朝つゆをあつめて咲く青空は
あまりにも健気で
ついつい
キスしてしまうほど健気で
青色の涙のなかでも
太陽の煌めきを忘れない強靱な精神も、また、健気で
ぼくは
またも
深夜
じんわり ....
煮物の味は
素朴であるけれど
素朴であるがゆえにこそ
むずかしくて
奥深い
ごらんなさい、
たけのこと
さといもと
しいたけと
なんの疑いもなく
一緒くた
わたし ....
朝が来るたびに
まあるいお日さまから
白紙のノートを渡されて
今日を埋めなさいと
笑われる
今日は何も無かった
と書いたものなら
明日なんていらないね
て言われたりして
あんドーナッツを
ためて、ためて、投げあげて
放物線の落下する地点まで
走って、セバスチャン
つぎつぎと走って
受け止めて
全部くちで
そういう無意味な訓練を
たくさんして
*
....
{引用=昨日の空と、今日のわたしと、明日の凪と、そこに存在しない隙間、}
窓際のプリズム きみと共有し 虹のない冬に射しこむキセキ
近づいてなお遠ざかる逃げ水にかざす指 ....
こころが
雨をほしがる
紫陽花のころ、
ぼくらは
ふたり
紫陽花寺を訪ねる
鎌倉は
いつも
かわらぬ佇まいで
うす水色のミストのなかに
ふたりを包み
こころが
カサ ....
零れては
消えていく
白い海に溺れていった言葉
伝えかったこと
教えてほしかったこと
霧に包まれたまま
インクに染まるのは
いつも
誤解
明日こそはと願いながらも ....
風の中で
ぼくらは佇んでいる
それは
ほんの
ひゃくねん前の
時のない時で
ただ渺々と吹く風の中で
壊れそうな心を
壊れそうな体を
懸命という文字が懸命に支え
風の中のぼくらは
....
たとえば風が、
雲が、海が、樹が、雨が、土が
この国のことばで
いつものように
語れるとするなら
月よ、
あなたは
その深淵で
かれらを
焼き尽くすのか
逃げ道は作るものだからね
そんなことに
労力を費やしたくはないからね
逃げ道づくりはごめんだね
あたしゃ職人には
ならないよ
◇
罪も作るものだね
そりゃあ ....
透明なきもちになりたくて
見あげた空は青だった
よく晴れた
雲ひとつない青だった
春の匂いはまだ冷たくて
透明な
青の真下は
なお冷たくて
見つからない意味の底 ....
ちっちゃな庭に
ちっちゃな幸せが咲き
ちっちゃな家に
あなたが咲いている
あふれる光を
咲いている
ちっちゃな
ちっちゃな
ぼくらの毎日
ちっちゃな
ちっちゃな
ぼくらの星に
....
透きとおるような青い瞳を閉じて
月明かりをよそに
思索する空
道標を失った者たちの
無数の悲しみが白い炎をあげて
燃えている
どこにも行けないという絶望を
焚き木にすら ....
○父
窓から庭のブランコを
眺めることが多くなった
あれにはもう一生分乗った
と言って
時々体を揺らす
背中が
押されるところではなく
支えられるところとなってから久し ....
あなたには教えてあげないわ
そう言って海がからかうので
べつにきみから教えて貰わなくてもいいんです
そんなだいそれたことでもないし
いそいで答えをだす必要もないことですから
と、いくぶん拗ね ....
今日は寝坊をしてしまい。
ヒゲは剃り残しがある。
顔には満面の笑み
優しさをポケットに入れて
人に頼まれれば
何でも受けて
人に相談があると言えば
何でも黙って聞く
やさしさは ....
今日が何曜日か
今日が何日か
という暮らしは
とっくに忘れ去った
いまは潮の満ち干だけで生きている
空に満月が輝くとき
ぼくの心に大潮が満ちる
笑う満月がいる
人間に生まれて
それゆえに
宇宙の事や
人類の進化の歴史や
その他 いろんな事
難しいことも
学びたいと思う
*
父と母がなぜか結びつき
私が ....
鉢植えは
水をやり過ぎて
いつもだめにしてしまう
気持ちが強すぎるのだろう
あなたのようにはいかない
虹のような光沢を紡いだ糸車が
カラカラと終わりを告げても
流れる水のなかで
目 ....
何らかの神経伝達物質によって
あやつられる もろい命
こんな安月給からも取ろうとする税金
などと憂鬱な近頃
久しぶりの天気に思わず見上げた空
大きな青空の中
その小さな ....
この世の全てに
いくつかのちからがあります
弱いちからと強いちからと
まだ見つかっていない重力と
あとは、
みなさんが考えてみてね
と去ってしまった先生、
僕らはうなずいたままです ....
ナゼ?
眠りから覚め
あ もうこんな時間
でも、用事がないと
もっと寝ていたいと思う
実際 寝てしまう
起きている時は
アレもしたい、コレもしたいと
思っていたのに
....
こころが雨をほしがる紫陽花のころ
ぼくらは
ふたりで
紫陽花寺を訪ねる
鎌倉は
いつも変わらない佇まいで
うす水色のミストのなかに
ぼくらを包みこむ
こころが
かさかさに渇い ....
旅人は{ルビ叢=くさむら}に埋れて
横たわり
いちめんの空に
浮雲の群を見ていた
それぞれに{ルビ流離=さすら}う雲は
違った形の膨らみで
西から東へ流れゆく
自 ....
ぼくのこころはちいさいから
ささいなことですぐにいっぱいになる
いっぱいになったこころでは
ほかのささいなことをかんじられない
だからぼくは深呼吸をする
いっぱいにすい ....
生まれたばかりの君は
まだ数えるほどしか
ものを
もってない
まだ ものを 欲しがらないし
きっと わからない
でも、「これを君に。」ってあげるとき
僕はとてもドキドキする
君 ....
夏のはじまりは
いつも雨
何処からともなくきこえてくる
海のうた
(セイレーン)
還る場所をさがすように旅をする
あの波の繰り返しのように響いてくる
記憶のような満ちひきに名 ....
君
がんばってる
うしろ ななめ上
気にしすぎて
追われているから
君
がんばってる
足元見えない
前も見えない
目を向けても
向けただけで
呼吸が止まってい ....
あのころ
きみが蒔いた
虹のかけらは
かぜにふかれ
悠久をこえ
きょう
ぼくらのちいさな庭に
七色の花を咲かせた
きみは
あのころとおなじ笑顔して
花たちを
いとおしそう ....
お昼休みにメールをチェック
件名:「虹が出てるよ!」
本文は、ない
数時間前のメールだから
虹はとっくに消えている
でもね
見えた
見えた気がしたよ
夜、帰りの電車でメールをチ ....
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