縮こまった 手と足を
ゆっくり 伸ばしてみる
卯月の 空へ
ドアを 開けて
ゆっくり ゆっくり
歩き出してみる
季節を感じて 蒼い風に乗る
....
日めくりカレンダーをめくって
紙飛行機にする
1年間で365機の飛行機が
この部屋を飛ぶ
赤い3の字を模様にしたのが
白いテーブルに不時着する
他に行くところもなく
行く ....
22年間詩なんてもんは書いたことなかった
というのは嘘だ。
こんなことがあった。高校生の頃の話。
一年間の間に何度も、担任が 「次の作品展どうする?」と聞いてくる。
私は 「今回は、見 ....
(お金なんていらない)
昨日、100円のおにぎりが買えませんでした。
財布の中には104円あっても、
税込み105円のおにぎりが買えませんでした。
コンビニの店員さんは残念そうで、
僕は ....
美しい花が咲くよ
飲み込めないものを置き去りにして
美しい花が美しく咲くよ
思い出を糧に
忘れられた形を残して
美しい花が咲く美しい夜に
僕たちの魂は震えているよ
僕たちの魂は淡雪のよう ....
なぎの さなぎの しろわた ほころび
ふれど ふぶけど つちいろ こいこう
つづり とらわれ やまいの つむゆび
くれて くぐった ねあかり おいこし
ほろほろ ひいた かごの ....
五分後には
起きているはずだからと
忙しく鳴く小鳥を
なだめて眠る
親鳥は必ず来てくれる
と
大きな口を開けて
夕闇に
かみひこうき
投げて
どこまで
飛んでいって
くれるのか
と
思い
を
馳せる
季節は春めいても
頬を撫でる風は
まだ
冷たい
ふと
隣に居な ....
触れた手が
何かの記憶語っていて
手をじっと見るのが
しんどかったり
かかとがひびわれて
痛くて 痛くて
ひょこひょこと
歩いていたり
きのう酒飲んだ胃袋が
しくしくと痛くて ....
眼、鼻、耳、口、毛穴
すべての穴に私たちは窓を取り付け続けた
窓に明りが灯ると私たちはそれを街と呼んだ
街が体中に繁茂していく傍ら
明りの消えていく窓がある
その浮力により
私たち ....
地球が転がるのに追いつくよう
わたしはすべり台をつるり
指が焦げるスピード
わたしは銀になる
空気を回して春になるから
わたしは空と呼吸
道が氾濫してるから船を出すわ
わたしはボタンを押 ....
こんなにも
ひろびろと
あおいかぜのなかで
ぼくらは
とりになれない
だから
くもよ
ぼくらは
こうしてねころんで
かぜをつるのだ
そらのしずくが
ふたつ
いただきにさ ....
前だろうが後ろだろうが
何処見てたって 構やしないだろう?
だって
前だろうが後ろだろうが
何処見てたって 身体は前向きになるんだ
屁理屈だって?
理屈だ ....
偶然な午後に
あなたが好き
何気ないため息に
あなたが好き
またねって
言ってくれなかった背中に
また明日ね!って
あっかんべーしてやった
人だかりのキャンバス
めだつほどめだつほど ....
はる風がふくと
ぼくらは旅に出る
あき風がふくと
ぼくらは旅に出る
風がふくたびに
ぼくらは彷徨い
風がふくたびに
ぼくらは傷つき
その代償のような
中途半端な安息を得てきた ....
君はとろけるくらいの未熟さで
むきだしな僕を包んでくれる
その優しい色は
あざやかでなめらかな感触
デミグラスソースの中に沈みそうになっても
小さな浮島のように寄り添って
深い味を奏で ....
花は咲くために
水を求め
水を汚す
水は
求められるまま
あなたは逢うたびに
私を求め
私を汚す
私は
そのたびに強く
信じることは
魔法には相違ない
それもひ ....
昨日の夜、それとも おととい、
きみは月を見上げたかい
めざまし時計の朝
最初に「おはよう」を言ったのは、誰
目をつぶって100歩進んだところで
愛する人に出逢える確率を知っているか
....
君があまりに軽やかな足どりで
振り返る笑顔だけをのこして去ってからというもの
ふいに さびしくなり
しばらく忘れていた「 切なさ 」が
僕の体ごと ソーダ水の緑に染めあげて
炭酸の小さい泡が ....
本当は、こんな文章を書くべきではないのかもしれない。ましてやそれを発表するなどということは、絶対にしてはいけないことなのかもしれない。だが、時には書かなければいられないこともあるし、書かなければなら ....
でんしんばしらのよこにすてられた
さんびきのこねこが
じりきでそだつ
今日が終わりそうな海を泳ぐ
振り返れば
世界を見てきた波
ゆっくりと押し出すように
風と泳ぐ
このままどこまで泳ごうか
波交差の信号は青
どこまでも青
波は
見えない雨を連れ ....
とびっきりの良い天気に浮かれた医者が
いっちょやりますか、天日干し
頭をカパパッと開いて
脳味噌の天日干し
カパパッと開いた頭の中の
脳味噌の襞には
初めて外気に触れて
すっ ....
目を開いたまま
ぶったおれ
何が見えた?
あかいふうせんがどうんどうんとそらへそらへと侵食してい
き
ました
通り過ぎる
杖つく老人
風船持つ子供
その子と手を繋ぐ女
それを微笑んで見る男
手元を見る
道端の雑草
薄汚れたスニーカー
縁を茶で汚した空き缶
その中に吸い尽した煙草
....
ぷるぷると あたまをふるっては
いろいろな めんどくさいやら
いろいろな できごとやら
ふるい おとしては
また ひろって
なくしているんだか
ひろっているんだか
あのとき ....
地球が廻っていると気づいたのは
初めて立ちあがったとき
あまりにも不安定だったから
こんな雨の日に泣きたいのは気のせいだと思った
この間、久しぶりに友人と飲んだとき
ずいぶんとしあわせそうな顔になったじゃないかと言われた
そのセリフの半分が
励ましだということを
僕は知 ....
トーク。暁から暁までしゃべり続ける、トーク。
トーク。君とトーク。
知っていることをトーク。
知らないことをトーク。
トーク。いつまでもトーク。
人の顔を覚えるのが苦手な僕は
君が誰か ....
人は
それぞれの
心に
固有の
触手を
持っている
人の心は
正直なもので
....
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