母はぼくを背負って
  毎日踏み切りを渡った
  栄耀失調だったぼくは
  医者に通っていたのだ
  記憶は曖昧だが
  ぼくたち母子は貧しかった
  ある医者は
  『下痢をするの ....
空を

どこまでも飛んでみるということを
振り返った視線の、端のほうの夢の中
ほんの少しの香りで、漂っている

今、この辺りで



いつのまにか、梯子がなくなっている
あの木の ....
ガランとした教室
窓の外の木々が揺れた
頬を撫でる冷たい風
綿飴のような雲
ちらりとのぞく青の隙間
はらはら
風の動きにあわせて
風花が舞い踊る
はらはら
髪を飾る白い花
道を飾 ....
区別する
やつらを
心底
差別する。

青炎を秘めた
冬の向日葵が
太陽を見据え
{ルビ白骨=ほね}のように
カタカタと
笑う。

街灯のなかに
きょうも
娼婦は
立ち尽 ....
  トロッコだった
  小山が崩されて
  中学校が立てられるのだという
  その台形の天辺から
  したの道路まで
  レールが敷かれた
  なんだろうと思った
  今まで見たこともな ....
今日はぴりぴりと夜 静けさが集まる冬の夜です
加えて寒さも仲間に入るようで 足元の雪はぎゅむぎゅむと音をたてます
寒さは星を磨くので 星は喜んで配置についていました

そんな帰りは ぬくもりが ....
イメージの中では ブルーの球体

1枚 膜をへだてて

違う時間を 生きるしかなくて


イメージの外では

灰色の なんでもないもの

あちこちの隙間から 入り込んできて

 ....
これまで
何百人の壊れた瞳と
話してきたのだろう

何千人の傷を覗き
何万人の嘘を写してきたのだろう

そして
その中の
何人のひとの血となり得たのだろう
おれは
もう さびしくないように って キスをするから
唇に 紅を ひく
鮮やかさが こぼれて そんな気に ならないように

からだは かるくなるけど
きもちは おもくなる
どうか はくいき  ....
アネモネの花 流れる小川に
足を浸して赤味差す小さな、ほのか
足先の揺れる水光り
長く尾を引く清流に
白竜の子 触れるという

ロング・ロング・ア・ゴー 昔話の
ロング・ロング・ア・ゴー ....
兄はまだ小学生相撲大会の賞状を
大事にしているだろうか、と
扁桃腺の手術後
縫合を忘れられたままの婿養子は
まだ考えているだろうか
ふとバス停に波は寄せて返し
沖に流されていく砂の ....
銀河の向こうへ
飛んでいったりしない
腰の痛くなる椅子に座って

不思議の国へ迷い込んだりしない
目の痛くなるこんぴゅーたで

呪文を唱えて
魔法をかけたりしない
人達と一緒に

 ....
曲がり角ひとつ
曲がりそこねたようなので
こちらを振り向きながら歩いている
不思議な黒猫の後を追って
歩いてみる

もとのかたち ひとつ
間違えて捨ててしまったので
鈴の音たてながら  ....
 
   琵琶湖疎水を眺めながら
   南禅寺の豆腐を食べる
   炬燵に入りながら
   ぼくは君にビールを注ぐ
   冬の一日
   京都までやってきた
   もう何回やってきただろ ....
『生きることに疲れました』

生きることの何に疲れたんですか?

勉強ですか?

仕事ですか?

人間関係ですか?

それとも社会ですか?

勉強が嫌ならしなけりゃいい

 ....
トップページを何気なしに見ていたら、「ランダム」というボタンを発見。
いつの間に出来たのか、全然知りませんでした。
ためしにぽちっとボタンを押してみると、全然読んだことのない作品が出るわ出るわ ....
  朝だ
  微熱がある
  精神的なものだ
  
  月曜日の朝には
  いつも微熱があるものだ

  まだほの暗いが
  天気予報では晴れである
 
  またバスに乗って
 ....
聴こえてくる言葉は励まし

自分に宛てられたものではないのに

心に染み入るのは

一種の才能

思いを形に変えることは難しいけれど

そのままの思いを受け止める人は確かにいて
 ....
ピアノジャズにゆれて グラスに色水を注ぐ
彩度を少し落としたセピアの空気を 長い煙が流れ泳ぐ
その小指の高音 鍵盤がはねる
私の気持ちは泡と跳ね ゆっくり細いかかとでリズム
天井のプロペラが  ....
じぶん かってな ゆめをみて
あけっぱなしに していた ひきだしは
かたかた とじることも あけきることも できない

ときおり ほかの ひきだしを
あけっぱなしに してみるけど
あた ....
昭和元年が
自宅の階段から
滑り落ちて
踊り場の手すりに激突
品よくあつらえられた手すりを粉砕した。

七人兄妹の末っ子である昭和元年は
戦時中もすくすくと
ちりめんじゃこを食べ続けて ....
  
   赤い椿の花が散る
   湯屋では
   手当てのしようもない

   生理なんかなければいいのに
   少年が蝉になっていなかったかしら
   露天風呂の高みから


 ....
例えばそこに
四人の人がいて
一人の話してに対して
三人がヤナ奴だって
顔したら
私は耐えられそうもない
だから何とも思ってないよって
顔して
感情の境界線を曖昧にする

いつか友 ....
屋根裏部屋には
消しゴムの標本があるって
かりふぉるにあおじさんが
声高々に自慢してた
その中に
砂消しもあるんやろかと
梯子に右手をかけると
親指がちょとだけ(約1cm)
 ....
時計が夕方の四時を回る頃
夕餉の支度のため
買ってきたシジミを水に漬ける
しばらくして覗いて見ると
貝が口を開け水のなかで息をして
ゆっくりとくつろいでいる
窮屈なパッケージからガラガラと ....
    ソファーデ
    タバコヲ
    スッテイテ
    ニゴッタナミダガポトポトオチタ
    ノウノナカノシンゴウガ
    ツライ
    イノチヲ
    タエサセテ
 ....
   エトピリカを待つ
   絶滅寸前の
   マボロシの鳥
   600mmレンズを据えて
   何時間でも
   ポイントを決めて
   弟とぼくと
   二人のカメラマンが
   ....
娘が補助輪無しで
自転車に乗ることが出来るようになった
それは昨日のこと

最近左手がきかぬと
父がペットボトルの蓋を人に開けさせた
それは今朝のこと

僕は時のパズルと戯れながら ....
蛹の時代は終わったと
鱗粉まみれの陽光を謳歌する
ここには花が少ないからと
蜜の代わりに蜂蜜を
葉の代わりに
デッキチェアを

さようなら、また今度、遊びましょう、晴れの日に。
そ ....
ストーブのヤカンはもうからからでした。
冬とストーブとの狭間で、ゆっくりと考え事はできませんでした。
ひよりさんのおすすめリスト(3012)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
子供たちに母の背中を- 天野茂典未詩・独白1005-2-13
いつか、忘れるという日のことを- 霜天自由詩1605-2-13
卒業- 散文(批評 ...205-2-13
白骨- 草野大悟自由詩205-2-12
でもそれが乗り物であることはすぐ分かった- 天野茂典未詩・独白205-2-12
冬帰- ふく自由詩4*05-2-12
イメージ- こむ自由詩5*05-2-12
おれは- 草野大悟自由詩5*05-2-11
交錯- 玉兎自由詩305-2-11
水辺の、ほのか- 千月 話 ...自由詩8*05-2-9
バスストップ- たもつ自由詩405-2-9
つまらない- こむ自由詩3*05-2-9
歩いてみる- こむ自由詩2*05-2-9
琵琶湖疎水を眺めながら- 天野茂典自由詩205-2-8
自殺について考える- 長月 猫自由詩105-2-7
現代詩フォーラム_ランダム道中千人斬り_其の壱〜其の十弐- 熊髭b散文(批評 ...2505-2-7
天気予報は晴れである- 天野茂典未詩・独白105-2-7
願いと望み- 未詩・独白205-2-7
セピアバー- ふく自由詩3*05-2-7
ひきだし- 玉兎自由詩405-2-7
驚異の骨密度- 草野大悟自由詩4*05-2-6
少年が蝉になっていなかったかしら- 天野茂典未詩・独白205-2-6
曖昧な感情線- 梼瀬チカ自由詩205-2-5
梯子- AB(な ...自由詩605-2-5
貝の夢- 梼瀬チカ自由詩3*05-2-5
アリゾナ州まで- 天野茂典未詩・独白105-2-5
エトピリカは歌に歌われていた- 天野茂典未詩・独白405-2-5
毎日- たもつ自由詩1805-2-5
船旅のアゲハ- いとう未詩・独白905-2-5
傾くふた- ふく自由詩2*05-2-4

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