正月中の 夜行列車は満席
故郷から 帰郷帰りの人々
暗い駅から ひとり
座れないので
戸口のすぐ前に陣どる
会社は あさってから
荷物はひとつ
一晩中 立つのか
....
目覚めなさい
街中いたるところがオープンカフェになり
銀杏並木が黄金の絨毯を敷き始めたから
目覚めなさい
美術館は壁を塗り替え
ヨーロッパの紙のインクの匂いがするから
あな ....
おとうさんが
とてもおおきなつぼをもらってきた
かぞくぜんいんで
おおさわぎしながらいえにはこびこんで
りびんぐのすみっこをかたづけて
なんとかおくことにせいこうした
きれいなもようが ....
煙ばかりを相手に
暮らしてきた人生だったと
したたかに酔ったオヤジが
丸卓袱台のそばで
腕枕しながら
ゆらりゆらり
語っている
現職のころオヤジは
仕事から帰ると真っ先に
風呂場 ....
雨が垂直に
突きささったまま
凍りついた
野の どこかに
愛のひとは
ふしあわせだ
与えるばかりで
奪われない
そんな物語の
かいてある石版が
埋まっている
らしい
ぼくはあなたと
落ち葉をひろいに
坂を上った
あなたは若い作業療法士
そうしてぼくは
モン・ベルのTシャツとジーパン姿の
ピーターパン
猿 ....
火、纏いedに緯度の上の巣、ペースメイカーのスペースに
炎苛性胎陽、Redに爛れed-肢他死し多幸-した球体の肌ハゼる
とモーツァルトが審バル鳴らす意-再度-が羊水を震えさす幽星
融says誘声 ....
きみどり色したおじいさん
果物片手に宙を舞う
いっつも横切るあの場所も
今日は不思議となつかしい
あんまりさみしくなっちゃって
でんぐりがえしで言葉も逆さ
みんなみんなでお家にかえるよ
....
「海のような空」と言った時
幸は詩人になった
果てしなく拡がる青は
幸に詩を届けた
鳳凰三山から伸びる
空の清々に
視線を送る眼差しは
心なしか詩人であった
そんな詩人は好 ....
しっとりと重いスポンジの中で
ただただ黙り込む
水色のことば
遠い時間の証言者
優しさの代わりに膨らんだ
水色の記憶
どんなことにも限界はあるのでしょう
今夜スポンジをしぼろ ....
My darling Dahlia...
Come to me...
Come on... Grow up...
I want to take you with me with my e ....
十月はたそがれの国
と呼んだのはレイ・ブラッドベリだ
木の葉が散っている街路樹
シャベルでかき集めては掬うのだ
そうよんだのはジャック・プレベール ....
駅のホームに
オクラがひとつ
おはなしは
あなたが考えて
(夜勤前に愛野駅にて)
子供の僕とくるくる堂のおとちゃん
右足いっしょに出してみた
ぐにょりんこ、ぴ、ぴ、ぴ
じーっとじーっと覗いてみたよ
そしたらあらあら、まあ〜まあおとちゃんが
存在自体を消されたよ
一 ....
一時間に一本だけの電車の中で居眠りをしてみると
回想の中で自分の自分に逢えるので
もう一度と思ってみても
一時間に一本なものだから
すごく困ってしまう
ぼくらは、たまに
どうしよう ....
ひとはみな
愛の途上でおわる
どうせいつか
消える身なので
大差ないが
若い死にふれると
おめおめ
夭折もせずに生きのびて
うしろめたい石である
わたしの
古傷がしめやかに疼く
....
わたしは誰でもなく
なんとでも呼ばれる
身近な人には
名前で呼ばれ
子供には
ママと呼ばれ
昔の知り合いには
旧姓で呼ばれ
離婚したことがあるので
そっちの名前で呼ばれ
再婚したの ....
読書の秋って言いますけれど、今年はほんとにそんな秋にしたい。いやいや、なんとなく落ち着いてきたから、ぼちぼちとできる範囲で。今、詩の書けない時期に入っています。発想ゼロ。何も浮かびません。ある意味バ ....
僕の背中に羽根はある?
背中に触れて確かめる勇気がない
ここは独房
臆病が足枷
窓越しの空を見上げる
もしかして羽根は折れてる?
広げてみる勇気がない
僕は空想する
窓の向 ....
今日は
なんか変だ
誰もいない部屋で
テレビがひとり
喋ったり笑ったり画面が変わったりしてる
ふと
その音が聞こえたら
もの凄く哀しくなった
テレビ ....
雨音で目をさますと
玄関のドアを網戸にして
ベランダも網戸にして
家中開け放す
雨の空気を
家中に蔓延させる
雨日儀式
内外の境界を曖昧にする
こうす ....
愛と
つぶやいてみる
それから
でたらめに
石と
愛の石
ではない
石の愛でも
ない
愛のような石
石のごとき愛
なんか
ちがう
てゆうか
なにやってるんだ ....
小学校3年生の時の担任のN先生は、子供に作文や詩を書かせることによって、考える力、生きる力をつけさせるということを提唱し、本も沢山書いている方でした。
そして、授業中やそれ以外の場所で、草野新平や ....
覚えていますか
と
問いかけるのは怖い
そして無意味だ
わたしはあなたにとって
最初から存在しなかったと
同じなんだと
確認したところで
一体なんになるだろう
覚えていますか
と
....
くっきりとあかるい黄金色
冴え冴えと澄みわたった闇に
ぽっかりと浮かんでいた それ
何処へもゆかれないわたくしは
そのしたで
孤独やら絶望やらと
親しくしていた
それは
し ....
まわる杖のなぞる
たりない 言葉
目には まだ
うつらない
誰に 誰を重ねる
どこにも いない
今は まだ
今夜は
無性に 胸のあたりが苦しいので
闇の中
家の裏山に ドラえもんを探しに行く
おそらく
好物のどら焼きをえさに
すずめを捕るような仕掛けで
竹篭を逆さにしておけばよい よう ....
大通りが静かな日でした
西側に傾いた窓から空を見下ろすと
秋でした
寝転んだ姿勢のままで
耳を使って確かめてみても
国道は確かにそこにあって
とても
静かな日でした
赤とんぼが ....
とっておきの、嘘、も、
いっかい使ったらどろどろになって指を刺した
みじかく切った髪の、毛
が、
きみののどに刺さってくれたらちょっとは
にじんでいいとか悪いとか
、なれたかもしれないかな ....
秋が
ふらりとやってきて
10万円を返しにきた
と言う
後の8万円は
出世払いね
などと
片目をつぶってみせる
秋がまだこの国で
秋という名前もなかったころ
お日様の姿が見 ....
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