押入れの奥から出てきた 段ボール箱は
ガムテープで 厳重に ぐるぐる巻きにされていた
封印のように巻かれた 茶色いガムテープを剥がして
中を覗いてみると
コロン と 青い透明な「キモチ ....
それは不思議な空でした。
じっと見ていると、吸い込まれそうなほど青くて綺麗で・・・
それは不思議な空でした。
ずっと見ていると、燃えるようなほど赤くてあつくて・・・・
それ ....
自分の投稿した作品にポイントが入ると、嬉しいです。
それはもう、半端じゃなく嬉しいです。
一応は「良い」という証としてのポイントであります。
しかし、「頑張れ!」だとか「仕方がないなぁ」だと ....
ざあざあ雨の日の赤信号
私は傘の代わりにバックをかぶっていた
足元にいた雨蛙が
私を見上げて
ゲコゲコゲコリと笑った
逃げもしないで
お前も信号を待っているのかと訊くと
雨蛙はまんま ....
まなこ に にちりん
もろて に こがらし
つち の かんむり しろ こだち
かぐわし みつ むし
たわわ の やま つき
かぜ の ふところ ....
いつまでも
どこまでも
そんなこと
どうでもいいくらい
まっすぐつづく
ぼんやりした
みちしるべ
ぽつり ぽつりと つづく
あぁ、
やわらかな こっかくに ひかる
....
おかえりなさい、が あったのだよ
ひらけば其処に
おかえりなさい、が あったのだよ
そとから帰って
よごれた手も洗わずに
とってもとっても
温かかったのだよ
....
{ルビ錘=つむ}ではなく{ルビ罪=つみ}刺さりし王女
ツェツェ蠅のベルゼブブの興奮した口吻
忘れて 吸われて
導眠の 粉落とす砂男
ヒュプノスとモルフェウスの拮抗
色の呪い は熱い氷
....
人の仕事までとって
頑張ってみせても
それ
本物じゃないでしょう
アナログでごめんなさい
真似すればいいなら
得意なほう
だけど
私の作ったものを
愛してくれてありがとう
....
明日をうたがい おそれながら
大審問の つらい夢からさめる
また朝の
灼金のひかりのなかに立ち
荒野のひつじのむれを見る
ふと遠いところへ行きたくなる
通過電車に手をのばせば届きそうで届かない
本気で身を乗り出すと本当に連れ去られてしまうから
「危険ですから、黄色い線の内側までお下がりください」
というアナウ ....
目が覚めると
広い窓の部屋にいる
鍵穴にくるり、と
鍵を差し込むのはもう何度目だろう
潮の香りがする
海が近い、ようで
不透明な窓から
青いはずの海を想像してみる
仕方が無い、のか ....
言葉にならない不安が
言葉にできない不安が
からだ中を駆け巡る
自信なんて持てなくて
自信がどこから来るのかなんて
分からなくて
喧嘩もしたくなくて
嫌われたくもなくて
何も言えな ....
すずしいかぜが ふいてきた
なつをすこしづつ
つれていってしまうよう
ぱたぱた ぱたぱた
あつあつ こぼして
このからだ
そっと
なつごこち
じりじり なく むしと
のう ....
久しぶりに自転車をこいだ
思いのほか重くって
にわかに
ふくらはぎが
注意報
堪え
堪えて
焼鳥屋を目指す
男ふたり
「とりあえずビール」
と
....
せっかくのスカートが、なんて
君は
ふくれた顔で
片手にサンダル
フナムシも
フジツボも知らない
君は
おびえた顔で
片手にサンダル
ここは
たまたまの国道沿い
....
湿った風が吹く朝に
君は薄い火を灯した幹から両手を離す
種の保存の掟は果たせたのだろうか
君の生き方は純粋で幸せだったのだろうか
最後は雲の切れ目から青空が見えたのだろうか
....
紙の船 砂に
海を ひらいて 進め
ためらうな そうしなければ
みえない ものばかりを
愛したからには
夕空は・・・
醒めてしまった想いを
包んで少し染めてみて
赤々と・・・
君へほんの気持ちです
青空は・・・
飛べなくなった気持ちを
軽々抱えて風に乗せ
青々と・・・ ....
君の心の展示会覗きたくなり
電車に乗りました。
カッタンコットン・・・
揺られて逢いに行きます。
窓から見える景色もコマ送りに君に近づきます。
....
詩を 描きました。
小さな詩を 書きました。
相変らずそらは 真っ暗だと言うのに
いきがって 小さな 詩を描きました。
トラさんや タツノオトシゴさんは、
もう ずっと ....
幼い我が子に虐待を繰り返し、死に至らしめてしまう父親の一人称の詩を書きたいと思った。その父親自身が過去に受けた(かもしれない)虐待の話は書かず、でも徹頭徹尾主観で、どうして自分が虐待をしてしまうのか ....
ラクダと探偵が恋に落ちた
ふたりは愛情を育んだが
所詮は偶蹄目と霊長目の許されぬ仲
お別れの日探偵は
沈むことのない夕日をプレゼントした
ラクダは泣き疲れ
二つのこぶをなくし
変 ....
花ことば常に前進ガーベラよ
夏の花だとおまえの笑う
すれ違う風の香りの優しさは
コンマ二秒心留まり
夕闇に街のネオン瞬いて
....
排気ガスの向こうに
こころだけを投げ出せば
いつだって僕は風になれる
鳥にだってなれる
部屋に戻れば
やわらかい布団と
あたたかなシャワー
守りが約束されているの ....
一冊の絵本のような生涯
浮遊するひとかけらの海
あれは君なんだろうか
思想のない森と夜の魚
そんな絵本だとしたら
月がちょうど半分 あとは少しの湿度
そんな海だとしたな ....
大潮の夜に
ふたり酔って
ふらふらと歩きながら
月を見れば
俺は笑う月と、
あなたは兎の耳と、
反比例の相関を示し
提示した相関係数マイナスRの
数値が0コンマいくつになるか
....
一篇の詩に洗われて生まれてきた
風のかおりにつつまれて
身をさらし風化して
たわむれの声を聞く
{ルビ盲=めしい}た愛を引きずって
無欲な耳は
{ルビ戯=そばえ}を咀しゃくする
....
輪郭だけをのこしたまま
あのひとがいなくなってしまったので
いつまでもわたしは
ひとりと半分のからだで過ごしている
明かりの消えた部屋で ひとり
アルコールランプに、火を点ける
ゆ ....
晩ご飯を食べようと牛丼屋のドアを開くと
レジの横で店長のおばちゃんが
「生活の重荷」を背負うように細身の背中を{ルビ屈=かが}め
書類を{ルビ睨=にら}み何かを書き込んでいた
厨房では新入 ....
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