年が明けてから まだ太陽を見ていない
外には{ルビ只=ただ} 冷たい雨音

静かで薄暗い正月


神棚に手を合わせたら
{ルビ揃=そろ}えた足元の床がへこんでいた

町では偽 ....
1.

かみさまはいるよ、
って 
教えてくれた人は
もうすぐ死んでゆく人だったけど
それは黙っておいた


だって、あいしてるんだ



2.

きのう、かみさまを見か ....
 僕の中には宝物がかくしてあるんだ

 だれも知らず

 実はぼくも知らず

 眠りに落ち

 リセットされた朝に

 ぼくの真実が

 ぼくの宝物を垣間見せる

 つぼみ ....
ここは違う世界の

ぼくらの無人島

誰も助けてくれない

けどぼくらは外に出たくなかった

ぼくらはこの無人島になれていた

さっき船がきたけど

僕たちを迎えにきたんじゃな ....
お酒をたくさん飲まされると
意識がいつもの倍ははっきりして
でも
頭はだるくて何も考えられなくなる

お酒をたくさん飲まされると
体の芯が熱くてジンジンして
でも
体はだるくて何もでき ....
 まぎれもない
 それは目の前に

 渾然とする
 雑草が生い茂る

 重なりあい
 混じりあう

 出会う
 別れる

 涙のよる
 喜びの赤提灯

 飛びあがる力
 ....
街は未だにざわめきが残るけれど
フェイクファーを首に巻いたアノ人は もう、いないみたい

賑やかな場所が ほんと、ほんと大好きで
夏祭りにも来ていたし、収穫祭にも来ていたのに
アノ人 ....
毎日会うって事が
まるで奇跡みたいな出来事なんだって
今更ながら気が付いたよ

残していった素敵な笑顔を抱いて
僕は今日もこうして君を待つ

僕にだって色々事情がある
彼女だってきっと ....
朝早く
{ルビ風呂場=ふろば}にしゃがみ頭を洗っていると
電気に照らされたタイルに小さい光の{ルビ人形=ひとがた}が現れ
こちらへ手を差し出した

思わず光の手を握ると
タイルの裏側へする ....
いつからか夢見ることを遠ざけたのは
それが大人になることだと教えられたからではなく

身近な現実を見つめれば
それが大人になることだったからでした



忘れ去られた銀河ステーション
 ....
廻らないメリーゴーラウンド
高さも早さも無いジェットコースター
廻らないティーカップ
高さも窓も無い観覧車

いいから来いよ

何もないコンビニ
電車の来ない駅
神父の来ない懺 ....
もう何年も前
遠い北国に{ルビ嫁=とつ}いだ姉が
新しい暮らしに疲れ{ルビ果=は}て
実家に帰っていた頃

日の射す窓辺に置かれた
白い植木鉢から緑の芽を出し
やがて赤い花を咲かせたシク ....
久しぶりに三人で手を繋ぐ
いつもより寒い冬
汗をかいた小さな掌は
どことなく妻に似ていた

歳を聞けば指で
三本や五本を出していたのに
今では両手の指すべてを使わなければならない ....
旅人よ
君は何処へゆくのか

その靴がすり切れるほどに
過ぎ去った悲しみの日々は背後に遠のき
名もない無人の映画館のスクリーンに
モノクロームの情景は映し出される



「ひとりの ....
時間とともに わたしは
うしなわれる だから未来を
待ち望まない というのは嘘だ
明るいうちに できるだけ早く
きみのところまで たどりつきたい
あなたがいたから
元旦があった

あなたのえがおが
初日の出だった

大学病院の病室で
えがおをうばわれ
たくさんのチューブにつながれ
いしきもなく
それでも
懸命に闘っているあ ....
あても無く{ルビ彷徨=さまよ}う
芝生に伸びる私の黒影
丘の上に独り立つ

{ルビ只=ただ}
北風は{ルビ枯草=かれくさ}を揺らし
雲ひとつない空は澄みわたり
日の光の道を映す海は
 ....
この間、ネットで古本情報を検索していたら、私の昔の詩集が百円で売りに出されていた。
百円かあ。妙に納得したりして(笑)

さて、だいぶサボってしまったので、あんまりやる気が起こらない。でも大晦日 ....
いつもの手紙の更新を、また忘れたりしながら
滑り落ちるような坂を
今日は黙って落ちる
街外れの図書館はいつも通りの匂いがして
さらさらと視界が変換されていく


名前を名前と呼んだのは何 ....
『私のこと、どう思ってるの?』
たった一度だけ、聞いてみたことがあった。
聞きたくはなかったけど、聞かないと不安で、涙が止まってくれなかったから。。。
知り合ってから一年間、聞きたくても、気付か ....
 感覚の麻痺が進行している
 ときめきという言葉を街のなかで
 落としてしまった

 かすかに残る感情は
 明日も神経をすり減らす
 人との交じり合いで
 かすんでゆく

 がんばっ ....
私は、私の内実を永久に出ることはない、だ
ろう。私の子宮では、無意識下で鋭くえぐら
れた、いつまでも分裂している彼方の翼が、
黒曜石の暗さで果てもなく胎動し凝縮と膨張
を繰りかえし自らへと表裏 ....
十字架にはりつけられ
{ルビ頭=こうべ}を{ルビ垂=た}れる人に
今迄私はいくつの石を投げてきたことだろう

{ルビ尖=とが}った石の言葉で誰かを傷つけた日も
心無い恋の海に溺れた夜も

 ....
僕はペンギンのおなかが気になる
あれはかたいの?
それともやわらかい?

ペンギンがやってきて
僕をみて ほほえんだ
おしてもいい?
ペンギンは駄目だという仕草をして
帰っていった
 ....
子供の頃には、そんな言葉は知らなかった。
きっと、誰もがそうだったのだと思う。
けれども、いつの間にか植えつけられ、いつの間にか、当たり前のようになっているものがある。
そのことの重大さに、誰も ....
冷たい風と一緒に
クマが走ってきた

大きな目をまん丸にして
涙がポロポロ

首からさげた手ぬぐいで
目を拭きながら走ってくる

冷たい風が目にしみるんだね
冬眠するの 間に合わな ....
銀河系宇宙には
空飛ぶ円盤がある
あるだろうね
あらねばならない

円盤が飛来するために
滑らかに仕上げられた
空の広さといったら
ロシアの大地には敵わない
ネバ河に沿っても雪は積も ....
「はい、どうぞ」

白いコック帽子に{ルビ黒髭=くろひげ}のマスターが
キャンパスに描かれた油絵のような
色彩豊かなメインディッシュを
木目のテーブルの上に置いた

歪んだ陶器の皿の上に ....
ぼくがあまえるには
きみはちいさくて

きみがあまえられるほど
ぼくはおおきくなくて。


だから
さみしいねって
くっついている

いつまでも
くっついてる


おんな ....
詩のカタチして
小生意気な顔をして
エーイエーイと言っているよ

僕のうちは貧乏だから
50円が無いとは言えないで
大事に握った50円玉
丸くて小さく穴開いて
向こうの家が見えている
 ....
ひよりさんのおすすめリスト(3012)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
初夢の青年- 服部 剛自由詩13*06-1-6
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宝、時分の花- 炭本 樹 ...自由詩306-1-6
無人島- こめ自由詩106-1-5
拷問器具- 和泉 誠自由詩2*06-1-5
心に咲いた一輪の花- 炭本 樹 ...自由詩206-1-5
つがる- 仲本いす ...自由詩106-1-3
彼女の事情- 和泉 誠自由詩2*06-1-3
門出- 服部 剛自由詩8*06-1-3
流星群の夜- ベンジャ ...自由詩11*06-1-2
ラバーソール・ラヴァーソウル- 虹村 凌自由詩4*06-1-2
花を育てる_〜一年の計〜- 服部 剛自由詩13*06-1-2
初詣- たもつ自由詩5206-1-2
黄色い花- 服部 剛自由詩12*06-1-1
そろもん(寿命の話)- みつべえ自由詩706-1-1
元旦- 草野大悟自由詩306-1-1
石ころ- 服部 剛自由詩5*05-12-31
三匹が斬る〆_現代詩フォーラムランダム道中千人斬りの巻__其 ...- 肉球マニ ...散文(批評 ...605-12-31
オレンジジュース- 霜天自由詩405-12-29
本当に、私のこと好きですか?- Lily of the ...散文(批評 ...5*05-12-27
がんばっちゃうもんね- 炭本 樹 ...自由詩305-12-27
羞恥心のアポトーシス- こしごえ未詩・独白10*05-12-25
碧い涙- 服部 剛自由詩6*05-12-25
ペンギンのおなか- 日朗歩野自由詩1705-12-25
『偏見』というしがらみの中で。。。- Lily of the ...散文(批評 ...11*05-12-24
冬クマ- 日朗歩野自由詩905-12-24
冬の円盤- あおば未詩・独白4*05-12-24
Cafe_Le_Poete_♯3_〜クリスマス前夜〜- 服部 剛自由詩6*05-12-23
ぼくら- 日朗歩野自由詩505-12-23
詩の形- あおば自由詩4*05-12-23

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