吐息に曇る夜の硝子に
時計の文字盤は
逆行をみせて
捨てた指輪の光沢の
おぼろな記憶さながらに
銀河の揺らめく
午前零時


涸れてしまう代わりに涙は
こぼれる理由を失ってしま ....
空のいろには 届くはずもなく
だからこそ
仕方のないほどに
空のいろを 
瞳に宿しながら
きりんは ゆっくり緑を{ルビ咀嚼=そしゃく}している

その
長い長い首の得る高さは
 ....
雨の降る日は
ゆっくり
うたたねするのが
いいね

そうだね
うたたねだね

あのね

うん・・・?

さっきね
あーちゃんが来たよ

ほう

来たよ
お花持って
 ....
 君に我儘を言いました。
一緒にいて、と、言いたくなりました。
だけど、言えません。
好きだからです。

あの、フカフカとユラユラと天の川を流れる、
あたしの心は、君、と思う事はやめようと ....
駅前の商店街で産まれ育った
近くには八幡神社があって
お祭りの時には店の前の広い道路は
歩行者天国になった
ふだん車の往来が激しい道路を歩くと
何だかくすぐったい気持ちになって
誰 ....
立ち位置を、探している。
いつまでも見つからない、
足の踏み場を。 

もしくは、
消えてしまった君の幻を
抱きしめる、
世界の中心を。 

人波の川が流れゆく
この街の中で、 
 ....
薄く陽光がさしている
植物園では植物がよく育っている
今日は花が少ない、と言って
きみはラッパズイセンを植えている
母親に手を引かれた女の子が
しきりに言葉のようなもので何か話している
話 ....
父は歩き続けた
角を曲がったところで左腕を失い
コンビニの前で右腕を失い
市営住宅の駐車場で両足を失った
やがてすべてを失い
最後は昨年まで歯科医院があった空地で
一輪の花になった
 ....
初夏の陽射しは 便りを運ぶ

宛名も消印も
差出人も
見当たらないけれど
懐かしさという
こころもとない手触りに
わたしは ゆっくり目を閉じて
紫陽花のさざなみに
いだかれる
 ....
笑っていれば良かった
好きなものに
好きなだけ名前を書いて良かった
右手に持てないものは
左手に持って
それでも持てなければ
空に放して
それから、かえる
透きとおった卵の日のこと ....
君の歌
聞きたかったのに
おいしいお酒も
もっともっと
一緒に

もうすぐ
夏が来る
青い青い空
見上げるしか

君の歌は
どこ?
たくさん たくさん歩いて
もう一歩も歩け ....
矢継ぎ早に
新月は降り注ぎ
縫い針がまたひとつ
遠雷に濡れている


吟醸の名を濁さぬ盆は
薬指だけの浸りに あかるい焔を映し
無言の岸辺を満たすのは
衣擦れの波
鈴なりの
 ....
少年少女たちが つどって
いっせいに 深呼吸をする 
青空に 結節性陰影もなく
きよらかで わたしには
死ぬほどの 毒である
いたいとき くやしいとき
かなしいときの なみだを
のこらず 如雨露にうけて
ともだちの 庭という庭で
しあわせの 花を育てます
  
 
●関連作品
ガーデニングの話→ http:/ ....
晴れわたっていた
ページをめくるたびに
空はその青みをまして
澄んだ悲しみのように
雲ひとつ見つからない
その向こう側から
誰かが僕の名を呼んでいる
今朝旅立つことは
すでに決めていた ....
私とあなたの間には 
いつも一枚の窓があり 
互いは違う顔でありながら 
窓には不思議と似た人の顔が映る 

私とあなたの間には 
いつも一輪の花の幻があり  * 
互いの間にみつめると ....
日々の営み
食べかけのマンゴー
砂のようにどこまでも
ずれていく少年
手段を知っている僕たちは
まだ本当の悲しみを知らない
日々の営み
食べかけのマンゴー
それが癖であるかのように微笑 ....
一枚のざぶとんに
君と背中あわせで座っていると
温かさがここまで伝わってくる
つまりそれは
君のここに
僕の冷たさが伝わっている
ということなのだろう
二人の真ん中くらいに夕日は落ち ....
 打ち切られる命の値段は、いくらなんだろう。

 「リハビリテーション打ち切り問題に対する反対ネット署名」
      http://www.craseed.net/
 

 僕らは、 ....
かつて見送られるもののために
窓はあった
そしていま窓は
残されたもののためにある
窓を開け放ち
潮の匂いのする風を迎え入れる
誰かが忘れていった
化石の海が
ひとつ置かれている

 ....
モリアオガエルは
森のカエル。
木に登って
暮らしてる。

遠くを見つめて
風を食べてみたり

僕と出会っても
何も考えてないような顔をして
きょとんとそのまま
そこにいる
 ....
僕達はお腹の中にいる頃から何度も
ボブ・ディランに、ジョン・レノンに
何度も包まれてきたというのに

またふりあげてしまったこぶしのその先で
煙が青空に溶けた

失敗とか過ちとかそんなこ ....
 真昼の田舎道に

 裸電球がひとつ

 ぽつんと灯っていた



 こんなところに

 こんなものをぶら下げた奴は誰だ!

 裸電球は

 太陽と競うようについてい ....
夕暮れの湖に
浮かんでいるもの
あれは
たしかに
ぼくの心だ

あの日から
消えてしまった
道連れを探す
寂しいぼくの心だ

青空の片隅で
膝を抱えてうずくまっているもの
あ ....
あの手紙のことを
今でも思い出すことがある
何か幼いカケヒキみたいな
少しだけずるい言葉を選んでしまったことを
今でも後悔している
あなたが答えを出すまえに逃げた
ノックをしたくせに
きみの睡眠の中を走る
列車の軋む音を聞くと
世界が本当に
平面であることがわかる
ぼくらは座席に並んで腰をかけ
お手製の弁当を食べる
屋根の瓦が一枚落ちかかっているのだ、と
きみはさっき ....
カーテンの隙間から
ほほに落ちた
朝の雫

やっぱり明けない夜はなかった
無理やり今日をやり過ごせば
また夜は来るけれど
白金の植物園から出ると
もう夕方の街になっていて
ついてしまいそうなためいきを
飲み込んだ

国道沿いに目黒まで行こうか
それとも
坂を降りて泉岳寺まで

もうすぐ
五月の ....
発車ベルが鳴ると
髪の毛が風に笑ったね
誤算だったね
脚の長い女の子の
脚が長くてきれいだったね
「栞」を「おしり」と読んで
男の子がはしゃいでいたね
それはきっと僕だったね
 ....
小雪舞い散る一月の寒い朝
肩震わせながら佇む校庭の片隅に
あなたの名前を書いてみたなら
きっとあなたに会える日が来る

白い吐息を吐きかけながら歩く
あなたと通った一本の通学路で
あなた ....
ひよりさんのおすすめリスト(3012)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
悲報- 千波 一 ...自由詩11*06-6-26
きりん- 千波 一 ...自由詩13*06-6-23
雨時々十三歳- 草野大悟自由詩306-6-23
_フカフカとユラユラと銀河と- つぐこ自由詩506-6-23
赤い自転車- たもつ自由詩1306-6-22
「空」を抱く人_- 服部 剛自由詩20*06-6-19
植物園の風景- たもつ未詩・独白9*06-6-19
父の日- たもつ未詩・独白16*06-6-18
初夏- 千波 一 ...自由詩29*06-6-17
儀式- たもつ未詩・独白12*06-6-17
- 日朗歩野自由詩506-6-16
占星術- 千波 一 ...自由詩13*06-6-13
そろもん(ラジオ体操の話)- みつべえ自由詩606-6-12
そろもん(ガーデナーの話)- みつべえ自由詩406-6-11
旅立ち- たもつ未詩・独白14*06-6-11
傘を差す人_- 服部 剛自由詩21*06-6-9
微笑- たもつ未詩・独白9*06-6-9
- たもつ未詩・独白9*06-6-7
打ち切られる命−こころを分けてください- 月音散文(批評 ...406-6-4
潮風- たもつ未詩・独白17*06-6-4
モリアオガエル- 日朗歩野自由詩806-6-2
僕たちは声を押し殺して手をつなぐ- AB(な ...未詩・独白506-5-30
裸電球- 杉菜 晃自由詩5*06-5-28
ひとり- 草野大悟自由詩8*06-5-28
ピンポンダッシュ- 茜幸美自由詩5*06-5-19
寝返り- たもつ自由詩2106-5-19
朝の雫- 茜幸美自由詩6*06-5-18
日記_a- AB(な ...自由詩306-5-18
(´・ω・`)- たもつ自由詩18*06-5-17
Someday,_we_meet_again...- Lily of the ...自由詩2*06-5-15

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