白いノートに
木を三つ書いたら
それが森になりました
空を支えるように
枝の真似をして手を広げれば
わたしもまるで木のようでしたが
何かが足りない気がして
淋しくなりました
....
この
てのひらに届く
吐息のような
君の伝言
手が届かない切なさ
抱きしめられない寒さ
その孤独が私に
乗り移ればいいと
おもてに飛び出してはみたのだけど
刺 ....
きみは また ぽろり
しみこんだ てで
みえない みらいを
いくどでも
せめて
ぼくは
ここと ここ
つないで
あたためたい
きみと てを
まだ眠気がのこっている朝に
いちごジャムを食パンにつけて
コーヒーをいれての朝食
起きる間際に見た夢を反芻する
小鳥が僕の頭に飛んできてとまった
気分良く起きた朝
....
笑うこと
それは大切なこと。
笑うことは
それは幸せを感じている証。
笑えること
それはすっごく難しいこと。
笑えることは
それは心が広いと ....
親父は定年退職し
母ちゃん専業主婦となり
息子のぼくは半人前
母ちゃん家計簿とにらめっこ
ばあちゃんが払う食費も1万ふえて
なんとかやりくりの日々であります
雨もりがあふれる床
....
さて、ここからが
あなたたちの本当のスタート
なのです。
いままでのことは
お互いのあたまの中で想像された
ヴァーチャルの暮らしだったと
父は思うのです。
さて、今日からが
本 ....
ここは近代国家
これは憲法
世界は自分
宇宙は自分の部屋
一寸先のドアは壊れぬバリケード
ら
か 雨が生え ・・ ・・・・・・・落つ
雲 雨が生え・・・・・・・・ ・落つ
い 雨が生え・・・・・ ・・落つ
暗 雨が生え ・・・・ ・・・・ ・・落つ
の 雨が生え・・・・・・・ ....
秋風が冷たくなってゆくのは
赤々と燃える炎を
鎮めるため
山から道へ
道から軒へ
軒から海へ
秋風は
休む間もなく吹きぬけてゆく
そうして
暦に目を留めた誰かが
山が燃え始める ....
なんにも無いところから
花が咲くわけなどないのに
私の目はいつも
開いた色しか見ていない
綺麗な色しか見ていない
いつのまに咲いたのか
どうやって咲いたのか
質問したなら ....
て の ひら
かぜ に なび いて ひ かって
え くぼ を ゆび の はら で
おせば こぼ れ ....
浪速の三輪かつらぎ号
{ルビ囂々 ....
諦めることを諦めてしまえば
誰でも抜け殻になれる
枝をはなれた枯葉が
落ちる途中で宙返りをする
もしも諦めることを忘れることができたなら
何度でもその身をひるがえしてみせよう ....
話に尾ひれがついて
泳ぎだす速度で
泳ぎだす
身体にあたると少し痛く
自分の血はまだ赤い
眠たい目を擦りながら
恋人のだらしない口元にキスして
唇から溢れたものは
唇に戻る ....
白鳥が飛来していた
初雪の予感漂う十月下旬
懐かしい湖面に
白鳥が飛来していた
渡りは
これから本格的になるのだろう
湖面には
ぽつりぽつりと
数えられるほどの小さな群れ
....
今日は君が生まれた日
たくさん並ぶ花を見て
かわいい花を見つけたよ
そんなに豪華じゃないけれど
君にぴったりな気がしたよ
その花を
プレゼントしたら
君は喜 ....
人と争うように働いて
話す気にもなれず
押し黙ったまま一日を終える
仕事帰りの公園のベンチ
あたたかいゆげで慰めてくれる
たこ焼を食べていると
目の前の通りを
なかなか客に呼び止めら ....
付け足されてゆくことがあって
それはとても
喜ばしい
差し引かれてしまうことがあって
それはとても
痛ましい
あなたの暮らしは
わたしの暮らしでもあり
わたしの途は ....
部屋に突然インドがやって来て
勝手にインダス川を氾濫させるものだから
部屋は水浸しになるし
大切にとって置いたものも
すべて流されてしまった
これは何の冗談だ、と
食って掛かっては ....
水は途絶えを忘れる薬
波を待ち望む青年や
イルカを愛する少女の瞳
波うち際に揺れる小舟や
小高く揺れる果樹の枝
彼ら
彼女らの
その目の海は
わたしには見えない
....
あやつられる
わたしの背中に糸が生えている
よく見ると
足からも
腕からも
糸が生えていて
どうにかすると口がパクパクする
声だけが違う場所にあって
伝えることができない
こ ....
「なんでぼくはいきているんだろう・・・?」
十代の頃から十年以上問い続けてきたが
宙に浮かんだ透明な「答」を今もなお{ルビ掴=つか}みあぐね
差し伸ばした腕の先に手を開けば
只 僕というち ....
わたしはいい人生を歩むことにしました
正義を重んじています
気高く生きています
自分に誇りを持っています
世界が平和になることを望んでます
夢はお嫁さんでした ....
ときおり隣りのおやじは
歌い出す
ムード歌謡とかいうやつを
でも別に嫌いなわけじゃない
とりおり隣りのおやじは
大声で電話で話す
玄関先で出会うこともある
....
待たなくても夜はきてしまうから
朝はどうしょうもなく待ち遠しい
眠れない
そんなことはもう
考えなくなりました
「アシタカ」というのは亀の名前なんですが
てっきりオ ....
遠くにいきたい
遠くにいきたい
ささやく声にみちびかれ
この髪の毛を風になびかせ
かろやかな足取りで
時に立ち止まり
光りと影のおりなす景色を眺めながら
遠く ....
夜空の星はあんな小さな光で私を照らすのに
私は何も照らしていない
照らせるものがないからか
それとも照らしてくれる人がいなくなったからか
私は月だ
太陽がなければ輝けない
....
ごはん
うまい
ごはん
うまい
きれい
わたしはまだ
だいじょうぶだなって思う
遠くなった
初秋の新月の夜
ふと見上げると
漆黒の夜空は
無数の星たちに
彩られていた。
それはまた
手動のオルゴールの
原版の穴のように
闇夜を移動し
星の光という
音色を奏で ....
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