遠くて近い場所 この世界の何処かから
小さな小さな歌声が聞こえた
紡いで音となった言の葉が
何時の日にか風に乗って届くように
指から零れた記憶が
時を経て失われてしま ....
けつえきとおんなじだと
でりこちゃんがもっともらしくいう
さらさらでなければ
なみだをながすたびちくちくするし
なにかをつたえたくても
のどがいたくてしょうがない
はんろんしたいのに
....
褪せた面影を
湿らせていく
霧の雨
黒い舗道に足跡の
こだまを探しながら
ひび割れた時間に
僕は立つ
どんなに近くで
それとも遠くで
どれだけ君が ....
今日はもう疲れただろう
それなら今夜はゆっくりと
何も考えずに眠ればいいさ
二人だけのこの世界で
君のそんな顔を見ていると
私まで悲しくなるよ
私は君にはなれないけれど
君が望むこと ....
いっぴきの魚が 泳いでいる
水 の表面から 雫が
、 、 点と とんで
ぼくからみて
左の方へ
流れていくすじは
無限の
きらめき
へと
息絶えていく
ぼくの意志 ....
県立病院前バス停で見知らぬ女性に声をかけられて
よくよく 顔をよくよく見てみれば
あの色黒で歯のやけに白かった娘じゃないか
こんなに色白でスマートになるならば
あの日の体育 ....
ビタミンが不足しているのは百科事典に住んでいる僕の妹
い、いえ、祖父だっただろうか、毎晩旅をするんです
一人残される僕の血糖値は急激に低下する
い、い、いいえ、血糖値が低下しているのは叔 ....
小さなピンクのつむじ風は梅雨前線をくすぐり
日本海に柔らかな雨を降らせた
灰色のおおきな背中を撫でられて
海はじっと沖を見ている
昼前にここ数年の病歴を書き込んだ診断書を
提出すると ....
傾きはじめた太陽が
ボンネットで屈折し
ぼくを射す
さよならを言い出したのは
ぼくで
結局のところ
決めたのは きみだから
ぼくは フラれたのだろう
車は無駄に走り続け
困り ....
泣いて生きるよりは
笑って生きた方がいいさ
でも
俺にはどうしても笑えない時がある
振りほどこうとしても
俺を締め付ける
過去と不安な未来
忘れようとしても
....
四方の壁に
お気に入りのタペストリーを
隙間なく
貼っつけて
自由と
孤独は
いつでも紙一重だ。
などと つぶやいている
地下室では
いつも
ひとりぼっちだ
薄い天 ....
この頃の空は
随分と遠いみたいで
息遣いもまた遠い
高いビルの天辺からでも まだ
空に穴があいているらしい
遠くない繋がった場所で
風船に針を突立てるみたいに
シューシュー音を立てて ....
帰る場所はないくせに帰るわって私は言った
引き寄せてもらえるのを待っているのに
引き寄せられると急にイヤイヤ
ひとりでいるとふたりでいたい
ふたりでいるとひとりにもどる
ひとりでいると気 ....
痙攣している右手で
聞いたこともない山々や
見たこともない街並みを描く君
僕はくだらない登山家として描かれ
どんな街並みなのか見ることもなく
いつまでも登り続けている
だけど君の手が震えて ....
ぞうきんは古いのを
うんと搾れば
ぽろりとイヤリングがこぼれ
枯草の下で温泉につかっている土を
にぎりしめれば
ゆでたまごが硫黄の赤ん坊を抱えてでてきた
しとしと溢れる露を
石に ....
砂漠のニコニコ
僕の肩を叩く
右手にレモンを握って
僕の瞳を覗き込んだ
砂漠のニコニコ
ポーンと高くレモンを
空に放り投げた
レモンは太陽にぶつかって
数えきれないほど ....
水びたしの指で
コンセントに差しこもうとした
叱られた
しらない世界はいっぱいある
目のまえのオーブンの火照りもしらない
けれど追いかけたりしない
食パンにまかせて
いいとおもう
....
ほっぽっておいた
あしたのこととか
あなたのこととか
そのうち
おおきな
しっぺがえしが
くるかもね
いいの
いいんだって
ゆずりあってるうちに
わかり ....
ろくがつの洪水の夜に
しばらくぶりに泳いでみたが
溺れるすべを知らない僕は
たいへいようおうだん
とうとう魚になってしまった
今となってはもう
せめて、魚大好き!な君に食べられたいと
だ ....
俺は自分の好きな曲を
何度も何度も聴いていたぜ
何時間も同じのを聴いていた
あの人を想い出して辛くなるのに
あの人を想い出して恋しくなるのに
なぜか
聴きたくてしょ ....
雨の音が神経にさわる
薄気味悪い静けさも神経にさわる
俺は自分を見失って
どうしようもなく孤独だぜ
なんでこんなに孤独なんだ
男でも女でもサイボーグでもいいから
何 ....
しゃがみこんでいたら
かたつむりが横切ったので
雨はどうして降るの?
と、問いかけてみた。
かたつむりは
にょきにょきとツノを出しただけで
何も言わずに
つるりと通り過ぎた。
目玉 ....
ぼくはすきなひとがいていなくなって
かなしむことができませんでした
ぼくはおはなにみずをやるのがすきで
まいにちそうしておはなはかれました
ぼくにはあなが ....
高いところが
好きな君は
毎晩 空に向かって梯子に昇る
朝になれば
帰って来るが
その都度いつも
変な宇宙人を連れてくるから
僕は英語の勉強に集中できない
そらいろの
きれいなびんをひろったので
ていねいにあらって
ひるのあいだ
えんがわにおいてみた
ゆうがたには
とうめいなみずがいっぱいたまって
びんのそらいろが
ゆるゆるととけだし ....
声を聴いていたんだよ
冷たい手足を
投げ出して
ランプが震えても
時計が途切れても
夢と踊っていたんだよ
大きな影を
いっぱいに
まばたきを忘れても
ノッ ....
ぱちり
めを
あけると
どうやら
ねていた
ほんの
ひととき
ゆめもみずに
わたしは
どこへ
いってたのだろう
おきていようとする
じがが
ねむってしまうとい ....
水路に打ちつけた
足
あるいは カラダ
案内いたしましょう。
永遠の少し手前
果てのない海の
目印に
鳥や魚たちの旅は
今この時もなお続いている
なにを目印 ....
くりかえしてくりかえして
何度も何度もくりかえしくりかえす
「24時間」に閉じ込められた僕は
25時間目に生まれるとゆう{ルビ詩=キミ}に会えない
ざ・・・ざ―――ざ・ざ・ざ――
雲っています。どんてんです。
いちごが売り切れています。
横断歩道に吸い込まれそうです。
いつものように歩くと
危うく、車に引かれたであろう雀を
踏 ....
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