来るなら
夕日について行っ ....
――あの娘(こ)本当は知っていた
自分が何処の子どもかを
知っていてそれで知らぬ振りして
今日まで精一杯誤魔化して
他人も自分も誤魔化して
そうしてお芝居続けていた
....
ひっくり返した中華鍋の底に毛が三本
渋滞ならほどけるまで待つそれが男の心意気さ
貼り付いたのは縞馬/海面の緑
うちあげられているタグの思い出
焦げ付いた模様をチラつかせ
おまえは自慢のヨ ....
お金がいちばんよ
手っ取り早くハッピーな気分にさせてくれるもの
食べたい物食べられるし
流行りの洋服とっかえひっかえできるし
素敵なオウチにも住めるんだから
他に眼に見える幸せってあ ....
秋の匂いがする
貴女に言った
私、季節そのもの天空大気が
それぞれの匂いを放つと思ってて
そうしたら貴女、怪訝な顔して
これ金木犀の匂いだよ、って
通りの家の庭先まで連れてって ....
音もなく
果実が枝から落ちた
アスファルトに広がる無残なそれらは
太陽のように輝いていた
あの果実とは思えない
これは大事件だ
心の中で大声を上げて
誰かを呼んでみた
寄ってくるの ....
)もう紅葉も終わりだね
)そうね、後は散っていくだけ
樹間を鳥が飛び交い
灰白色の空が覗くとき、
貴女は足下の落ち葉を一枚拾い
ゆっくり宙に投げ入れる
まるで冬の初めの儀式のように ....
僕の走馬灯をポニーテールの君は駆けるだろう。
その美しいしっぽを揺らし、君は駆け抜けるだろう。
春の吐息は明るくて迷う
風が散らした花びらの上に
座る場所もなく青い空を立て
ベンチにするなら絵を描きたい
眩しい景色に負けているのは
心を脱いでも走らないことを
覚えてしまった大 ....
今日の街凪 しんしんと凪
街人戸惑う しんしんと凪
小声でそっと 取り繕っても
街人の惑い 隠せないね
街凪は 何を告げたいのか
真空に突然 出来た抜け道
街人 ....
夢の底で逢うような
貴女を真っ直ぐ見つめていたら
宇宙の巨大な静かさが
深夜の小部屋に充ちていた
)貴女は私の手を握り
)私は貴女の手を握り
)二人ちょこんと夜底に座る
夢の底で ....
黄色いクラゲ
夜空に飛んで
ひとつ
ふたつ
月の真似して
みっつ
よっつ
しぼんだ心に
手あてしてくれる
綿菓子屋が月夜に開く
小枝に星を吊るして並べ
ザラメ雪を運ぶ妖精
白い綿菓子がゆっくりと
そしてだんだん速く
一本の命で絡め取られていく
甘いけれど溶けるのも早い
雪の森の綿菓子屋に ....
別れの落ち葉を噛んだ秋は遠く
森に落ちる琴の調べは
雪の精の水紋にも似た鼓動
遠く離れた大好きな人は
同じ空の違う色を見てる
雪の船の航路を見てる
雲のすき間にある港で
乗り ....
3日前に言った「しあさってはクリスマスのひと月まえ」って、
あれ、おかしかったよねー。
あッ!
って、おもったでしょ?
私は、たった今、おもった。
あッ、今日、ひと月 ....
雨水の溜まったバケツに
虫がいた
夏の暑い日だったから
乾いていたのだろう
草で突っついたり
波を立たせて
私は遊んだ
次の日
虫は死んでいた
バケツの中で
私が遊ばず
外 ....
恋人が急によそよそしくなる
友人の目がすぐ伏せてしまう
上司が理由もなく怒り始める
百貨店にいくと本日臨時休業
昼食の店はぴったりいっぱい
生憎その巻だけ切れてまして
チラシ配りが僕だけく ....
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