知らない街で
洗濯物が揺れている
風に洗われて
青空を映しながら
知らない道に
鳥の羽根が落ちている
素通りなど出来なかった
「これは大空の破片なのだ」と
....
逃れゆくものたちから
遠くはなれ
真夏し続ける真昼
貝殻たちは閉じ続け
空は円環面だけを広げ続け退行の曇天
誰かが呼べば
誰かが応える
のそとがわで
隠れている子を見つけ出せない
鬼 ....
・・・・・・父は営林署の職員だった。私たち家族は小高い丘の上に建てられた社宅のひとつに住んだ。数十軒の社宅が営林署の三階だての建物を円形状にとりかこみ、遠くから眺めると近世の城とその武家屋敷の集落のよ ....
ねぇ あんた寂しい人だね
テレビもつけないで
CDも聴かないで
ただ ぼんやり
煙草をふかしながら
扇風機の音を聴いてんのか
俺と同じ
俺と同じだぜ
埃の体積する部屋にも
光りは射す
この空は
吸い込むの
落ちてくるの
光りは涙みたいだね
透き通った影
触れるとあたたかいから
僕はとか ....
窓から世界が見えすぎるので
何度も何度も触れつづけては
指とガラスをたしかめていた
消えた素顔をたしかめていた
描かれた線に雨は重なり
音だけを残して見えなくなった
....
あと三日、
レポートの提出期限はいつかの午前0時ちょうど。
かちこちかちこち
時計は無機質に、それでも確実に一秒一秒時間を刻んでいく。
レポートのテーマは・・・・ない。
テーマの ....
僕の夢は
夢を見なくなる
ことだったりしたから
僕は夢を
宇宙に放り投げたり
地面深くに埋めたりした
ある日外へ出てみると
地面には夢が
もさもさ生えてきてたり
空 ....
手足があったらヘビだって
歩いていたに違いない
晴れた日には日傘のひとつでも差してさ
そうだね、父さん
だからまだ
どこかで生きてて
ゆっくりと朝になっていく一日に
決まったかたちの挨拶を投げ掛けて
次第に集まってくる思考を
開きかけの目で確認する
机の上には
いつからか書きかけの手紙があって
便箋は空を薄くした色
....
厳しい借金の取立てに耐え切れなくなった男は死ぬことにした。崖の上で靴をそろえる。ふと右手を見ると、同じように靴をそろえている男がいた。目が合った瞬間、ふたりは理解した。つらかったですね。それももう終 ....
微笑みに沈みながら
ゆっくりと溶けてゆく君が君が
追いかけられることにつかれて
しごとも捨てかんけいも捨て
色さえも捨てた
ほのおの残した灰のように静かに
軽く風のような涼しいが吹いてから ....
伸ばした腕の先の
手のひらの先の
中指の先っちょが
触れるか触れないか、
のところまで
夏が。
列車を待つ顔たち
照らす陽射しの角度を
知ってか知らずか
右へ傾く
....
やがて海に至る
そこで真水を探すのだ
生きるために生きるように
迷わずに行こう
あの太陽の落ちる先に誰かがいる
その人にこれからを頼むんだ
帰らない
その先には希望がある
それ ....
ふかしぎを
さとったふり
したって
にちじょうの
うずが
ぐるぐる
ラッキー
だろうと
アンラッキー
だろうと
であうべき
ひかりのかずも
やみのいちも
たして
わ ....
どうしてかな、陽の光がまぶしく見えないのは
行きはとても短かった潮風を感じる大地までの道が
今は無機質でとても永く感じてしまう。
私の言葉として出てくるものはダムによって塞き止められ ....
昨日、彼に体重がばれた。
今までずっと秘密にしていたのに。
泣きそうになる私に彼がくれた言葉。
「キミがもし、普通の女の子より
10?体重が多いと嘆くなら
それは見当違いだよ ....
ある日 吐き出した唾液が
ニコチンで染まってて
嗚呼 これが僕が汚れた証だと
ふ と思ったのです
ある日 つっぷした枕が
涙で染みていて
嗚呼 これが僕が犯した罪だと
ふ と思ったの ....
洋ナシをひとつ
手にとって、
戻した
わたしは今
シアワセです と
伝えたくなる
たとえ
嘘だとしても
洋ナシは嫌い、と
言った
あのひと
伝えるすべも ....
いつも車で通った道を
自転車で走る
この坂は思った以上にキツイ
けれど下り坂は
気持ちいい開放感
大きな樫の木は
いつもより大きくて
一時停止
下か ....
話したことも無いけれど
重なるこころを
感じるのは
こうして
見つめ合っているからですね
どちらかが
目をそらしたら
そこで
終わってしまうかもしれない
もしくは
すれ ....
6月の快晴に出会って
やあ久しぶり なんて手を挙げたりして
からからに乾こうとしてる街を
隙間を見つけながら走り抜けたりする
名前も知らない鳥が
真似できないような声を出してる
それに ....
雲 のチビ は
ちらり すまして
ふんわり おなか
に まるまって
かくれんぼ なの
だれにも 言わないで
抱きしめたら
ここ へ そら
あしたがこないと
カラスが言った
あしたはたべたと
夕日が言った
あしたはにげたと
闇は言った
あしたは遠い空の上
きょうは輝く月の下
あしたはじっときょうをま ....
俺の夜空には
今日も星は見えない
鈍く光る三日月が死神の鎌みだいだぜ
俺は
いつ死んでもかまわないと思ってきた
体も悪いし運もないんだから
仕方ないだろう
死 ....
夜の汀に
静かに打ち寄せる旋律が
月を濡らし
とびきり無垢なくらやみ
豊かな潮騒に包まれる
すべての静かなあなたたち
今はただ
波間に映りこんだ月のように
やさしく揺れて
なにも持た ....
道々考えます。
いつも・いつでも・いまでも
道々風が吹きます。
いつも・いつでも・いまでも
道々貴方を追いかけます。
いつも・いつで ....
守りたいものがあった
それは
とても小さくて
他人から見れば
どうでも良いものだろうけど
それでも
必死で守ろうとした
守りたかった
宝物だったから
....
どこから夢で
どこまで夢だったのか
わからない
という 朝
さざ波がたっていたので
ただ
風をさがした
前に進むための
1オンス
やがて
なにもか ....
日が暮れていく、僕の脆弱な血管の中を
翼よ、あれがパリの灯だ
けれど、僕の翼はじゃがいもでできている
ポム・ド・テール!
大地のりんごよ、大空を飛べ、飛べったら飛びたまえよ
....
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