僕の家の近くの坂道で
いつもすれ違う人がいる
今日は雨が降っているよ
その人は赤い傘で
顔を隠すようにして
肩を震わせていた
何か悲しいことがあったのですね
....
禁煙するために
両手をじっくりと見た
花びらが散るように
どこかで終わりが開いた
忘れていた夢が疼く朝
雨が降っているので
部屋はひどく暗かった
少し苦い珈琲を飲みながら
この行為につ ....
あの日。
ある人に出会いました。
受け止めて、受け止められました。
何かが崩れていきました。
俺の中の空洞に何かが入ってきました。
その隙間は長い間何も入っていなかったせ ....
散歩の途中で
くしゃみをすると
塀の向こうから犬に見つめられて、困った
立ち止まって見つめ合ってみるけれど
悪いことをした
わけではなく
少しだけ難しいことを
難しく考えてしまうから ....
くだけちる
さくらのなかを
あるいていたよ
こごえた炎をかかえて いつも
ひらひらと 花びらは 風をまい
狂をひめ ふりつもり
さまようかれの影をそめて
そらをひろげ
へべれけ ....
東京に行ってみたい
しかし
一人で東京どころか 上野にも行けない
南には 一人で行けない
グリーンの窓口がなければ 切符も買えない
上野に行ったならば
あの人と デート出来るだ ....
僕は消耗品
コンビニでもらうお箸やストロー
街角で配られているポケットティッシュ
どうぞ僕を使ってください
用が済みましたらゴミ箱に捨ててかまいませんから
あ ....
今日は雨
僕の肩は片方だけ濡れている
雨よけに収まりきれない看板のように
誰の目にとまらない看板のように
店員さん僕を早くとりこんでください
お願いします
あっそれ ....
愛してる全ての人へ
僕は帰って来ました。
狭く そして 懐かしい匂いのする場所へと。
僕は帰って来ました。
家族が居る 僕が生まれ育った国へと。
たくさんの傷と経験。
それらを両手 ....
きみは 湖みたいな子だったよ
俺は そう思ったぜ
時には
優しくて 思いやりがあって 可愛い
だれもが 覗き込んでみたくなる
釣り人は 糸をたらしたくなる
子供は 遊びたくなる
「麗 ....
涙が出そうになった瞬間
あなたの顔が浮かんで消えた
心は躍りだしそうなのに
どこか落ち着いていて
なぜか涙が溢れてきそうで
優しい笑顔も
穏やかな微笑みも
本物かどうかも分からないけど
....
透明に
張り詰めた
ガラス窓から
朝日が零れているよ
覗き込むと
昨日が
音も立てずに沈んでいくところで
空間
四角く区切ったそれを
大勢の息で共有しながら
積み上げられている ....
こころのなか ゆるやかにおきて じわんとこぼれた
こんなにも あふれて こぼれてゆくのに
わたしのなかから なくならない かなしみは
よっぽど そこなしなのか、と
ようきなかお した ....
鉄火巻きをこよなく愛する
あなた
まぐろだったら 握りでいいんじゃないのって
訊いたことがあったけど
海苔が ね
合うんだそうだ なるほどね
パスタなら タラコスパゲッティ
中華 ....
振り向くと沖に知らない人ばかりになってこわい
貝の表面についてる回虫みたいな模様がこわい
高波が何でも持っていこうとするからこわい
クラゲが知らないうちに沢山わいてこわい
あが ....
ずろんとした
ペラコート羽織って
くしゃけたブーツ
踏み鳴らし
古寺の階段をやじろべえ歩きしていると
乾いた枝葉 たくさん浮かんできたけど
口遊んだのは
甘茶蔓の花
子狸のかぜ
9月は
臨月の母の腹に 私がいたのでした
空気が風が 金木犀色に満ちて
稲穂は波うち
大群のトンボの羽光らす 黄金の夕焼け
そのとき
ほんの暫く 時間が止まる
....
また生きている
いまはもうないぼくのうちの
おもい雨戸をごとごといわせて
ようやくに閉めていると
ガラス窓がひび割れた音を立てる
夜の闇に音が駆け出す
入れ替わりに隙間から
夜気が静 ....
わたしの家の近くに加茂川という名の川がある
川べりはきれいな遊歩道になっていて
朝はきもちのいいミルク色のもやがかかる
わたしと子供はその中を自転車ではしっていくのがすきだ
わたしは愛車 ....
ライフジャケット
右のポッケにはジッポ
「行ってらっしゃい」なんて言わないで
「行かないで」なんて聞き分けない言葉聞きたい で 言わせないで
そりゃオレは 夢があって頑固で
その ....
ショーウィンドウに陳列されている
マシンガンの前にくると
少女はいつも立ち止まり
その色や形に
うっとりする
名前も聞いたことのない国で
戦いが始まった
と、今朝ニュースで言 ....
電車のドアにもたれて
景色を見るのが好き
ジャストタイミング
ウンコをしてる犬と目が合った
バツの悪そうな顔が小さくなる
今日も一日
良い日 ....
不思議を紡ぐ
くちびる
空を沈む炎
ちりり
時が焦げる
明日を忘れる
満ち渡る静かの
眼差し
まどろみの絹
ひたた
無に ....
グラジオラスには
夏が咲き
雲なく晴れて
風もなし
夢はほのかに
午后の空
盆ちょうちんの
夏かがり
遠き耳に
海は果て
夢はさかりに
夕の風
青きトマトに
古き恋
....
おやすみなさい
蒼く輝く星
おやすみなさい
オレンジ色に光る月
おやすみなさい
この
果てしない夜空の下の
どこかにいる君
君は暖かいベットで
良 ....
回転する扉は、
時に止まって見える。
あの向こうへと、誘うように止まって見える。
なにがあるのだろう?。
誰がいるのだろう?。
あの向こうには、
そっと ....
踏み込めばどこまでも沈む
そんなどろどろの泥沼
汚い水には蟲が湧き
ぬるりとした感触でわたしを包む
ここで根を張り
蛆虫も糞便も全部栄養に変えて吸収し
汚れた大地と腐れた水の上にぽっか ....
夢を見たよ
まだ君も僕を嫌わず
まだ僕もお喋り好きで
君がどこから来たのか
知りたがっていた
僕らどこへ行こうか
話し合っていた
君はどうして鳥に
生まれなかったん ....
秋葉原の中央通りをデブ爆走!
秋葉原の中央通りをデブ爆走!
肩には一眼レフ!
首が伸びたTシャツ!
胸には何かのでかいロゴ!
アイツはスイカップ!
やたらパンパンのバッグ!
そして手には ....
午後には、カーテンに漂白され、
白色に、夏の気はふれてゆく
目蓋で覆い尽くすも、白光する夏、白光する、午睡混じりの
夏
色など要らないと叫びたかった私は、
今は、誰
....
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