揺れる陽炎に 渇水し干からびたミミズの死体は
祈るように折れて アスファルトの道なりに続いている

あと数メートル先に 花咲き誇る 土の庭があるというのに
透き通る炎の中で 養分さえ焼き尽くさ ....
もう、かれこれ二時間ばかり
ゴカイの長い横っ腹に
食らいついてはいるが
どうしても
飲み込めないでいる

隣の奴は
ゴカイの頭の方に回り込み
うどんでも食うように
つるつると
器用 ....
蝉が時雨れている8月の
呼吸がぴたりと止まる時がある
子供達は公園でぶら下がっていて
突然の静寂にゆれている

初めてついた嘘はどこへやったかと
懐かしい引き出しをひっくり返すと
初めて ....
「俺って結構まじめなんだよ」
っていう男は多い
ほんとに多い
いったい何が言いたいのか
さっぱりわからない
心の中では
「へえー」と答えてるけど
別に言わない
繁華街のホテルを出た
 ....
ひょいひょいひょいひょい
ひょいひょいひょい

ひがないちにちおどってる

ひょいひょいひょいひょい
ひょいひょいひょい

おおきなみぎてでおどってる

自分律をおどってる
手が
想いを伝える

静寂のなか向かい合い 私たちは話したね
ときどき喧嘩もしたけど楽しかったね
でももう貴方はいないもうこの世界のどこにも いない ....
子どもの頃
毎日なんか 食べられなかった
母さんと おつかいに行って
ときどき買ってもらって
店先のベンチで食べた
さほど高くもない
小さなカップのアイス

嬉しいのは
冷た ....
このままどこかに行ってしまおうか

帰りの車中でそんなことを言っていた二人は
どこにも行けないことは知っていたけれど
その言葉だけで十分満足だった

今、僕らは三人になって車も一回 ....
おれたちは
おれたちだけで
この海の流れをつくる。
呼吸だけで
すべてのデトライタスを
浄化し
この干潟に
硫化水素はつくらせない。

だれの世話にもならない。
たましいに といかける
ほんのちょこっとした ぎもんを けずってみる
けずりきる ようすなんて みじんもない
いちばん このからだに かんじて
いちばん わかりやすい はずなのに
すこし ....
−1.青の頃−

沢山の顔
溢れんばかりの
闇 病み ヤミ
黒に支配され始めた僕は
やがてくる悩みにうたれた
終末のような薬の数は
僕を支配することなく
机の上に転がるばかり

 ....
夜の風に当たりたくて

外に出た

まるい月が綺麗だぜ

まるい月をみていると思い出す

どこか寂しい眼

なつかしい声

遠ざかる背中

あなたは俺にとって

あのま ....
おーい
と呼ぶ声に
波線を見ています
空の上
海の下
その間の曖昧な辺りで


いつだったか春の衣装だった頃
それでは暑すぎると文句を言った頃
山沿いの海沿いのラジオも響かない場所 ....
どこから なみうちぎわに きたのか
あなたに てを ひかれてきたような

みぎてに ほんのり のこった じわっとしたかんじ
しろいあわにくるんで ひいて
ずっとちへいせんの むこうま ....
夜半から降り出した雨は

追いつけなかった枕を飲み込み

昨日までの湿度は

情に包まれた朝に変わる



取り付いた島には

虫たちの生活は無く

子供たちが響きあいなが ....
華を咲かせた
スケレトネマが
珪素の骨を
みごとに咲かせた
小さい自分を笑い飛ばしたくて
いつもの場所 いつもの格好
首をガクリと落とした
そう いつもの暗澹な自分の出来上がり

そうしたら お前さんが見えたんだ
いつもの場所 いつもの格好
首を ....
足音 は
ほっておくとどんどん先に進んで
呼び止められると不満を洩らす
体 は
手足を動かすことに夢中で
なにを訊かれても聞こえないふりをする
心臓 は
なにかあるたびペースを乱して
 ....
境内の裏に入ると
空間を埋め尽くす
しなやかな竹林の足元を縫うように
白い石畳の道を辿る

少女は
ひしめきあう竹の頂を仰ぎ
さやぐ笹の葉の隙間の青をみつめ
木漏れ日を浴びる{ルビ女 ....
  
  

  夏雲のひろがる街よ燃えあがる道路に赤き百日紅の散る

  黙々と入道雲の空にたちのうぜんかずらの橙さえる

  ここからは道の跡絶えて砂の海絶望までの足跡長し

  ....
  
  

  ぼくは産道から生まれてきたことが
  いやだった 仏陀のように
  キリストのようにぼくは人と違って
  生まれてきたかった あまりにも
  人間が生々しすぎて 羊水だ ....
残業もそこそこに
今夜もいそいそと帰ってきた
玄関のすぐ脇の部屋で
かつて母だった生き物が
また呻いている


父の三回忌を済ませた頃から
母は溶け始めた
ビデオテープのように過去を ....
からみつくモップと
モップにまとわりつく繊維
群れの腕力
めぐる螺旋 もさり
ロッカーに寄りかかる背中を起こし

居残りモップの羅列
一列に廊下で ふさり 足を投げだして
月の孤独から ....
もうこれいじょう
なーんにもかんがえたくなかった
ところかまわず
からだをなげだして
やーめたっ
なげやりなこえでせんげんして
あとはどこかのだれかが
つづきをするなりちょきんときる ....
すがたがすがたを
かたちがかたちを追いかける
線だけがゆうるりと
異なる時間に重なってゆく



光と無音がつくるまなざし
視線の端で 笑みの隅で
あなたはあなたを ....
最初から
おじいさんや
おばあさんが
いたわけではないのです
ただ風ばかりが吹く
何もない夕暮れのようなところから
むかし、むかし
と物語はいつも始まるのでした
やがてお話が終わる ....
じゃんけん、
負けたからぼくが去ればいいの?
きみは勝ったのにどこかにいっちゃった
そういうのって、
最初に決めとけばよかったんだ
たぶん
ケンケンパーだったら
もっとちがったのかもしれ ....
ひろがる ながれつづける みらいのいなほ
はしりゆく かぜにここちよく ゆれる

すうぅっと みちはつづく いっぽんみち
わたしは だいたんにも
とてもせいじょうな きもちになって
 ....
プラムがとけてゆく
手のひら

手首に甘露
肘まで蛇行
頬をくすぐる
芳香する湿気の下流

踏み潰しても
てのひらに残る
両手を頭の上であわせて
踊る方のリズム

おい、しゃ ....
突然
写メールを送りつけてきて
おれの誕生祝いに
夫婦ふたりで
温泉に行くのだという。

ちょっと待てよと
息子としては思う。

おれの祝いなのに
なんで
昭和元年と
大正十四 ....
ひよりさんのおすすめリスト(3012)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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ノート(残像)- 木立 悟未詩・独白5*04-7-30
童話(物語)- たもつ自由詩22*04-7-30
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生爪を剥いだ日- 草野大悟自由詩9*04-7-29

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