靄のかかった人々は表情の裏側の悲しみを蓄積していくばかり
痛みに麻痺した人々はこの世を素敵ともてはやすが共感をよぶことはない
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幼い頃に望んでいた羽などはもういら ....
回転式自動ドアは
通れない
怖いから
足がすくむ
こどもが死んだ
やっぱり って
思った
エスカレーターも
苦手だ
乗るときに
心がいつも
ざわざわする
エスカレー ....
いつだって
熱くなれるってのは
うらやましいこと
このうえない
放出するだけが
能じゃないことも
ちゃんとわかってる
から
やられる
きみの額に
フライパンをのせ ....
電線に止まって
人を見下ろす鴉
でさえ貴女の
髪の黒さに憧れる
夜空のように
貴女の黒髪は深く
そして遠い川のように
流れている
無邪気な子供達が
笑いながら
貴女の黒髪を ....
断崖絶壁を途坂している二人の若者は
時にはボロボロの吊り橋で命を落としかけ
時には鉄砲水に溢れる激流に呑まれかけ
数多くの絶体絶命を積み重ねながら
それでも尚、前進を止めない
愛する家族 ....
海沿いに走る防砂林を抜けると
右手に岬が見える
あの岬へ行こう
いつか交わした約束みたいなものだった
続いてる道は防砂林の中を
くねくねと曲がって上って下りて
右手に見えない海 ....
透明で
透き通った
ガラス玉
日にかざせば
きらり、と
希望の光を輝かせ
片目を瞑って覗き込めば
小さな自分が
逆立ちをして
自分を見ている
ガラス玉の世界は
ぴかぴ ....
名前は?
いちおうクサノダイゴという記号はある。
どこから来た?
あの空のむこう。
歳は?
知らない。
仕事は?
ささくれ屋本舗
具体的には?
心 ....
太陽の赤よりも
俺とお前の流した血のほうが
赤いぜ
光り輝くこともなく
ただ痛みだけを残した
体の半分の血を
俺たちは流した
それでも
愛だけは手に入れ ....
いつまでも
俺の耳に残って離れない
哀しいピアノの旋律
昔は1番好きで
よく弾いた曲
今は1番つらくて
2度と弾けない曲
あなたの好きだった
ただ1つの ....
葉はどれも光っていた
雨粒は露になって残り
雲の向こうの空のずっと高い向こうの
姿の見えない太陽の光を集めていた
雨あがりの空気は澄んでいる
埃だとかスモッグだとか
....
ほそい みどり の
うすい あし
こそり すみ に
より あって
どなた でしょうか
で きっと ね
つと つと そうっ と
すき に いく
だけど かた ....
どっかの誰かが
顔も知らない相手に投付けた言葉
でぇっきれーだ
知ったかぶって得意げな顔してんだろ
どっかの誰かが
顔も知らない相手を傷付けた言葉
でぇっきれーだ
そんな事で ....
お菓子の家は
どこにあるの。
雲ひとつ見つからない
青く平べったい空が広がった
あの日
雲だけでなく
あの人までも
見つからなくなった
心からあの人を
信じてきってい ....
遠くで呼ぶ声がする
ボクを呼ぶ
微かな声がする
高校の
クラブハウスの二階から
身を乗り出して手を伸ばす
何度も落ちそうになったけど
声のする方へ届かせたくて
この手で掴み取りたくて
....
もう一度
あたしを見てはくれませんか
もう一度
あの笑顔を見せてはくれませんか
もう一度
あたしの名前を呼んではくれませんか
もう一度
手を繋いではくれませんか
....
わたしはもう
一歩も進めそうにありません
思い出という名の紐に とらわれて
がんじがらめになって
一歩も進めそうにありません
いつか 綺麗だと思った思い出たちが
今は わた ....
何気ない日々が淡々と過ぎていく
何をしていても
何もしていなくても
そんなことは知っているのに
私は悲しみを持て余すばかりで
いつもは無口なあの人が
今日はよく笑っていた
野に咲いた ....
うちの窓から
朝日はみえない
きっとどこかの窓からは
朝日がみえる
みえるのだろう
夕べ
流しの三角コーナーに
食べ残したサラダを捨てながら思った
サラダの中の胡瓜が細かくなる前
の ....
うさぎはおおかみの上着を着て
おおかみの上着の上から
うさぎの上着を着て
うさぎの上着の上から
おおかみの上着を着て
ほっと一息ついて
コーヒーショップなんかで
おおかみの上着を脱いで
....
鳥は水中を泳ぐ魚を見て 泳ぐ喜びを羨ましいと思い
魚は地上に走る獣を見て 走る喜びを羨ましいと思い
獣は天空を飛ぶ鳥を見て 飛ぶ喜びを羨ましいと思う
皆、自分が羨ましいと思われてる事 ....
激しさの後には
心臓が弱ってしまって
ポンコツ寸前
私の耳よ
もう雑音を拾うな
笑えないのなら
余計な荷物を背負うな
水をたくさん飲むから
身体 ....
不安な気持ちと幸せな気持ち
量ってみたらどっちが重いかな?
ただの天秤じゃなくて 心の天秤で
誰かが言う、
「そんなの量れるわけがない。決められるわけない」
たしかにそう
量れるわ ....
そうですね
と
いってみる
そうですね そうですね
そう かもしれません
そう いう考え方もあるかもしれません
そう いうものの見方は
ほんとうは
かなしくは ないですか
....
幸せになろうね
と
囁いたその唇で
幸せになってね
と
呟かれた
言わせたのは、私のはずなのに。
いつもなら
腕を組んで歩くのに
君は
僕の後ろから
うつむいて歩いてくる
巡礼者のように
哀しい顔で
僕はほんの少し
君が戻ってくるのを期待していたよ
....
森をゆく足音は割れていて
でもそれは 決して
壊れてゆく訳でもなく割れていて
それはいくらか湿っていて
でもそれは 決して
濡れている訳でもなく湿っていて
微かに遠のくように響き
でもそ ....
旅に出るなら
夜の飛行機にしよう
このまま
一緒になるとも
別れるとも
僕らは決められない
別れらない二人には
夜の飛行機がいいよ
君は僕のことだけを
僕は君のことだけを ....
おい坊主、饅頭食うか?
おじちゃんだぁれ?
知らない人にモノもらっちゃだめだって
母ちゃんが言ってたよ
そうか、残念だなぁ
こんなにスベスベしてるのになぁ
スベスベしてるの ....
ジャムを作ろう
そう思って
準備を始めたのに
いちごに砂糖をまぶすと
目から大粒の水滴が落ち
その涙はいちごに零れて
涙に濡れたいちごが
輝いて見えた
ジャムができて
い ....
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